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満身創痍の片肺飛行になるだろうが
雄々しく立ち上がる能力を日本は立派に保持している!
生まれ変わった庶民大衆の底力で、日本を再生させよう!
日本が変わった。3月11日以前と、東北大震災以後では、まったく違った日本になった。すべてを潰され、すべてが流され、何もかも失い、傷だらけになった日本。瀕死の重傷を負い、明日はさらに悪化する気配が見えるなか、それでも日本列島にはなお力強い春の陽光が射し込んでいる。
「この大災害を生き抜き,被災者としての自らを励ましつつ、これからの日々を生きようとしている人々の雄々しさに深く胸を打たれています」(3月16日の天皇陛下のお言葉)
未曽有の危機に直面し、崖っぷちに立たされた日本は、今こそ全能力を傾け、全精力を注ぎ込み、復活のために立ち上がらなければならない。日本には、雄々しく立ち上がることができる山ほどの力があることを、ここに明らかにする!
■駆け巡った「怪奇情報」
東北大震災発生直後から、怪しいデマがネット上を駆け廻った。まず噴出したのが「人工地震説」である。米アラスカ州ガコナに基地があるHAARP(The High Frequency Active Auroral Research Program 高周波活性オーロラ調査計画)が日本を攻撃したというのだ。
HAARP基地から電磁波を放射すると数日後に地震が発生する、という相関関係が見られるという。3月初旬に強力な電磁波が発射されたのはガコナ基地からとも、ネバタ州の基地からとも、ユタ州からのものだといった説も流されたらしい。
じつは本紙でも昨年(2010年)8月に「〈噂の怪奇情報〉気象兵器が壊した自然が牙を剥いた」という記事で、HAARPが地震を誘発するという説に言及したことがある。それを以て本紙も同類だと指摘されては適わない。だが仮にHAARPに地震のトリガーを引く何らかの能力があるにせよ、今回の東北大震災とは無縁だ。
もし仮にHAARPが地震兵器であり、日本を攻撃したとするなら、何者が、何の目的で行ったのか。こうした怪説を流す連中によると、「日本を恫喝して巨額資金を簒奪するため」等々、もっともらしい理由づけがあるとされる。だがこうした荒唐無稽なデマを鵜呑みにするのは、ごく一部の限られた人たちのみである。
新型核の実験が行われたという説も流された。
日本に接している北米プレートを狙った核攻撃だったから、このプレートの境界域で巨大地震が連発した。その際に出た放射能を隠蔽するために福島原発が意図的に破壊された。福島原発の放射能漏洩は核兵器攻撃の痕跡を消すためだったなどという説だ。
その他にも複雑怪奇な説、つい納得してしまうような怪説、子供でも信用しない陳腐な説など、多数の虚偽情報がネット上を駆け巡った。もっとも中国のネットでは、「中国に対抗して日本が核実験!その痕跡を消すために福島原発事故を演出」(『SPN睿商在線』)などといった情報も流されていたが。
こうした怪情報は今日もなお拡散しているようだ。大正12年(1923年)に起きた関東大震災の際に、「朝鮮人が暴徒化した」等々といったデマが流され、悲惨な事件が多発したが、今回はネットを経由してデマが流され、それらが増殖、増幅された。その結果、多くの人々が疑心暗鬼に陥ったことは否めない。
だが人々がほんとうの意味で疑心暗鬼に陥ったのは福島原発の問題だった。
■「場当たり的説明」に終始する官房長官
大地震勃発当日(3月11日)の夜10時、枝野官房長官はTVカメラの前で「放射能漏れの恐れはない」と言明した。ところがその直後に原発3km圏内の住民に対して避難指示が出され、枝野長官は「念のための指示」であることを強調。このドタバタ劇を見た国民の多くは「福島原発は危ないのではないか」との疑念を持つようになった。
震災当日の夜に、すでに国民の大多数は原発危機を直感していたのだ。その直感は、すぐに的中する。
