http://www.asyura2.com/11/hihyo12/msg/827.html
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最近のマスコミは記者がすっかりジャーナリストとしての勇気と志失ったために、歯ごたえのある悪を追及する記事がなくなってしまい、全く読み応えがなくなってしまった。役人の汚職と新聞記者の生態を検索して古いページを読み直していたら、こんな具体的な人命まで指摘した記事があったので、寝ぼけて弛緩した気分を引き締めるために貼り付けることにした。
貼り付け
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官房機密費の受:sZq者を摘発するシュミレーションとしての卑しいジャーナリスト
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投稿者 いにしえの 日時 2010 年 8 月 19 日 17:41:50: .mgHwtSne6rXM
論際事件というのを覚えているだろうか。役人たちが接待を受けただけでなく、マスコミ界が接待漬けになった事件で、その後これが火種になって、大蔵省がノーパン・しゃぶしゃぶ事件でがたがたになり、大蔵省の解体に発展したスキャンダルだ。ただ、コンピュータが発達する前の二十年近くも昔の事件だから、グーグルやヤフーで検索しても一件もヒットしない。リクルート事件に続くスキャンダルだから無理もないが、国民はすっかり忘れているのだ。だがこの事件によって大蔵省の腐敗が分かり、ようやく大物たちが続々と犯罪行為で辞職しなければならなくなった事件なのだ。
最近の大蔵官僚に関わる金融事件、疑惑
[月日] [氏名] [役職(処分)] [内容]
95/3 中島 義雄 元主計局次長
(→訓告処分後、辞職) 東京協和信用組
95/3 田谷 広明 元東京税関長
(→訓告処分、退官) 東京協和信用組
97/1 涌井 洋治 主計局長、元官房長
(→減給処分) 泉井純一被告から、絵画をもらう(後に返却)
この事件に関しては岩瀬達哉記者が週刊誌で追及したが、単行本として記録が残っていないために忘れられてしまった。だが、この事件に触れた単行本がただ一つあって、それは『日本が本当に危ない』という撃ナール出版で出たが、今はこの元気のいい出版社は『噂の真相』と同じで日本のメデスアから姿を消してしまった。幸運なことに私はブックオフ出この本を百円で掘り当てたが、情報の価値は一万円以上あると思った。当時の日本にはこんな幹部たちを実名で活字にする出版社や著者がいたことに驚いている。
http://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%8C%E6%9C%AC%E5%BD%93%E3%81%AB%E5%8D%B1%E3%81%AA%E3%81%84%E2%80%95%E7%B1%B3%E5%9B%BD%E3%81%8B%E3%82%89%E8%A6%B3%E3%81%9F%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%A4%A7%E5%9B%BD%E3%83%BB%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%B9%BB%E5%BD%B1-Yell-books-%E8%97%A4%E5%8E%9F-%E8%82%87/dp/4753913090/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1282197320&sr=1-1
なぜこんな古本を引っ張り出したかというと、今問題になっている政府の機密費を受け取っていたジャーナリストたちの仲間に入る連中が、実名と肩書までついて活字になっていると思われるからだ。それも大新聞社のそうそうとした幹部たちなのだ。この記事は日本の言論史に誇るべき記録だと思うし、官僚たちがどんな具合に小遣い稼ぎをしていたかを知る上で役に立つので、「一介の出版業者の結婚式に高級官僚が大挙出席した不思議」という、50頁から53頁にかけての記事の重要部分を復元してみよう。
