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株式日記と経済展望
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少なくとも「震度6〜7」では新耐震のマンションは倒壊も大破もせず、
人的被害を最小限に抑えられるということが改めて証明された。
2011年4月24日 日曜日
四階まで水に浸かった南三陸町の町営住宅、20〜30人が屋上に避難して助かった。
沿岸部の平地では五階建て以上の大規模マンションを建設すべきだ。
◆津波に強かった「1階吹き通し」再使用できるケース多く 建築学会報告 4月23日 産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110423/dst11042323500058-n1.htm
東日本大震災の揺れや津波で被害を受けた建物を調べた結果、1階部分が吹き通しになった「ピロティ型」の建物が、津波に強かったことが、東北工業大学の田中礼治教授らの調査で分かった。沿岸部では、ほとんどの木造家屋が流失している一方で、鉄筋コンクリート構造の建物の多くが再使用できる状態で残っていることも判明した。
23日に大阪市内で行われた日本建築学会の「緊急調査報告会」で報告した。
「ピロティ型」衝撃少なかった?
田中教授らは、仙台市など宮城県の沿岸部を調査。田中教授によると、津波で木造家屋が壊滅的被害を受けた地域でも、鉄筋コンクリートの建物は、基本構造に大きな被害がなく、再使用できるケースが多かったという。鉄骨構造の建物も一部は残っていたが、基本構造が変形し、再使用は厳しい状態だった。
1階部分が主に柱だけで構成されているピロティ型の建物が津波に強いことも浮かび上がった。堤防から数十メートルの場所で津波の直撃を受けながら流失を免れたケースもあったといい、田中教授は「1階部分に外壁がなく、津波の力を受ける面積が小さくなるためではないか」と分析している。
「重さ」で耐えた鉄筋コンクリート建築
また防衛大の多田毅講師は「鉄筋コンクリートの建物は、それ自体の重量が大きく、津波の力に耐えることができた」と指摘。鉄筋コンクリートの建物であっても、一部津波で倒壊した例があることについては「昭和53年に起こった宮城県沖地震などで基礎部分が変形していた可能性もある」と述べた。
同学会は今後も被災した建物の調査を進め、地震や津波に強い建築技術などを政府に提言する方針。
◆やはりマンションは地震に強かった 管理協の調査で証明 4月21日 RBAタイムズWeb版
http://sumai.nikkei.co.jp/edit/rba/etc/detail/MMSUa8000022042011/
やっぱりマンションは地震に強かった――。高層住宅管理業協会(理事長:黒住昌昭大京アステージ会長)は4月21日、同協会の会員会社が管理するマンションの東日本大震災による被災状況調査結果をまとめ発表したが、4月1日に公表した目視調査と同様、建物の全壊や建替えが必要な「大破」はゼロだった。
調査結果によると、東北6県で会員会社25社がマンションの管理を受託する1642棟(全マンションに占める割合は約90%)のうち、「倒壊」や「大破」はゼロで、構造体の補強や修理が必要な「中破」は26棟(1.6%)、構造耐力に支障はないが補修工事が必要な「小破」は283棟(17.2%)、外見上ほとんど損傷がない「軽微」が1024棟(62.4%)、「被害なし」が309棟(18.8%)だった。
ただ、同協会に調査依頼があった79棟の詳細調査では、1棟(具体的な内容は未公表)が300分の1度くらい傾いているものがあったため、更に詳細な調査が必要としている。
被害を耐震基準別に見ると、「旧耐震(1970年以前)」は3棟あり、全て「小破」だった。「移行期(1971〜1981年)」は79棟あり、「中破」が5棟(6.3%)、「小破」が27棟(34.2%)、「軽微・損傷なし」が47棟(59.5%)。「新耐震(1981年以降)」は1,560棟で、「中破」が21棟(1.3%)、「小破」が253棟(16.2%)、「軽微・損傷なし」が1286棟(82.4%)だった。
1995年の直下型で最大震度7を記録した「阪神・淡路」では全5261棟の1.6%に当たる83棟が「大破」したが、耐震基準別では「旧耐震」が31棟(全旧耐震に占める割合8.4%)、「移行期」が42棟(全移行期に占める割合2.3%)、「新耐震」が10棟(全新耐震に占める割合0.3%)だった。倒壊マンションも少なくなく、1階部分が完全に潰れたものや、真横に倒れたものもあった。
調査結果について黒住理事長は、「宮城沖地震(1979年)の学習効果があったことだろう。ライフラインの問題はあるが、少なくとも生命を守る安全性が実証された」と評価した。
記者もこの結果に安堵した。4月1日時点の調査は「目視」で、専門家の調査ではないものも一部含まれるということだったので不安だった。その後、ある新聞が「仙台のマンションも大きな被害」と報じたので、管理協の調査もいい加減だったのかと疑問を抱いていた。
しかし、そうではなかった。関係者によると、地元の新聞などが報じた物件は、賃貸用マンションを分譲に切り替えたもので、「安普請だったのではないか」ということだし、あとは公営住宅や公団マンションなどのようだ。つまり、大きな被害を受けたマンションは、管理協が管理しているマンションではないということが分かった。
地震の被害の大きさは「震度」とはまた別だから「絶対」とは言い切れないが、少なくとも「震度6〜7」では新耐震のマンションは倒壊も大破もせず、人的被害を最小限に抑えられるということが改めて証明されたのではないか。
