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私が、まだまともだった頃のTUP速報で翻訳ボランティアをしていたとき、TUPの本が2冊出版されました。日本ジャーナリスト会議(JCJ)の第47回(2004年)JCJ市民メディア賞を受賞した
『世界は変えられる』と、『世界は変えられるII 戦争の被害者って? 加害者って?』です。
それらを出版してくださったのが、小粒ながら良心的な書籍を出すことで知られている七つ森書館さんです。そこの社長さんである中里さんから今日、ただならぬ雰囲気のメールが届きました。なんと、七つ森が読売新聞に訴えられたというのです。
巨人軍の清武英利球団代表解任劇について、私は全く知らないのですが(関連記事など)、何やらキナ臭い。
ネットで探してみつけた記事を見ても、
清武氏関連書籍 読売新聞東京本社が契約無効で提訴
読売新聞社が出版社提訴、「出版妨害」に反論
読売側にとって「マズイことをバラされそうだから」と、過去に交わした契約を勝手にホゴにしようとし、それが叶わぬゆえ提訴に至ったとしか見えませんね。
下の方の記事など、
事件関係者のプライバシーや心情を考慮し
なんて、またまた「感情に訴える」いつもの手です。
この経緯を見て、増々この七つ森が出す予定でいた本を「読みたい」という人は増えるでしょうが、それにはまず、このいじめを撃退して「無事、出版」にこぎつけなければならないでしょう。
資金面でのカンパなど、皆さんから集めたりできないものかと思いつつ(中里さんに寄付を受ける意思があるか否か、その送金先などわかったらここに載せますので、あとでチェックしてください)、とりあえず中里さんからのメールを、了解を得ましたので転載いたします。"巨象"読売のアリさんいじめ、皆さんも多くに伝えてください。
#書籍につけたリンクや画像と、太字強調は私です。
<読売新聞が七つ森書館を提訴>
みなさまへ
一部で報道されましたが、去る4月11日、私たち七つ森書館が読売新聞東京本社によって提訴されましたので、その経緯をご報告し私たちの考えを述べさせていただきます。
今後、さまざまな展開が予想されますし、多大な訴訟費用も必要になると思いますが、全力で闘い抜く所存です。「七つ森通信」などで逐次ご報告しますが、ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
より詳しい説明(A4、3ページ)もご用意しております。ご連絡をいただければ、お送りいたします。
取り急ぎ失礼いたします。東京地方は春らしい日が続いていますが、朝夕は冷えることもありますので、どうぞご自愛ください。
株式会社 七つ森書館
代表取締役 中里英章
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小さなアリは巨象に挑む
──読売新聞との訴訟に際して私たち七つ森書館の考え──
読売新聞社は発行部数1000万部を誇るメディア界の巨象です。
巨象が、内部告発者とスタッフわずか5人の小出版社に襲いかかったのですが、
アリのように小さな存在が巨象に挑んでいるのです。
2011年11月11日、読売ジャイアンツの清武英利球団代表・GMが、球団会長で読売新聞社主筆の渡邉恒雄氏に重大なコンプライアンス違反があると告発する記者会見をおこないました。そのため、清武氏は解任されたばかりか、1億円の損害賠償訴訟をおこされたのですが、元気に闘っています。
私たち七つ森書館はスタッフ5人の小出版社で、『高木仁三郎著作集』『原子力市民年鑑』『自然エネルギー白書』など脱原発系の本を中心に広く社会の問題を考える本を出版してきました。3.11後の時代にあって注目をあつめる出版社だと自負しています。昨年から「ノンフィクションシリーズ“人間”」の刊行を開始しました。ドキュメンタリーの良書を復刊し世に広める企画です。
監修・解説は評論家の佐高信氏で、すでに6冊を発行しています。このシリーズに『会長はなぜ自殺したか──金融腐敗=呪縛の検証』(読売新聞社会部。1998年新潮社刊、2000年新潮文庫)
を入れようと企画し、2010年12月から読売新聞社と交渉を始めました。交渉は順調に進み、著者名を「読売社会部清武班」とすることも合意し、2011年5月9日に出版契約を結んだのです。本書の取材記者もつとめた読売新聞社会部次長(当時)が交渉の窓口となって読売新聞社の法務部門と協議した上で結ばれた出版契約です。
その半年後に、清武氏の内部告発です。2011年12月1日、読売新聞社は七つ森書館に「出版契約を解除したい。補償はお金でする」と申し入れてきました。私たちは「良書を復刊するのが『ノンフィクションシリーズ“人間”』の目的です」と理解を求めました。読売新聞社は代理人同士の交渉もうまくいかないと見るや「出版契約無効確認請求事件」として東京地裁へ提訴しました。2012年4月11日のことです。
読売新聞社の主張は「読売新聞社において、出版契約は局長が了解・決定するのが通例であるが、今回はそのような手続きが実行されていなかった。権限を有していない社会部次長が署名しているから無効である」というものです。出版契約にいたるプロセスをまったく無視しているばかりか、読売新聞社内の規則にすぎないものを社会一般の論理と見せかけて押し通すものにほかなりません。出版差し止め訴訟へ持ち込めなかったのです。
巨大メディアである読売新聞社が、小出版社の七つ森書館を訴えることによって出版を妨害したのです。多大な時間と訴訟費用の浪費を迫り、自らの主張を押し通そうとするものです。われわれジャーナリストにとって社会的正義は何よりも重く、言論・表現の自由は社会的正義を守り抜くためにあることを忘れてはなりません。
この数十年で、どれだけの巨大企業が膨大な利潤を奪っていったことでしょう。どれだけ多くの貧困層が生まれていったことでしょう。このような社会の矛盾を監視していくのがジャーナリストの眼なのです。清武氏は本書執筆中に、経営陣に対して「おかしいじゃないですか」と叫んだ社員の声が忘れられないといいます。私たちアリのように小さな存在が、巨象のように大きな読売新聞社に対して、おかしいことはおかしいと言って誤りを正していくことが重要だと思うのです。少年少女のような考え方かもしれませんが、私たちは少年少女時代の美しい心を忘れません。
連絡先
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〒113-0033
東京都文京区本郷3-13-3 三富ビル
株式会社 七つ森書館
TEL. 03-3818-9311
FAX. 03-3818-9312
URL:http://www.pen.co.jp/
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