<引用>
「一介の出版業者の結婚式に高級官僚が大挙出席した不思議」
1991年7月8日ノホテルニューオータニでは、証券マン出身で雑誌の発行人である神場次郎の結婚披露宴が賑やかに行われたが、そこに出席した二百名余りの顔触れの豪華さは、ホテルがこれまで経験したことがないものだった。
市販しない雑誌の発行人の再婚の披露宴なのに、大蔵、通産を始めとした中央官庁のエリート官僚が百十七名も大挙出席し、そのほとんどが長官、局長、審議官、局次長、官房長、課長などであり、ちとえ当時の総理大臣の息子の結婚式でも、これだけの権力の司祭は集め得ないと出席者たちは噂した。
なにしろ、通産五十人、大蔵三十五人、厚生十一人、郵政六人、運輸五人、防衛五人ほかの高級官僚の大集合であり、言うならば灰色高官たちのオンパレードだった。
これだけ官界の豪華な顔触れが集まって、一介の出版業者の再婚を祝った理由は、国家の中の国家と言われて権勢を降るってきた大蔵省の主計局と大臣官房が各省庁に声をかけたからだ。ふだん小遣いの面倒を見てもらっているお礼に、関係する高級官僚一同が集まったにしても、これは国家の次元ではただごとならない事態ではないか。
神場のやり方は「論際」の座談会の記事のために、新聞記者の司会で十人近い役人に出席してもらい、帰りにお車代として十万円近くを渡すというのだが、その座談会の費用は業界のツケで払い込まれていた。言うならば監督官庁の役人のための集金装置であり、贈収賄のための協力金を作る談合が、役所の指令に基づいて行われていたようで、雑誌が不正資金のロンダリング役に使われていたらしいのである。
プライベートな時間に何をしようと個人の勝手だが、国政の共同計画の打ち合わせにふさわしい顔ぶれで、いつも世話になるお礼に高級官僚が一同に集合したのであって、披露宴が夫婦同伴ではなく男ばかりだったのは、一種のお祝儀集会のせいだろう。
披露宴の司会役はNHKの大井政治部副部長で、最初に主賓として挨拶した大蔵省の斎藤次郎主計局長は、「優秀なジャーナリストの神場さんを私に紹介したのは、証券取引所の副理事長をしている佐藤光男先輩でして・・・」となれそめからの話を始め、続いて各省の重鎮たちがベタほめの祝辞を述べている。
「週刊ポスト」に匿名の記事が出ると官界は大騒ぎになり、なかには次期の通産次官候補の呼び名が高かったのに、勇退させられた山本幸助産業政策局長のような人もいたが、大蔵の主計局と官房長が全役所にてください声をかけて、いっさい口を割ってはいけないと指令したし、篠沢官房長は神場に「大変だろうが見捨てないから頑張って下さい」と激励までしたらしい。
「論際」事件における官僚たちの振る舞いに関しては、本にして徹底的な告発をする人がいるそうだから、私はここで日本では誰も蛮勇をふるおうとしない「論際」事件と報道界の癒着の件だけを糾弾するが、こんな席に現れるジャーナリストの神経は奇怪である。
官僚たちにとっては小遣い源の得難いカネづるだが、記者が座談会の司会料にもらう車代は十万円前後といわれ、収入は時によって数十万円になったそうであり、多くの記者が関係したり、アルバイトに励んだであろうことは、披露宴に出席した賑やかな顔触れが実証している。
一番多いサンケイの場合は、根岸明正(政治部長)、小林静雄(政治部次長)、中静敬一郎(政治部)、五十畑隆(政治部)、塩見戒三(論説委員)、那部吉正(電波本部副部長)、NHKも派手であり、御手洗正彦(政治部長),大井康裕(政治部副部長)、藤森隆行(会長室)、松岡重臣(政治部)、続いて三名の読売であり、荻野直樹(論説副委員長)、大井啓資(解説部次長)、橋本五郎(政治部)、日経の記者では、内田茂男(論説委員)、宮沢秀機(秘書室長)、共同通信からは、栗原猛(政治部次長)が出席している。
その中のかなりの記者たちが「論際」の司会役やインタビューをやり、神場との親密な関係を予想させるが、披露宴には欠席で雑誌に登場している顔ぶれには、サンケイの戸山衆司(政治部)、NHKの浅谷友一郎(政治部)、読売では初田正俊(解説部次長)、森本光彦(解説部次長)、毎日では斎藤明(編集局長)、橋本達明(政治部副部長)、日経はぐんと増え、栗原宣彦(論説委員)、泉澤勉(商品部長)、今城利之(データバンク局次長)、共同通信では小和口亮(編集委員)などがいて、このように日本の報道界の上層部の多くが、こうした雑誌と癒着したり何らかの関係がある事実を知れば、「日本のジャーナリズムよ、お前もか!」とため息が出る。・・・・(後略)