震災からわずか40日間足らずで1642棟を調査した管理協関係者の努力を称えたいし、デベロッパーも含めてだが、これからも「管理協が管理するマンションは地震に強い」と言われるようなしっかりした受託・管理を行って欲しい。
(私のコメント)
昨日は復興構想会議が行なわれましたが、どのようにしたら災害に強い街づくりができるかと言うことは答が、今回の東日本大震災で出ている。冒頭の写真は南三陸町の五階建ての町営住宅ですが、四階まで津波に浸かってしまいましたが、住民は屋上に避難して助かりました。今回の大災害で約3万人もの死者行方不明者を出したのは津波によるものであり、木造住宅で津波によって流されたものだ。
近所に高台があれば直ぐに避難できるが、近所に高台が無い場合は、五階建て以上の大型鉄筋コンクリート建物に避難して助かった人が多い。もちろん低層階は海水に浸かってしまいますが、屋上に逃げて命だけは何とか助かることが証明された。特に一人住まいの高齢者などは避難する事もままならない事がありますが、大型マンションなら防災管理人が誘導することで避難する事ができる。
「株式日記」では、コンパクトシティ構想などを書いてきましたが、これからは一人住まいの高齢者が多くなってくる。そうなるとホームヘルパーなどの巡回などが大変ですが、希望者を町の中心部のマンションで生活してもらうことで町の福祉負担を減らすべきだ。特に東北地方などでは冬になると雪に閉ざされる地方もあり除雪など老人世帯では出来なくなる。
コンパクトシティでは町の中心部に病院や大型スーパーや娯楽施設などを集めて、老人でも歩いて生活の出来る街づくりをすることが望まれます。今回の大災害で家が被災しなくても電気や水道が止まってしまって、ライフラインが復旧するまでの間は避難所に避難することが余儀なくされますが、大型マンションなら発電機や井戸などの給水設備や浄化槽による下水処理などでライフラインに強い建物を建てる事が出来る。
どうしても木造の一戸建てに住みたいという人は高台に住んでもらうようにすべきだろう。高台の住宅から車で職場のある港町まで通勤するようになるだろう。町ごと全部高台に引っ越すことは無理であり、三陸地方などは特に漁業が産業だから港に隣接しなければ成り立たない。港に隣接した場所には大型の高層マンションに住んで職住接近の街づくりが望ましい。
「株式日記」のコメント欄には、津波の動画などを紹介していますが、木造住宅の災害に対する脆弱さが目立ちます。地震や津波や火災によって木造住宅は瓦礫の山になりますが、大型の高層マンションなら低層階が海水に浸かるだけで済む。復旧も設備や内装などを直せば住めるようになる。三陸などは津波の被害に何度も遭って来た地方だから、万里の長城のような巨大堤防を築くよりも、大型高層マンションを建設すべきだろう。
しかし大型高層マンションを建設するには金がかかる。都会なら建設は可能ですが東北の田舎町では無理だ。それは東京でもなかなか難しい話であり、大都会でも住宅の高層マンション化はなかなか進まず、木造住宅が果てしなく広がっていった歴史がある。韓国や台湾のような開発独裁国家なら都市計画も独裁権力で決めることが可能だ。しかし日本では土地問題が放置されて宅地が高騰するに任されてしまった。
開発独裁国家なら東京23区内は高層マンションしか建ててはいけないと規制が出来ますが、日本で実際に起きた事は日照権なる言葉が物語るようにマンション建設反対運動で、大都会の高層化が進まず、住宅が東京近県に広がり、通勤に1時間以上もかけて通うサラリーマンが当たり前になった。都心に職場があるのなら23区内のマンションに住めばいいと思うのですが、庭付き一戸建て住宅に拘る人が多く、東京の高層マンションは民間活力に任された。
東京ですらそうだったのだから、三陸の町に高層マンションを建てても一戸当たり3000万円以上もするマンションを買って住むことには無理がある。賃貸マンションにしても月に10万円以上もの家賃は難しいだろう。しかし放置していたら再び元の土地に木造住宅が建ち、100年以内にまた大津波が来て流されることになる。その度に人的被害を数万人も出していたら日本人は馬鹿ではないかと思われるだろう。
東京にしても、近いうちに必ず大震災が起きると予想されています。しかしながら一戸建ての木造住宅が果てしなく広がり、大震災になれば古い木造住宅は倒壊して大火災で焼け野原になるだろう。それは阪神大震災を見ても明らかだ。中国のような独裁国家なら強制的に立ち退かして高層マンションに建て替えることができますが、日本ではそれは無理だ。
東京に大震災が起きればおそらく数十万人が死ぬだろう。そのほとんどが木造住宅の倒壊や火災によって死ぬ。道なども狭小だから木造家屋の倒壊で道を塞ぎ、救急車や消防車も入れなくなる。そのような事が分かっていても鉄筋コンクリートの高層マンション化は遅々として進まない。日本では都市計画という言葉は死語であり、立ち退きなどと言う問題は成田闘争を見ても分かるように狂気ともいえる抵抗にあう。
瓦礫の山と化した三陸の町も再開発は決して容易ではないだろう。日本の支配階層に欠けているのは想像力であり、必ず大災害がやってくることが分かっていても何もしようとはしない。福島第一原発にしても国会では原発の危険性が認識されていたにも拘らず原子力安全委員会も原子力安全保安院も東京電力も何もしなかった。「想定外」と言う言葉が使われている時は自分の想像力の欠如を意味している時の言葉だ。そう言う人は傘を忘れて雨に降られても「想定外」と言うつもりだろう。
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