枝野長官が「放射能漏れの恐れはない」と言明した6時間後、日付が変わった12日午前5時45分、半径10km圏内の住民5万人以上に避難指示が出され、同日午後3時、現場に大きな爆発音が響く。そしてその日の午後7時には、避難対象地域は20km圏内に拡大される。それから1時間後の午後8時、仏頂面の枝野長官はカメラの前で「何らかの爆発的事象があった」ことを認めたのだ。
私事で恐縮だが、12日深夜から13日にかけて、非常に信頼できる情報通氏など何人かから「すぐに東京を脱出したほうが良い」といった話が流れてきた。某国の在日大使館家族に国外退避令が出されたといった話も流れてきた。あちこちで不安な情報が乱れ飛び、それが尾ひれのついた情報として日本中を駆け巡った。
13日未明に記者会見した枝野長官は、原発付近の住人9人が被曝した可能性を示唆。その日の昼前には米国の原発専門家が「未知の領域に入った」と言明。政府や原子力安全・保安院、東電の発表と、内外の情報との食い違いに、国民大衆は疑心暗鬼を募らせる状態に陥った。
日本中の耳目は、死者・行方不明者が三万人に迫るのではないかという大震災の情報より、福島原発の状況に注がれるようになった。
原子炉の「建屋」という言葉を初めて知ったのは12日のことだった。それから先、繰り返されるTV報道のお陰で、圧力容器、格納容器、圧力弁といった意味もわかるようになり、どのようにして水素爆発が起きたかまで、一般の主婦が口にするようになった。誰もがマイクロシーベルト、ミリシーベルトなどという難解な単位を口にし、放射能の危険性が身近に迫っているという恐怖感に襲われた。
初めて公表された放射能数値は0.05マイクロシーベルトだったものが、たちまち10倍、100倍に膨れ上がり、単位はミリシーベルトに変わり、さらに10倍、100倍、1000倍…天文学的倍数に変化していく。それでも枝野官房長官は「直ちに人体に影響を及ぼす数値ではない」の一点張り。国民の疑心暗鬼はいよいよ募る。
13日午後1時には米国ABCは「メルトダウンに入った」と報道。同日夜、フランス大使館は首都圏に住むフランス人に対し「関東を離れるよう」勧告を出す。14日には米軍ヘリが福島原発から100km離れた上空でセシウムを検知したと公表。東北・関東全域が放射能汚染に陥った可能性を示唆する。14日昼前には3号機で爆発があり、20km圏内の住人に対して「屋内退避」が通告される。直後に3号機は「炉心溶融の可能性」と発表される。15日になって初めて、政府と東電による「事故統合対策本部を設置する」という方針を枝野長官が口にする。その直後に2号機で爆発。政府は30km圏内(20km〜30km圏)の住民に「屋内退避」を要請する。
地震直後から5日間の状況を見ただけで、対応が場当たり的で、すべてが後手後手に回り、説明も一貫性がなく、チグハグであったことが理解できる。
その後も政府、保安院、東電の発表とは裏腹に、福島原発の状況は悪化の一途をたどる。
■プルトニウム検出でも「問題なし」
危機的状況から抜け出せない福島原発は、28日になって敷地内からプルトニウムが検出されるに至った。
これまでもヨウ素やセシウムなどが検出され、その放射線量が住民を恐怖させたが、プルトニウムはそれらとは比較にならないほどの劇薬である。ただし透過力が極端に劣る物質だから、体表面を覆い、マスクをするなど厳重に注意して体内に取り込まないことを心掛ければ問題は少ない。しかし、このプルトニウム検出に関して公表された情報も、また怪しいものだった。
「プルトニウムは非常に重いから飛散することはない」――28日当日、政府も保安院も東電も、口を揃えてこう発言し、原発敷地内からプルトニウムが検出されたことを問題視しない素振りを見せていた。ところがその際に説明された言葉が矛盾に満ちたものだった。
保安院の会見でも枝野長官の発言でも、検出されたプルトニウムの量は「過去に原爆実験などで世界中に飛散した量と同程度」と胸を張っての説明だった。口にした本人たちは矛盾に気づかなかったのだろうか。――原爆実験では「飛散した」にも関わらず、福島原発では「重いから飛散しない」。どう考えてもいい加減で出鱈目な説明のオンパレードだ。
