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株式日記と経済展望
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中国政府はバブルをはじけさせようとしており、恐らくそうなるだろう。
中国の政府には、本気になればどんなバブルでもつぶせる ジム・ロジャーズ
2011年4月20日 水曜日
◆ジム・ロジャーズ氏が語るインフレ、商品、中国 4月14日 日経新聞
http://www.nikkei.com/biz/world/article/g=96958A9C93819499E3E1E2E28A8DE3E1E2E6E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;p=9694E3E7E2E0E0E2E3E2E6E1E0E0
「2011年4月6日 Forbes.com」 インフレ、商品市況、そしてアラブ諸国の政情不安の3点は、今日国際投資家が直面している最も重要なテーマに含まれる。4月2日に上海で開かれた「ワールドマネー・ショー」の合間に、この3点をはじめとする注目テーマについて著名投資家のジム・ロジャーズ氏に話を聞いた。ロジャーズ氏は米有力ヘッジファンド、クォンタム・ファンドの共同創業者で、『中国の時代』(日本経済新聞出版社、2008年)など投資に関する数々のベストセラーの著者でもある。インタビュー要旨は以下の通り。
――中国経済の前途をどう見ているか。
「中国の好景気と繁栄は継続しており、すそ野が拡大しているのが分かる。不動産ブームも広がっており、より顕著になっている。だが当然、私を含めてこれを不動産バブルと見る者もいる。少なくとも私は沿岸部の都市については不動産バブルだと考えている。ご存じのとおり、中国政府はバブルをはじけさせようとしており、恐らくそうなるだろう。中国の政府には、本気になればどんなバブルでもつぶせるだけの権限と支配力がある。いずれ分かる」
――中国のインフレについてはどうか。
「世界的なインフレは既に起きており、深刻だ。しかもさらに悪化するだろう。原因の一端は中国にある。というのも自国通貨を国際市場から遮断しており、結果的に資金が中国に閉じ込められているからだ。このため資金は中国内の行き場を探して、家具や不動産、実物資産などあらゆるものに向かう。これが問題の一因だ」
「ただ言うまでもなく、本当の問題は米国が大量の貨幣を増刷していることであり、それが世界中にジャブジャブあふれていることだ。中国人民銀行がどれほど抵抗しても、米国の中央銀行の方がはるかに規模は大きく、資金量も多い。世界中の中央銀行は商品相場の高騰という事態に直面しており、たとえ自ら貨幣を増刷しなくても物価は大幅な上昇を続けるだろう。このため当面は貨幣の増刷とは無関係に、インフレは進む構造になっている。それでも米国が火に油を注ぐかたちで量的緩和を実施していることが各国のインフレ抑制を一段と困難にしている。米国はインフレを最大限にあおっており、状況は悪化するだろう」
――そうした見通しに基づいて、中国では何に投資しているのか。
「中国で私が買っているのは人民元だけだ。知ってのとおり、電話1本で数百万元を買うといったことはできないが、合法的に買い足せる機会があればそうしている。中国株は今は買っていない。暴落したときには買いたい。次の暴落がいつかは分からないが、どんな国でも必ず暴落は起きるもので、そのときに買い足すつもりだ。私の中国に対する考え方は、他のどんな投資対象とも違っている。中国株を買い、孫のため、少なくとも子供のために長期保有するつもりだ。中国は21世紀の超大国になると確信しているので、子供たちには孫の時代まで保有してもらいたい」(中略)
――日本の混乱の影響は最終的にどうなると見ているのか。
「私は4月上旬に日本株を多少買った。それ以前、すなわち震災で日本株が急落する以前から購入を検討していたため、行動に移したのだ。日本の状況によって商品相場の上昇圧力はさらに高まるだろう。日本の農産物は汚染が疑われ、廃棄される可能性もあるためだ。金属に関しては、日本では長年建築活動が活発ではなかったが、今後は復興需要のため銅、セメント、鉄鋼については新たに想定外の大口需要家となるだろう。同じことが石油、天然ガス、石炭についても言える。ウランに代わるエネルギー源の重要性が高まっているためだ。このため今後は石油、天然ガス、石炭などのエネルギー源への需要が高まるだろう。世界にとっては商品需要が増えることを意味する」(中略)
――インドについてはどう見ているか
「楽観はしていない。実際にはインドはショート(空売り)している。インドの欠点や、インドに対する人々の無理解についてはいくらでも話せるが、1つ重要な事実を挙げるとすれば、インドの債務は国内総生産(GDP)の90%に達している。どういうわけか、インドへの強気論者はこの点に気づいていないか、無視している。知っている人もいるかもしれないが、様々な研究によると、債務GDP比率が90%に達すると、急成長は非常に困難になる。何をしても過去の債務の返済にまわることになるためだ。どれだけ生産性が高く活力にあふれていても、相当な負担を抱えていることに変わりはない。これをはじめとする様々な理由から、私はたいていの人ほどインドに対して楽観的ではない。旅行するにはすばらしい国だが、事業をするのはひどく困難な国だ。インド人にとってすら、それは同じだ」(後略)
(私のコメント)
国際金融資本が今どのようなことを考えているのかは、ジム・ロジャーズ氏のインタビューを読めばある程度は分かるのですが、中国びいきのロジャーズ氏は中国の好景気と繁栄は継続すると見ているようだ。娘に中国語を習わせるくらいだから相当なものだ。国際金融資本は日本に仕掛けてきたような手順で投資をしてそれを回収するのだろう。