なぜこれだけ長い文章を引用したのかといえば、この「論際」という非発売の雑誌をテレビなどのマスコミと置き換え、ここに実名で登場したジャーナリストをテレビなどに登場する評論家、学者、タレント、ジャーナリストなどと読み替えて、お車代を政府の機密費と考えてシュミレーションすることで、官房機密費がどんな形で動いたかが良く分かるのだ。しかも、こういう分析はMBAコースで教えるケーススタディの典型であり、こういう分析は外国では普通に行われている。
ここに登場しているジャーナリストの多くは既に死んでいるだろうが、「論際」見たいなものにも群がって稼ぐ程度の人だから、このうちの半分以上は機密費に喜んで飛びついただろうし、口を拭って偉そうなことを書いたり言ったりしたと思う。
日本だけが遠慮して実名を書かないし、勇気のある発言をするのは外国のメディアの特派員経験者か外国で活躍する日本人ジャーナリストだけだ。
現にこの本の著者の藤原肇氏はアメリカで活躍する国際汽車で、『朝日と読売の火ダルマ時代』というメディア批判の本や『小泉純一郎と日本の病理』や『さらば暴政』という、政治批判の本の著者として知られているが、その多くは出版妨害にあっているらしい。
http://www.asyura2.com/07/cult5/msg/341.html
最近の機密費問題で最も目覚ましい活躍をしている上杉隆氏は元ニューヨークタイムスの記者であり、日本の報道界のしがらみから脱却しているので、大胆な発言が出来るのではないか。
http://www.asyura2.com/10/senkyo86/msg/621.html
だが、彼も生命の危険を賭けているのだと思う。
http://www.cyzo.com/2010/05/post_4624.html
国内にいるジャーナリストが生命の危険を賭けて記事にしているのに、圧倒的に多い日本のメディアにぶら下がる機密費で買収された記者たちは、テレビや雑誌を使って「三宝会」というアメリカや自民党とつるんだ財界により、情報操作をしていることを藤原氏は平野貞夫氏と告発している。
★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK86 > 733.html
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「平成無血革命と歪んだ日米関係」
http://www.asyura2.com/10/senkyo86/msg/733.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2010 年 5 月 21 日 18:26:55: twUjz/PjYItws
http://www.soejima.to/
「副島隆彦の学問道場」の「日本政界●情報メモ」から転載。
[4421]「平成無血革命と歪んだ日米関係」 投稿者:直投稿日:2010/05/21(Fri) 08:25:50
「財界にっぽん」から貼り付けます。
(転載貼り付け開始)
2010.6月号(2010.5.21.公開)
「平成無血革命と歪んだ日米関係」
政治評論家、前参議院議員 平野貞夫
vs.
慧智研究センター所長、フリーランス・ジャーナリスト 藤原肇
四 回にわたってお届けした連載対談は、前号5月号壱もって完結する予定であったが、民主党政権発足半年を経た今も「政治と力ネ」間題をめぐって「小沢バッシ ング」は収まらない。それが影響してか、大手メディアの世論調査の結果は、政権支持率が低下する一方であり、内閣が崩壌する様相さえ呈している。なぜこれ ほどまで執拗な抵抗が続くのか。両氏がその背景を鋭く分析した。一部敬称略
混迷の度合いを 強めた日本の政治
藤 原 鳩山首相による民主党内閣が動き出して、ほぼ半年が経過した現在の時点で見る限り、政治の変化は僅かだという印象が強く、国民は大いに落胆して失望し ている感じです。その原因に首相のリーダーシップの不足と共に、今の日本に何が最優先事項かを見定める点で、プライオリティを決定付ける発想の欠如があ り、それが政治を空回りさせていると思います。