福島原発の爆発は途轍もないものだった。あの爆発ではすべての放射性物質は超微細な粒子となり、プルトニウムも含め、東北・関東全域に撒き散らされたことは間違いない。東北・関東どころか、恐らくは北海道から九州、そしてロシア、韓国、北朝鮮にまで飛散した可能性もある。偏西風に乗って米国本土にまで到達したとの情報もある。
「間違った情報に惑わされないように」と風評被害を抑え込むのに躍起の政府が、間違った情報を流しているのではないのか。多くの庶民は、そう疑ったはずだ。
こうした政府、保安院、東電の援護射撃をするつもりなのだろう、新聞、TVを中心とする大マスコミは「原発推進派」の学者を揃えて解説を繰り返させる。原発の恐怖、放射性物質の恐怖を説く「反原発派」の佐高信や広瀬隆を初め、原発反対派の学者、評論家、コメンテイター等は、大マスコミには一切登場しない。
米国の専門家が指摘した通り、福島原発の事故は「未知の領域に入った」のだ。
旧ソ連(現ウクライナ)のチェルノブイリ原発事故(昭和61年/1986年4月)では、炉心が溶融(メルトダウン)した後に爆発し、最悪の「レベル7」と判定される原子力事故を引き起こした。この爆発で広島原爆500個に相当する放射性物質が撒き散らされ、付近一帯に降下した。放射性物質の漏洩はその後も続き、欧州全域が汚染され、北半球のすべての地域で放射性物質が観測されたほどだった。
もちろん今回の福島原発の事故は、チェルノブイリとはまったく異なっている。しかし放射性物質を撒き散らすという点では、同質のものだ。
30日にIAEA(国際原子力機関)は、事故原発から40km離れた福島県飯館村の放射性物質の数値が「避難勧告の基準を超えている」と発表。しかし政府は「直ちに健康に被害を及ぼす数値ではない」として飯館村住民の避難勧告を出すことはしなかった。
情報が混乱しているが、明確なことがある。それは最悪の場合――あくまで最悪の場合ではあるが――チェルノブイリに匹敵どころか、チェルノブイリを超える大災害になる可能性がある。楽観視してはならない。最悪の場合を考えておく必要があるのだ。
チェルノブイリでは、事故から26年を経た現在も30km圏内は立ち入り禁止区域。最悪の場合、福島第一も同程度となるだろう。またチェルノブイリでは50km圏内では子供の甲状腺ガンの多発が見られている。福島でも50km圏内の幼児、児童は直ちに圏外に退避すべきだ。
米国は自国民に対して、福島原発80km圏から避難するよう指示している。じつはチェルノブイリの場合でも、80km圏外からは原発事故によるものと考えられる放射線症例が見つかっていない。米国の「80km圏外避難」は、そうした意味で有効とも考えられる。
チェルノブイリ事故の影響に関しては不明の部分も多く、これだけで済まされるとは考えられない。ガンだけに限らず、精神的ダメージを含め、今後なお調査が進められることだろう。福島原発事故も最悪の場合、これに匹敵する被害が生じると考えられる。
しかし、これだけは言える。私たちは故郷を捨てるわけにはいかない。日本の国土を見捨てることはできない。すべてを呑み込み、日本を再生復活させなければならない。それは私たち日本人に与えられた使命でもある。
■天災が引き金となった人災
日本は必ず復活する。復活のための条件は十分整っている。だが日本復活の道筋を考える前に、今回の大震災、原発事故について振り返っておく必要がある。
震度7、M9.0の巨大地震がどのようなメカニズムで発生したか。これは今後の研究成果を待つしかない。今日主力となっているプレートテクトニクスだけで今回の巨大地震が説明可能か否か。まだ明確になっていないが、東北太平洋沖に震源を持った今回の余震として、長野県北部や静岡県東部での巨大地震が発生し得るのか。地球の内部で数万年に一度という想像を絶する巨大な動きがあるとも考えられるのだ。
震度7の巨大地震と予想を超えた津波により、東北から関東にかけての広範な地域で大災害が発生した。そしてこの自然の猛威により、福島第一原発で事故が起きた。
震災は天災だった。