ロジャーズ氏はすでに人民元しか買っていないようですが、人民元の切り上げを見込んでいるのだろう。中国ではインフレが加速化していますが、為替が自由化していないためにマネーは国内に滞留してインフレの原因になっている。中国の外貨準備高は3兆ドルを突破して日本の3倍もの水準になっている。ドルにリンクさせるためにはドルを買って元を売っているからドルは貯まる一方だ。
日本もドルを貯め込んで来ましたが、必要以上にドルを貯め込んでも意味は無く、国内にマネーが溢れてインフレを誘発している。日本のように為替市場が自由化していれば海外に投資も出来るのですが、中国では自由に人民元を持ち出すことが出来ない。持ち出しを自由化してしまうと海外で為替市場が出来てしまって政府が為替管理が出来なくなるからだ。
インフレを抑制するために利上げをすれば、さらに海外のマネーが流入してきて外貨準備高が膨れ上がることになる。1年余りで1兆ドルも増えたことになりますが、アメリカの金融緩和でばら撒いたドルを中国が一手に買っているようなものだ。中国がドルを買ってくれるからFRBも安心して米国債の買いオペが出来るのだろう。
中国の国内に滞留した人民元を回収して中央銀行の不胎化政策をしているのでしょうが、バブルを潰さなければ焼け石に水だ。結局はアメリカに押し切られて人民元の切り上げか為替の自由化を選択せざるを得なくなるだろう。その為にロジャース氏は人民元に投資している。中国もドルに固定させるために人民元を大量発行してドルを買い取っているのですが、米中で量的金融緩和合戦をしているようなものだ。
日本も東日本大震災で日銀が資金供給して一時1ドル=85円まで円安になりましたが、紙幣をばら撒けば為替が安くなることは明らかだ。日本は律儀に不胎化政策を実施して円高を維持し続けてきましたが、その結果インフレどころがデフレになるほどになってしまった。米中を見ればわかるように紙幣のばら撒き合戦をすればインフレになり通貨は安くなる。
ロジャーズ氏は4月に日本株を買ったそうですが、国際金融資本も安くなったところは買っているようだ。東北地方などでの建設需要を見越して銅、セメント、鉄鋼などの需要を見込んでいる。エネルギーに関しても
石油、天然ガス、石炭などの需要が高まり、世界の市場にも大きな影響を与えるだろう。マネーに関しても中国などへの投資に回っていた分も逆流するかもしれない。
ロジャーズ氏はこれからは農業の時代と見ており、「農民がランボルギーニを乗り回すようになり、証券マンはタクシーを運転するようになる」と言っていますが、アメリカの農業のことだろう。日本も農業の自由化を通じて競争力を強化すればこの波に乗れるのではないだろうか。中国やインドの経済成長で30億人近い人口が肉を食べるようになるだけで飼料などの農産物価格が高騰する。
中国やインドなどの新興国投資ブームは、先進国の金余り現象がもたらしたものであり、新興国への投資ブームもバブル崩壊に伴う経済破綻がギリシャやアイルランドのみならず、ポルトガルやスペインなどに広がるにつれて安全な国への投資に向くことになるだろう。
その意味では国際金融資本の日本への投資も回帰が期待されますが、大震災による金融緩和は3年後には100円を越す円安になるだろう。90年代も阪神大震災による金融緩和で145円までの円安がありましたが、日本の円安で中国経済は強烈なダメージを負うはずだ。人民元をいくらドルに固定していても日本の円安で中国は円買い介入してくるかもしれない。買った円は国債に回るかもしれない。
日本のエネルギー政策の転換は、原子力から火力に転換されて石油や石炭や天然ガスの需要が高まり、値上がりすることで貿易黒字から赤字転換して円高から円安への要因になるだろう。外貨準備も減り続けていますが、大震災の影響は輸出の減少となって加速している。
◆日本の2月末の外貨準備高が先月比14億9500万ドル減 3月8日 サーチナ
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0308&f=business_0308_098.shtml
日本財務省は7日、「2月末の外貨準備高は1兆914億8500万ドルに減り、先月より14億9500万ドル減少した」と発表した。中国国際放送局が報じた。
発表によると、外貨証券と外貨預金はそれぞれ前の月より22億3700万ドルと15億2100万ドル減少したが、金は20億6700万ドル増加した。外貨準備高の減少は4カ月続いているという。(編集担当:村山健二)
◆中国の外貨準備高3兆ドル突破「合理的な水準を超えた」=中銀総裁 4月19日 サーチナ
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0419&f=business_0419_205.shtml
中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は18日、中国の外貨準備高は「合理的な水準を超えている」と述べ、外貨準備の運用を多様化すべきとの認識を示した。中国の外貨準備高は3月末に3兆ドルを超え、2位の日本を大きく引き離して世界一を維持している。中国企業家網など中国メディアが19日報じた。
中国人民銀行の周小川総裁は18日、北京の清華大学での講演で、「現在の中国の外貨準備高は合理的な需要水準を超えている。過剰な外貨の蓄積は市場の過剰流動性につながり、中央銀行の不胎化政策にとっても重圧となっている」と率直に述べた。
中国の外貨準備高は世界一で、3月末に3兆ドルを突破し、3兆447億ドルとなった。09年6月末に2兆ドルを突破してから1年もたっていない。
周総裁は、中国は外貨準備の運用を多様化すべきだとの認識を示し、中国政府も外貨準備高を縮小する努力をしていると述べた。国の政策として黒字削減、内需拡大、消費拡大、サービス業の発展を急がねばならないと指摘したが、外貨準備の運用について具体的な言及はない。記事によると、「中国が外貨を抑制せねばならない全体的な方向性と目的ははっきりしているのだが、今のところ良い方法が見つからない」と述べたという。(編集担当:阪本佳代)
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