平野 それもあるが、民主党の国会議員が平成無血革命について、全くといえるほど認識を持 ち合わせていないので、これから何かやるという意欲がありません。真剣に勉強して使命と責任について理解し、どういう手順で政治に取り組むかを考え、選挙 民の期待に応えなければならないのに、役職が欲しくて出世したい者ばかりです。しかも、それ以上に悲惨なのはメディアの堕落であり、政治の本質にとって大 切な問題を見失い、センセーショナルな問題を大騒ぎしたが、それが鳩山と小沢の金銭スキャンダルです。
藤原 利権と金権に国民が強く反発したお陰で、自民党による暴政を選挙で葬ったのに、革命政権の首相と幹事長が不正を追及され、火ダルマ同然になったのでは誉められません。
平 野 そういう批判があるのは当然だと思うが、それが誰かによって仕組まれたものであれば、かえって危ないことだと危惧します。そう考えたので私は政治家を 辞めて、過去の体験を総括して『平成政治 20年史』を書いたが、生涯を議会政治の中で生きた私には、遺書として次の世代に残す『懺悔録』です。だから、私はこの本の「まえがき」において、「昭和 四〇年代以降の重要法案や予算等の審議、疑獄事件の紛糾処理のほとんどに関わってきた。国会職員は法律で、『政治的中立』を義務付けられているが、同時に 各党派や国会議員からのさまざまな依頼について、誠実に対応しなければならないことになっている。私の特殊な職務体験のせいか、与野党の多くの政治家か ら、さまざまな相談事が持ち込まれた。これらを可能な限り私は記録しておいた」と書いたのです。
情報操作をする ための陰謀グループ
藤 原 インターネットでブロッグの記事を検索していたら、平野さんが書いた『平成政治20年史』が素晴らしいとあり、本屋で買って読んで思わず驚いたのは、 たった数行だが「三宝会」の記述があって、そこには「選挙が終わると、国会の内外で小沢潰しが活発化した。もっとも陰湿なのは、竹下元首相の指示で、『三 宝会』という秘密組織がつくられたことだ。新聞、テレビ、週刊誌などや、小沢嫌いの政治家、官僚、経営者が参加して、小沢一郎の悪口や欠点を書き立て、国 民に誤解を与えるのがねらいであった」とあり、私にとっては「三宝会」という名前は初耳でしたが、別の形でピーンと思い当たったのです。
平野 その別の形で思い当たったことについて、興味深いのでそれがどんなことか教えてくれますか。
藤 原 1980年代に電通がメディア工作用に「青の会」を作り、田原総一郎がその幹事役に抜擢されて、学者や評論家を権力の御用に仕立て上げ、メディアの上 で派手に活動していました。私が育てた何人かの若い人材に手が伸び、雑誌の座談会やテレビの討論会に、出席する誘いが掛かってきたので調べた。そうした ら、政府の機密費と財界のカネが動いていて、若くて有能でもカネに飢えた人びとが、どんどん引付けられていたのです。
そういった工作の総元締めは川島広守で、彼は警察庁の警備局長から長官を経て、その後はセントラル・リーグ会長に就任したが、日本のプロ野球は読売の正力松太郎と同じことで、公安警察向けのCIAの指定席なのに、日本人はお人好しだからその仕組みに気づかない。
平野 政府には工作用のカネがあるから、マスコミ対策として色んなことをやっており、内閣の機密費が利用されたようですな。
藤 原 1970年前後からこうした動きがあり、文芸春秋社が内調のカネで「諸君」を創刊したが、その担当をしたのが田中健五でした。田中は清水幾太郎を転向 させた功労者で、『諸君』、『週刊文春』、『文芸春秋』の編集長を経て、最後には文芸春秋社の社長になっている。だから、『文芸春秋』は政府広報がダント ツで、田中の出世の足場は内閣調査室だったが、その使い走りが彼の人生の始まりでした。また、『諸君』や『正論』で名を売った学者が集まって、「政策構想 フォーラム」などの組織が発足し、それが大平のブレーンを経て中曽根のブレーン政治になる。そして、1980年代にPHPが「松下政経塾」を生み、「世界 平和研」や「笹川財団」などと並んで、平野さんが指摘した「三宝会」が発足するが、発起人の福本邦雄は有名な政界フィクサーでした。