だが福島原発の事故は、地震と津波だけがもたらしたものではない。明らかに「人災」と考えられる側面を有している。その最大の責任者は菅直人首相であり、過去安易に原発を絶対安全と容認した自民党政権であった。いわゆる東電を初めとする利益優先の体質にある。
東電の勝俣会長、清水社長のコンビは「コストカッター」と呼ばれていたという。社員の制服を中国製に変えて3億円を浮かせ、部品調達先を変えてコストを4割カットなど、その手腕はたしかに凄いものだった。しかし高給取りの技術者を続々と配転させ、非常設備等をカットするなど、利益優先ばかりに走った可能性は否めない。
また未確認情報ではあるが、仏「ル・ポワン誌」ネットニュースによると「福島原発は2010年8月から保険がかけられていなかった」というのだ。AFP電によると「福島原発とその6基の原子炉は、様々な原因でプラント自体(経年劣化)が傷んでいたため、保険がかけられていなかった。このプラントの所有者であり事業主の東京電力は保険料が高過ぎると判断し、保険証書の更新をしていなかった」という。もしこれが真実なら、勝俣・清水コンビの東電は大犯罪人と決めつけてもいいだろう。
だが今回の事故は、東電より菅直人首相に問題があったとの指摘もある。指摘された流れを見てみよう。
地震勃発直後の11日、福島原発では原子炉内の温度が上昇。米側からホウ酸剤を注入すべきとの助言があったが、ホウ酸剤を注入すると原子炉復旧が困難になるため、これを拒絶。しかし配管ラインが著しく破損し、冷却水が供給できず、水位が上がらないことが判明する。この時点で東電内部はかなり混乱していたことが理解できる。そして12日未明には「蒸気放出もやむを得ず=ベント(放射性物質の多少の噴出を覚悟)」との結論を出していたと推測される。
ところが12日未明、「菅首相が直接、上空から福島原発を視察したい」という話が起きる。官邸は東電に対し、首相の視察が終了するまでは危険が伴うため「蒸気放出を待つよう」指示を出す。そのうえで菅首相は午前6時過ぎにヘリコプターで官邸を出発。午前10時45分ころ官邸に戻る。
この間、原子炉外部容器内の圧力が規定値の2倍以上に高まってしまう。蒸気放出は結局午後2時過ぎに実施できたが、午後3時過ぎには大爆発を起こす。
原発の専門家でもない菅首相が、上空から事故状況を視察したことによって対策に遅れが生じ、それが福島原発事故拡大に繋がった可能性は高い。高いどころか官邸の状況判断ミスに間違いないと考える。ヘリコプターによる菅首相の事故原発視察は「遊覧飛行」とも揶揄されている。
このことは衆院予算委でも問題となり、追及された菅首相は「現地の状況を把握することが重要と考えた。(初動対応が)遅延したとの指摘はまったく当たっていない」と述べ、問題はないとの認識を示している(3月29日)。
原発問題だけではない。大震災の対処に関して、菅首相への風当たりは日ごとに強まっている。震災直後の11日午後3時前には宮城県の村井嘉浩知事が陸上自衛隊に災害救援人員の派遣を要請。これを受けて中央即応集団の2部隊が被災地に直行。震災翌日の12日には陸海空8000名体制が敷かれた。しかし菅首相が自衛隊に出動を要請したのは13日。当初は5万人態勢で、後に10万人態勢になる。しかも首相はほんらいなら自衛隊に出動「命令」を下すべき立場なのだが、菅首相は最後まで出動を「要請」するに留まった。自衛隊サイドが官邸に不信感を抱いた理由は、ここにあると思われる。
その後、福島原発の事故処理に向けられた自衛隊幹部からは公然と官邸批判が噴出していた。とくに14日の爆発で自衛隊員4名が負傷した折りには、「国民の期待には応えたいが、自衛隊の能力にも限界がある」、「(政府、東電は)有効な対処策を講じているとは思えない」と場当たり的な対処に不満を募らせている。
予測もしていなかった未曽有の大災害に対し、不手際、不備が現れるのは仕方のない部分もある。「阪神淡路の村山政権の対応に比べれば、よくやっているほうだ」との見方もある。大震災、原発事故の総括は今後に回して、復興について目を向けてみたい。
■復興費をケチるな!
