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学校や職場での避難訓練 2005年にJANJANと言う市民インターネット新聞へ寄稿したものを再掲します。 http://www.janjan.jp/living/0501/0501232881/1.php にあったはずの記事ですが、今は見れないようになっている様子です。ともかく、2005年に書いたものですから現在の状況を反映はしていません。ただ、避難訓練計画を立てるときには参考になるはずです。 阪神・淡路大震災や新潟県中越地震は、幸いにも、学校で生徒が活動していない時に起きた。しかし、やがて起こると心配されている東海地震など大規模な震災が、授業中に起きる可能性は十分に考えられる。以前、関東地方の学校現場で避難訓練の企画をした経験から、訓練の現状とその改善案を書いてみよう。 「化学室で火災が発生しました。担当の先生の指示に従って、速やかに避難してください」などのアナウンスで、ホームルーム教室から担任の指導の下、クラス全員がより速く避難場所に集合する、これが多くの学校で実施されている避難訓練ではないだろうか。そして集合後は、消防署の指導により消火訓練などをする。 つまり、「移動をいかにきちんと行うか」「消火器が使えるか」の2点に重点が置かれている。これは、学校単独での火災などに対応した避難訓練だ。しかし、南海、東南海、東海地震など予想されている震災の規模は、このような訓練では対応できない。そこで、改善点を幾つか挙げてみた。なお、既にこれらの点を考慮した訓練を実施している学校もあるようで、インターネット上でも見ることができる。 1.災害が発生する時、ホームルーム教室にいるとは限らない 小学校のように、ほとんどの授業を学級担任が行っていれば、災害発生時に、学級児童とホームルーム担任が共に居る可能性は高い。しかし、中学校や高校の場合は、そうではない。それぞれの教科で教員が別だし、家庭科をはじめとして特別教室での授業が多くなる。調理していたり、実験で化学薬品を扱っている場合もある。 そういう場合は、地震発生時の生徒への指示がホームルーム教室でのものとは異なり、避難経路も違うはずだ。図書館やパソコン室などからの避難訓練も必要になる。普通教室からの避難も含めて、3パターンほど想定し、学年順で訓練してはどうだろうか。1年生はホームルーム教室から。2年生は家庭科室や理科室などの特別教室から。3年生は図書室やパソコン室、または体育館などからの避難というように。 2.学校があるのは、どんなところ? 多くの学校では、文書や貴重品の持ち出し、救護、消火などの係を決めている。しかし、校舎がつぶれるような災害でない限り物品の持ち出しは必要ないし、まして校舎がつぶれるような場合は到底、持ち出しなどできない。また、鉄筋コンクリートの校舎が多いので、火災の避難訓練はあまり必要ないように思える。 そこで、現実に即した、学校ごとの環境に合わせた訓練をする必要がある。つまり、海岸沿いの学校であれば津波の避難訓練、住宅街の学校であれば大規模火災に備えた訓練というようにして、人命確保だけに目的を絞ってはどうだろうか。 3.けが人や動けなくなる人が発生したら? 机や椅子が吹っ飛び、ロッカーが倒れ、ガラスが散乱する中、けがをしたり、物に挟まれて動けなくなる生徒が出ることもある。訓練のように、全員がすんなりと避難できるとも限らない。 けが人が出たら、まず元気な生徒が避難し、その後、救護チームがけが人を助けに向かうという形しかないと思う。そのことを予め決めておき、教職員だけでなく、生徒にも徹底しておく必要がある。震災が起き、予想もつかない事態が発生したら、まず何をしたらいいのかを判断しなければいけないだろう。 4.避難場所に集合したら、その後は? 生徒や教職員が避難場所に集合したものの、全員が揃わなかったらどうするのだろう。安全を確認した生徒から帰宅させるのか、そして帰宅した生徒の集計をまとめるのは誰が行うのか、実は避難集合した後の段取りが、ほとんどの学校では決まっていない。実際の震災では、校庭などに避難した後が困ることになると予想される。少なくとも、次の点について、決めておく必要があるだろう。そして、保護者との共通理解を持っておくことも大事だ。 ・点呼は誰が取るのか(あくまでも担任か、それとも震災時の授業担当か)。 5.備えは校舎の外に 校舎がつぶれてしまわないまでも、ドアなどがゆがみ、必要な物が取り出せなくなっては意味がない。救助のための工具(バール、カッター、軍手など)を保管しておく場所も工夫した方がよいだろう。また、生徒や教職員の名簿、連絡先一覧なども必要になる。できれば、校舎外で地震などの影響をあまり受けない場所に保管が必要だ。 以上引用終わり。 本来はしめくくりの文句があったはずなのですが、不思議なことにその部分がありません。 3月11日の地震では、ある小学校で、マニュアル通りに校舎上部へ避難するはずだったが津波の規模が大きいことに引率教諭が気が付いて近くの山へ避難し助かったと言うニュースがありました。マニュアル化とは時として単に官僚的な規則主義に陥るもとになります。ただ、どの程度将来を見通すことが出来るか、多くの方が理想的な合理的行動をとるにはどうしたらいいか、などを考えるとマニュアル化はどうしても必要です。 *6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<536>>
以下、引用:
・行方不明や避難途中でけがをした生徒がいたら、どう対処するのか。
・けが人をどこに避難させ、どこで手当てをするのか。
・元気な生徒や教職員は、いつの時点で学校から離れるのか。
・家族とどのように連絡を取るのか。
・町全体に被害があった場合は、最終的にどこに避難するのか(学校が地区の避難場所に指定されていることもある)。
・校長などの管理職、事務職を含め、地震発生時に授業を持っていなかった教員は、どう行動するのか。
・学校はどこまで責任を持つのか。
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