「三宝会」の系譜と韓満 人脈のコネクション
平 野 福本和夫は戦前に福本イズムで一世を風靡し、その長男の邦雄は水野成夫に拾われて、産経新聞の記者を経て岸内閣の時代に政界に入り、椎名官房長官の秘 書になっています。その後は京都放送の社長や政界フィクサーになり、画商として竹下の金屏風事件を仕掛け、後で中尾栄一建設相の収賄疑獄で逮捕されたが、 竹下の利権人脈のキイマン的な人物です。
藤原 言うならば、読売のナベツネや田中清玄みたいな存在ですね。
平野 そんな ところです。また、岸信介や椎名悦三郎という満州人脈や、竹下登から政治の裏を指南されたことで、情報操作と錬金術に優れていたらしい。だから、「三宝 会」は竹下元首相を最高顧問にして、財界とメディアによって1996年に作られており、野党潰しを目的にして動き出すが、その契機になったのが細川政権の 誕生で、狙いは小沢一郎を抹殺することでした。
藤原 どうして小沢一郎に狙いを定めたのですか。
平野 1993年に細川 政権が生まれる前段階として、1992年 12月に「改革フォーラム21」が発足したが、中心にいたのが小沢一郎だからです。また、1994年に社会党とさきがけを自民党が取り込み、政権奪還した 根回しを竹下がやっており、この時に竹下は小沢を最重要警戒人物と認定し、小沢を封じるための秘密組織を使うことにして、福本邦雄に「三宝会」を作らせた のです。
藤原 『夜明け前の朝日』に詳しく書いたが、竹下は平和相互の小宮山一家や許永中とも繋がり、京阪神の暴力団と密着していたため に、イトマン事件や皇民党事件に巻き込まれています。しかも、最後には奇妙な死に方をしているが、あの頃のアングラ事件の謎解きに関しては、『朝日と読売 の火ダルマ時代』と『夜明
平野 「三宝会」には大手企業が参加しているが、法人の年会費が 36万円もしているだけでなく、個人会員の参加費が一万円もかかるのに、新聞では朝日(5人)、日経(3人)、毎日(3人)、読売(3人)、共同(3 人)、テレビでは日本(2人)、テレ朝(2人)、フジ(1人)、TBS(1人)、出版では文芸春秋(3人)、講談社(2人)、プレジデント(1人)、選択 (1人)、朝日出版(1人)という具合です。また、メディアを代表する世話人としては、高橋利行(読売・世論調査部長)、芹沢洋一(日経・政治部次長)、 佐田正樹(朝日・電子電波メディア局長付)、後藤謙次(共同・編集委員)という顔ぶれが並び、こういった人がマスコミ対策を指令しました。
藤 原 法人会員の顔ぶれを一瞥したら、韓満人脈の影が私には読み取れますよ。しかも、それが太平洋を越えて戦後の米国人脈になり、岸信介や正力松太郎が CIAに使われて、アメリカの日本支配の手先だったが、この事実は公開された米国の外交資料が証明している。「歴史は繰り返すという」教訓からして、同じ パターンは最近の日本の政治にも反映し、それが検察ファッショとして現れていることは、私にはパターン認識と直観で分かるのです。
メディア操作と 検察ファッショ
平 野 検察ファッショは政治的意図による強権的捜査を指し、戦前の「番町会事件」が代表的であるが、ロッキード事件の時の捜査の仕方は、国民の多くに検察 ファッショを感じさせた。田中首相を外資法違反で逮捕して、一応は首相の犯罪として話題を賑わせたが、アメリカ側には免責条項を適応したのに、日本側の捜 査には無理が目立って、どう見ても納得できるものではありません。
藤原 それは軍備が絡む汚職だったからであり、本当は対潜哨戒機 (P3C)の購入に際して、防衛庁長官(当時)の中曽根康弘が関与した、極めて重大な結果を生む防衛疑獄だった。だから、検察が架空の物語をでっち上げ て、疑惑を隠すために問題をすり替えたが、全日空のトライスター旅客機の輸入の形で、手癖の悪い田中角栄に冤罪を押し付けたのは、CIAが中曽根の罪を救 うためでした。
平野 リクルート事件で自民党を離党しているが、ロッキード事件では深手を負うこともなく、中曽根は首相として米国に貢いでいます。