平成23年度予算案は3月29日に成立したが、ここには震災復興費は計上されていない。当面、予備費1兆1600億円が震災復興費に充てられるが、これでは「焼け石に水」だ。4月3日現在、被災額はもちろん、復興のために何がどの程度必要なのかは、まったく目途が立っていない。
政府を初め経済界では「復興費は10兆円超」と考えているようだ。3月29日の衆院予算委で菅首相は10兆円超と見込まれる復興費について、「どの財源を充てるかを与野党を超えて議論、最も重要なものに振り向ける」と答弁している。
だがこの超大規模震災の復興費が10兆円程度で済むと考える政府など、存在の意味はない。東日本を本気で立て直し、日本全体に活気を漲らせるためには、10兆どころか最低20兆円、できれば30兆円を見込みたい。さらにそれに加えて、東日本全域に近未来対応の新システムを導入する費用として40〜50兆円を追加。場合によってはこれを2倍、3倍に膨れ上がらせてもいいだろう。
馬鹿なことを言うな。そんな巨額のカネはどこにもないじゃないかと怒る方もいらっしゃるだろうが、これを国債で賄うことは理に適っている。国債だから「未来にツケを回す」ことには違いないが、これまでとは意味が違う。道路、鉄道……すべてのインフラは未来に必要なものだ。
産経新聞編集委員の田村秀男氏が100兆円国債発行の必要性を説いている。また200兆円国債発行を主張しているのは西村真悟氏と宮崎正弘氏だ。本紙もまた彼らの意見を積極的に応援したい。しかし巨額の復興費は、国債だけで処理すべきではない。
日本政府は毎年、莫大な額の米国債を購入している。購入額は明確にはされていない。年間予算80兆円、税収44兆円の日本政府がどのようなやりくりをしているのか不思議ではあるが、毎年32兆円前後の金額を米国債購入に回している。未曽有の大震災を受けた日本が、当面、米国債購入をストップすることは必然だ。それは米国にしても了解せざるを得ない。また場合によっては現在保有している数十兆円分の米国債を売却することも視野に入れていいだろう。
さらにGDP世界第二位となった中国に対し、日本はODA援助を行っている。チャイナスクール(外務省親中国派)は未だにODAの必要性を説いているが、そんな必要はない。アジア開発銀行を通しての迂回献金も中止すべきだ。さらに中国に対して、有利子借款を早期に返却するよう要望すべきである。
米中だけではない。国連や国際機関に対して日本はこれまで最大の資金提供を続けてきたが、今回の大震災を機に、その分担軽減を主張すべきである。
米国債をこれ以上買わない。中国にODA援助を行わない。国連・国際機関分担金の軽減。これだけで数十兆円が捻出できるのだ。そのうえに保有する膨大な海外債権がある。
日本は266兆2230億円の対外債権(貸金)を保有している。もちろんダントツの世界第一位である。二位は中国の167兆7333億円。三位はドイツの118兆8596億円。この対外債権のごく一部を売りさばくことも視野に入れるべきだ。
こうすれば復興費はじつに潤沢となる。ただしこれを実現するためには強力な政治体制が必要だ。残念ながら菅政権では100%無理な話。前原に代わって次期首相とされる枝野幸男や岡田克也、鹿野道彦などでは200%以上不可能な話。理想論はともかく、現実的に強力な外交経済戦略ができる政治家となると、小沢一郎には一拍おいたとしても、災害処理を含めダイナミックに日本復興の舵取りができるのは、亀井静香あたりしか見当たらない。
こうして作った資金と100兆円、200兆円規模の国債を使って、東日本を完全に大改造する必要がある。これまで水面下に潜っていた新技術、新エネルギー体系が浮上する可能性は十分ある。道路、鉄道など全面的に作りかえたほうがいい。日本中の原発は停止。新たな建造はもちろん中止。それどころか電力供給体系を根本的に変えていくことを考えるべきだ。
新しい日本を作り上げよう。これまでの利益追求偏重の社会を再考し、異なるシステムを作り上げよう。そのアイディアなら、本紙もいくらでも提供できる。新しい技術、夢の体系を作ろうとしている人々が日本中に星の数ほどいるはずだ。まったく新しい価値観が生まれようとしている。それを実現させることは、この大震災で消えていった人々に対するせめてもの償いだ。いま私たちは、日本人として、まず姿勢を正し、胸を張り、頭(こうべ)を上げ、そして素晴らしい未来を目指して歩もうではないか。
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