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「書き写し天声人語」はこのように書いてみよう
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2012/03/23 23:00 朝日新聞 読後雑記帳
朝日新聞の最近の販売キャンペーンに「書き写し天声人語」というのがあるらしい。天声人語を原文通りノートに書き写して、文章作法を覚えさせようというもので、小中学校では国語の授業に取り入れる動きもあるらしい。君が代の強制に続いてこんどは天声人語の押しつけとは!! にわかに信じられないことではあるが、どうか、現場の先生方、そのようなことはやめていただきたい。この3年間、ひとりの政治家を、正当な理由も根拠もないまま執拗に攻撃し続け、よって国政を停滞させ社会を混乱させたのは朝日新聞であり、天声人語はその中心的な役割を担ってきたのですから。どうか、この国の未来をになうこどもたちを、天声人語のような正義人道に反する言説で洗脳する愚はおかさないでください。
教委や校長の指示や命令がきついときは、唯々諾々と「書き写し」をするのではなく、天声人語を反面教師にしてしまいましょう。文体は模すだけにして、いまいちばんだいじなことを、自分自身のことばで書くように指導してください。ご参考までに、以下に、きょう(23日)の天声人語を題材にした作例を示します。
(書き写し「天声人語」作例)
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新聞やテレビでは報じられなかったシーンだろう。向かい合った検事が言う。「君の最初の供述を変えてもらっては困るぞ……」。捜査側が誘導や威迫をするのはルール違反である▼陸山会事件をめぐる東京地検の捜査には、拷問で自白を迫る場面が何度もあった。さらに、捜査報告書は真実を書かねばならないのに、それをねじまげ、検察審査会に偽造報告書を送付していた。なんということか。石川元秘書もなめられたものだ▼「だますつもりはなかった」と検事は言う。だが、石川元秘書は罠にはめられるところだった。表面化しなければ、小沢氏の無罪はなかったに違いない。故意であり組織的でもあり、信義にもとること甚だしい▼去年の暮れ、小沢氏の公判で検事は「記憶が混同していた」と言って大方をあきれさせた。そして、その後の不誠実である。市民団体の告発を受けた地検の調べは進まず、「お手盛り調査」は、どうにもお里が隠せない▼捏造報告書はとりわけ検察の信頼をゼロにした。かつて小欄で、父親が37年働いた検察庁を初めて訪ねた娘さんの文章を、取り上げたことがある。「大きなウソをたくさんたくさん作り、私の頭のてっぺんから爪の先まで育ててくれた」の一節にがくぜんとした▼起訴状の先は様々ななりわいにつながっている。それを忘れるべからず。検察を支配者と勘違いするべからず。隠すべからず。うそ言うべからず。さもなければ地に落ちた検察の信用は、地中に消えるしかない。
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(「天声人語」原文、引用開始)
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映画やテレビドラマではおなじみのシーンだろう。容疑者を捕らえた刑事が言う。「君には黙秘する権利がある……」。捜査側に義務づけられた権利通告の大事なルールである▼企業向け料金の値上げをめぐる東京電力のやり方に、そんな場面が思わず浮かんだ。現行の契約期間が切れるまでは顧客の同意が必要なのに、それを伏せて4月からの値上げを通告していた。拒む権利は当然通知すべきだろうに、顧客もなめられたものだ▼「だますつもりはなかった」と東電は言う。だが、「だまされかかった企業」はごまんとある。表面化しなければ、多くは言われるままだったに違いない。故意かどうかはおいて、信義にもとること甚だしい▼去年の暮れ、値上げの会見で西沢俊夫社長は「値上げは事業者の義務であり、権利でもある」と言って大方をあきれさせた。そして今回の不誠実である。必要なだけ料金に乗せてきた「お手盛り育ち」は、どうにもお里が隠せない▼値上げはとりわけ中小企業を痛めつける。かつて小欄で、父親が37年働いた町工場を初めて訪ねた娘さんの文章を、取り上げたことがある。「小さなネジをたくさんたくさん作り、私の頭のてっぺんから爪の先まで育ててくれた」の一節にほろりとなった▼送電線の先は様々ななりわいにつながっている。それを忘れるべからず。管内を領地と勘違いするべからず。隠すべからず。うそ言うべからず。さもなければ地に落ちた東電の信用は、地中に消えるしかない。
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(引用終わり)
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