藤 原 その後の日本の政治は米国のしたい放題で、中曽根と竹下がカジノ経済とヤクザ政治を行い、バブルが炸裂して日本はガタガタになった。しかも、 SII(構造障壁攻略)に続き追い討ちの形で、金融を使った企業の乗っ取り工作が進み、ネオコン路線に追従する小泉や安倍が、対米追従のゾンビ政治を続け たのです。
平野 バブル経済から現在までの四半世紀が、僅か30秒か40秒の時間で説明されており、現在に至っている点で実に明快です。 確かに、藤原さんらしい鳥轍的で客観化した総括だが、過去20年の政治史を一冊の本にして、数百人の人間の判断や行動を描いた私にとっては、その総括では 物足りないように思う。そこに生きている人間が不在のために、へーゲルの歴史哲学を読む感じがして、もう少し人間臭のある観点がなければ、自分が生きた時 代として面白くないし、淋しすぎて楽しくないという気がします。
日米関係におけるCIAの 役割とジャパン・ハンド
藤 原 分かりました。25年間に僅か四人の首相の名前の登場だけで、日米両国がゾンビ政治やネオコンとして規定され、病院の無菌室のような空気を感じて、面 白みを欠いてしまったかも知れない。そうなると細部を描く必要が生まれ、個人レベルの体験調書の登場になるが、日米関係の歴史を決定付けているのは、 CIAと結んだ自民党に陣取った政治家と、日本人を操ったジャパン・ハンドの関係です。岸信介と正力松太郎に関しては衆知だが、児玉誉士夫と中曽根康弘に 関しての情報は、それほど知られていない状態が続く。だが、中曽根がハーバード大でのゼミに参加を手配したのが、ジョンズ・ホプキンス大のセイヤー教授で あり、彼はSAIS(国際問題研究所)の日本担当教授で、元CIAのアジア太平洋担当の部長だったし、彼は中曽根の英語論文の代筆までしました。
平野 その辺にCIAコネクションの原点があり、ロン・ヤス関係で中曽根が日本を「不沈空母」と発言したが、軍事同盟の太いパイプが読み取れますな。
藤 原 その後継者が立川基地が地盤の長島昭久で、彼は自民党の石原伸晃の秘書をやってから渡米し、SAISのブレジンスキ了教授のゼミで仕込まれた。しか も、ジョージタウン大のCSIS(国際戦略研究所)で日本部長をやり、ブッシュのネオコン政権で東亜部長として日本を手玉に取った、マイケル・グリーンの 弟子になって帰国した長島は、民主党から出馬して議員になった。彼は防衛省の政務官に就任しているが、グリーンがどんな思想と行動の持ち主かを知れば、長 島が時限爆弾になる危険性は高い。また、CSISの研究員としてグリーンに指導され、親父の渡部恒三衆議院副議長に対して、強い影響力を及ぼしていたのが 息子の恒雄であり、民主党の元最高顧問は間接的にグリーンに引きずり回され、渡部恒三は日本の議会政治を歪めているのです。
平野 それで「偽黄門」がブレまくったのであり、渡部恒三が見せびらかす閻魔帳の印籠が、政治を狂わせる原因を作って来たのです。
藤原 最近のブロッグで四年前に平野さんが書いた、「『偽黄門』と『阿波狸』が民主党のガン」という記事が話題になり、コピーして来たので読んでくれませんか。
平 野 サワリはここです。「『黄門さん」を自称している老人が、前原体制のつっかえ棒として登場。東北弁で国民的人気者になりかけた。これが『偽黄門』であ ることを、民主党もマスコミも見抜けないから困ったものだ。…マスコミも『偽黄門』だと知っていて、秘密をもらす貴重な人物として大事にするという、日本 の民主政治を堕落させる存在なのだ。それまで小沢改革が成功しそうになると、人格攻撃をくりひろげ、足を引っぱってきたのが『偽黄門』の正体だ」。これは 偽メール事件があった2006年に書いたものだが、四年後の今でも似たようなことが繰り返されて、「七奉行」などが騒がしく右往左往していますよ。
M・グリーンという 日本叩きの太鼓屋の怨念
藤 原 その震源地はワシントンのCSISであり、そこでマイケル・グリーンに手なづけられて帰国した一人が、横須賀の海軍基地の手配師一家で、ゾンビ政治と ロカビリーで親父が日本の体面を傷つけた、世襲四代目議員の小泉進次郎なのです。政治家の不出来な息子を筆頭に、動機を持つ在日系や松下政経塾の留学組 は、「奇貨をおく」対象として恰好のカモです。かつてロスに留学中の安倍晋三に、KCIAの朴東宣が接近してスカウトしたが、結果は勝共連合の大戦果を生 んでおり、脇の甘い留学生は情報戦の標的です。
平野 それで、小泉純一郎の息子もグリーンの洗礼を受け、目出度く世襲代議士としてお披露目したわけだか、子分や手先のリクルートの仕掛けは巧妙なものですな。
藤原 当事者たちが亡くなって時効だから、30年前の話を披露してもいいと思う。
実は、私がカンサスで石油会社を設立した時に、サムタクという計器会社を経営していた椎名素夫さんが、エネルギー開発の重要性を評価して、開発事業の仲間 に参加してくれました。そして、同時にサントリーの佐治敬三社長が、石油ビジネスを教えて欲しいと割り込んだ話は、『地球発想の新時代』に書きました。そ こで、椎名さんは森財閥の森暁さんと一緒に、ハートランド掘削会社を作った後で、政治家として政界に軸足を移しました。
平野 椎名素夫さんは原子力の専門家だが、石油にも関係したとは初耳でした。
藤原 椎名さん米国の政界で信頼されたので、私は彼と友人関係を維持しましたが、彼は防衛問題に専念するようになり、中曽根と接近したので距離を置きました。
だが、選挙で小沢に苛められた話は良く聞き、岩手の選挙区で小沢の熾烈なやり方を教えてもらい、政治の世界の嫌らしさを痛感しましたよ。
平野 でも、二人は同じ選挙区で国会議員になっています。
藤 原 だが、後日談がありまして、最初は英語教師として来日したグリーンは、東大の佐藤誠三郎教授に師事した関係で、中曽根や笹川財団に接近したのです。し かも、椎名議員に拾われた若き日のグリーンは、事務の手伝いや秘書役をしているうちに日本通として、ファシスト的な軍事オタクになった。そして、帰米した グリーンはFSX問題で論文を書き、日本の防衛政策の専門家として成長し、謀略家で悪名高いアーミテージに従い、ホワイトハウスで日米同盟を担当したこと で、日本が受けた打撃は絶大になったのです。
平野 それはどういうことですか。
藤原 怨念という言葉は不適切かも知れな いが、選挙で小沢が椎名を苛めた仕返しの形で、グリーンは日本を小沢と見立てており、奇妙な怨みの感情のために日米関係を歪めたのです。それが検察官僚を ファッショ化に駆り立て、前原などの七奉行が呼応する形になり、政治的な混迷を継続させた構図になった。
平野 検察ファッショが継続した原因が、その辺にあると何となく分かるのだが、対策にどうしたら良いのでしょうか。
デコンストラクションと 21世紀型の選挙
藤 原 小泉流の刺客は悪魔の選挙戦術だが、小沢流の強引なやり方も時代遅れであり、新世紀にふさわしいインターネットを活用し、情報化時代の選挙のやり方の 採用が必要です。それを活用してオバマは大統領になり、国民が政治参加の意識高揚に成功しているが、キイ概念はデコンストラクション(脱構築)でして、そ れを参考にするのが良いかも知れません。
平野 それはどういう概念なのですか。
藤原 変化の全体像を洞察して構造を作り変え、変化に次元転換を与える革命的な手法で、フランス哲学の精髄の政治への応用です。
平野 具体的にはどういう選挙のやり方をして、政治を変えて行くのでしょうか。
藤 原 選挙は応用のひとつに過ぎなくて、21世紀の社会がどんな内容かを理解すれば、選挙のやり方は自ずと分かってくる。『ジャパン・レボリューション』と いう題の本があるが、これは二年前に亡くなった正慶孝先生が、私と共著で出した民主革命の指南書でして、この中にノウハウのヒントが書いてあります。正慶 教授は小室直樹博士と並んで、意味論の権威として日本の双壁であり、文明学者のダニエル・ベルの伝道解説者でした。
平野 その本の中に、選挙や革命のやり方が書いてあるのですか。
藤 原 文字になくても行間に書いてあって、直観力で全体像を把握することにより、それが浮き上がってくるのですが、残念なことに本は手に入りません。実は 3500 部刷ったのだが売れなくて、出版社が3000部ちかく断裁してしまい、見つけ出すのがほとんど不可能です。本の在庫には税金がかかるために、出版社が在庫 を確保できない税法があり、日本の出版文化は絶滅に瀕しています。こうした狂った税法を改めた上で、パチンコ業界や擬似宗教から税金を取り、それで得た税 収で国民に減税をすれば、平成無血革命は成功に一歩近づくし、この本の存在はそれを教えています。昨日は出版社に行き倉庫を探してもらい、やっと二冊だけ 見つけ出して来たので、一冊は鳩山首相に私がプレゼントします。だが、もう一冊はあなたが熟読した後で結構だから、小沢一郎に読むようにと手渡してもらえ れば、平成無血民主革命の行く手を照らす松明として、きっと役に立つと確信しています。
平野 分かりました。必ず渡して役に立ててもらいますが、それにしても、本が売れなければ断裁処分にするとは、何とも日本は情けない文化国家ですな。
藤原 これが現代日本のギロチンの正体ですよ。ところで、平成無血民主革命を成功させるためにも、小沢幹事長が実権を揮う地位から退き、長老の立場で組織運営をアドバイスするという、世界の指導若のやり方を使うように、平野さんから彼に助言して欲しいですね。
平 野 いずれそうしようと小沢は考えているが、今ここで長老になるわけに行かないと思って、参議院選挙を全力投入で指揮しています。とにかく、政治が何かが 分からない代議士が沢山いて、今の民, 主党は混乱状態に陥っているが、自民党がより支離滅裂で壊滅状態だから、何とか持ちこたえているのが実情です。だから、数日前に私が小沢一郎に会った時 に、「あなたの功績は選挙に勝ち革命を始めたことだが、最も悪い点は出来の悪い人間を国会議員にして、政治が何も分からない代議士を大量生産したことだ」 と言ったのです。
藤原 選挙は理想を実現するためのもので、目的に挑むための手段に過ぎないし、単に勝てば良いというものではなく、優雅 で鮮やかな形で勝負を競うことです。しかも、理想の社会を作るためには、どんな政治を如何にやるかであるし、その実現にはどんな人材が必要であり、そうし た資質の人を議会に送り出して、活躍してもらう選挙を目指すこと。それが平成革命の成功への道であり、共生と博愛を目指す政治を背後から支え、小沢や鳩山 の革命コンビが安心して、民主党の長老の席に陣取ることで、次の世代が育つように導くのが、革命人生を飾る花道になると思います。(終わり)
(転載貼り付け終了)
元記事:「宇宙巡礼」
http://fujiwaraha01.web.fc2.com/
2010/05/21鳩山政権誕生で新時代への期待は…(5) 『財界にっぽん』
http://fujiwaraha01.web.fc2.com/fujiwara/article/zaikai100601.html
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コメント
01. 2010年8月19日 18:41:15: iEsDWZb9xk
これは保存しとこう。「小泉純一郎と日本の病理」はわら半紙本のような体裁だったが。気骨家藤原肇氏に敬服。
02. 2010年8月20日 12:24:22: uou3wIzTVU
政治部が圧倒テはに多くて、次長や論説委員クラスが腐りきっているとすれば、日本の新聞には何ら信用できない。日本のメディアが堕落していることは、官僚の腐敗と共に末期的である。ここに並ぶ名前の主のその後について調べることは、どうしても必要ではないか。
03. 2010年8月21日 09:29:01: uou3wIzTVU
日本人にはシミレーションする能力はありませんから、論際事件と内閣官房機密費のばら撒き方が似ているなどと考える人などいないのです。でもこうやって説明されると理解できる偏差値秀才は沢山いるので、この記事を活用して汚職や腐敗について追及したいです、『日本が本当に危ない』は残念なことに手に入らず読めませんが、『さらば暴政』はまだ買えて読めるので、この著者の鋭い指摘の中から問題点を見つけ出して、今後の追及の種に使いたいと思います。
http://www.amazon.co.jp/dp/4860293053?tag=asyuracom-22&camp=243&creative=1615&linkCode=as1&creativeASIN=4860293053&adid=1H11R4HHWAJPHC4E58NH&
上杉さんに続く記者はどうして出てこないのか不思議でしたが、生命の安全がないとしたら日本は救いがないということです。
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