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国歌斉唱「口元チェック」報道ステーションの誤報と民間人校長いじめ
http://news.livedoor.com/article/detail/6378379/
2012年03月17日12時16分 提供:ガジェット通信
古舘キャスターのコメントがちょっとふわふわしているのは今にはじまったことではないが、国歌斉唱「口元チェック」問題についての報道ステーションの内容は、ちょっとふわふわじゃ済まされないレベルでひどかった。「口元チェック」をしろと言ったのは教育委員会なのに、いつの間にか校長が言いだしたことになっている。
■迷走する教育委員会
そもそもこの件、何が問題かというと「口元チェック」をしろと言った教育委員会自身が手のひらを返して校長を批判している点。もともと斉唱することを職務命令として出したのは教育委員会自身なのだ。古舘キャスターはそのことをご存知ないようだが、本当に知らなかったのか、知らないフリをしているのか。
国歌の「斉唱」を命令した大阪府教育委員会からの通達
http://osaka.japanpressclub.com/2012/03/blog-post_15.html
そしてその職務命令を受け「斉唱しているかどうかを確認するにはどうしたらよいか」と相談してきた中原校長に対し、チェック方法を指導したのもこれまた教育委員会。しかしいざこの問題が明るみにでると、教育委員会のトップである生野照子教育委員長が先頭に立って校長を批判しているというひどいありさま。教育委員会関係者コメントの実例を挙げてみます。
http://getnews.jp/img/archives/seisho02.jpg
「そこまでやらなくてもいいのでは…」(生野照子教育委員長、テレビ朝日報道より)
「条例順守は大切だが、あまり厳格にすると、逆に法の精神が失われないか心配だ」(生野照子教育委員長、読売新聞報道より)
「思想信条(の自由)に抵触していく危険性を感じる(学校は)憎悪、敵対の場になる」(小河勝教育委員、TBSニュース報道より)
「口の動きをですね、チェックをするということも、果たしてそこまでする必要があるのかと。エスカレートすれば、じゃぁマイクをつけよう、口パクの場合はどうするんだと。起立はされているわけで、子どもたちを送り出そうという式が乱れたわけではないんですね。」(生野照子教育委員長、報道ステーションより)
こんなにわかりやすいトラップもないだろう。「こうやりなさい」と言って背中を押しておきながら後から批判して退路を断つとは「ハシゴはずし」もいいところだ。こんな卑怯なやり方が許されるだろうか。これはもはや「いじめ」と言ってもいい。
■迷走する報道
http://getnews.jp/img/archives/seisho03.jpg
この件を受けた報道もまた酷い。例えば、テレビ朝日のニュースでは、男の人がぎょろぎょろと当たりを見回す映像を2回挿入。じーっと歌っている人の口元を凝視して「監視」をやったかのような印象操作をおこなっている。
http://news.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/220313045.html
校長のブログによれば斉唱の確認は、遠い位置から教頭らが5秒程度見ておこなったとのことだ。テレビ朝日の報道のやり方は単なる印象操作のレベルを超えている。これは報道による「捏造」と言ってもよいだろう。
また、同じテレビ朝日の「報道ステーション」でも悪質な印象操作と事実誤認が繰り返されている。報ステの中で中原校長のコメントが動画で紹介されているが、その抜き出し方がどうもおかしい。
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中原校長:厳密に確認しようと思うと、本当に一人一人の口元までいかなきゃいけない。遠目からでもいいので起立をするのと同時に、明らかに上を向いたり下を向いたり、明らかに歌っていないっていう人を、あわせてチェックしてくれればいいと
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というところで動画は終わっている。これはその後に「チェックしてくれればいいと(教育委員会に言われた)」といった言葉が続くのだろう。少なくとも教育委員会が指導したということがわかるように補足なりキャプションなりをつけるべきところだ。教育委員会に「口元チェック」の方法についてそう指導されていたと中原校長が説明している部分なのにもかかわらず、これでは視聴者が、校長自らそういうチェック方法を考えて実施したのだと感じてしまう。これも単なる印象操作を超えたやり方だ。
また、サブキャスター小川氏の次のコメントも問題だ。
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小川サブキャスター:
私がもしこの日の卒業生だったらいやな気分になっただろうなと思うんですよね。先生達にとっては毎年必ずある行事かもしれないんですけれども、卒業生にとってはもう、高校生活を締めくくる人生の門出なわけじゃないですか。その日を抜き打ちチェックの日にして欲しくないですし、口元の他に見るものがあるんじゃないかと思いますけれどもね。
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そもそも中原校長は卒業式の雰囲気を壊さないためにはどうしたらよいかと教育委員会に相談していたとのことだが、それらの事実を全く無視して、卒業生が「いやな気分になった」と決めつけている。また、起立と斉唱は職務命令として教育委員会から事前に出されているものなので「抜き打ちチェック」という批判はあたらない。さらに「口元の他に見るものがあるのでは」という言葉で校長がまるで生徒のことをないがしろにしているかのような印象を視聴者に与えている。
報道ステーションがこのような捏造や虚偽の内容の印象付けをおこなう理由がさっぱりわからないが、「斉唱を命令したのは教育委員会自身であり、チェック方法を指導したのも教育委員会」という重要な事実を欠落させたままこれらの報道をおこなうのは、明らかにおかしい。すぐに間違いを訂正し、中原校長の名誉回復を図るべきだ。
そもそもは条例として決まったことを守れない大人たちと、それを律することができなかった教育委員会が問題なのだ。中原校長もブログでこう書いている
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「先生はルールを無視してもよいが、君達はクラスの代議員や生徒会を通して決まったルールを無視してはダメだよ」という話は幼稚園児でも納得できない話です。
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大阪府教育委員会は、先生がルールを守れない現状について、児童生徒達にどう説明するのだろうか。
教育委員会だけではなく、メディアまでもが加担して民間人校長をバッシングし、いじめる姿は実に異様だ。この状態をあたりまえにしておいてはいけない。
■資料
●斉唱「口元チェック」問題、ここまでの流れまとめ
1.条例に基づいて大阪府教育委員会が国歌を「斉唱」せよ、との職務命令を出した。
2.「斉唱」しているかどうかのチェックをどうしたらいいかと校長が教育委員会に相談したところ「じっと凝視したり、近づいたりすることなく、遠目で確認してください」との回答をもらう。
3.教育委員会の回答に従い、教頭と首席教諭が10〜30mほど離れた遠い位置から約60人の教職員を5秒ほど見て起立・斉唱の有無を確認。(校長は先頭で歌っているため、確認作業はおこなっていない)うち3名が斉唱していないとされて校長室に呼び出され、うち1名は歌わなかったことを認めた。
4.この事実を受け、橋下市長が「これが服務規律を徹底するマネジメントの一例」としてメール転送して紹介。
5.そのメールを読んだ生野照子・教育委員長は「お二人のメールを読み、言葉を失う思いです。愛国心という問題が単なる規律問題の一つと化さないように、もっと悠々たる度量でご検討を」と反論。
6.読売新聞による「口元チェック」報道
「国歌不斉唱」口元チェック…府立和泉高校長
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120313-OYO1T00221.htm
7.各メディアが一斉に「口元チェック問題」として報道
8.生野照子教育委員長をはじめとする教育委員会側が「やりすぎだ」などとメディア取
材に答える
9.中原校長に批判集まる(←今ここ)
●口元チェック問題「報道ステーション(3月13日)」書き起こし
古舘メインキャスター:
次いきましょう。
今月、大阪府の公立高校でおこなわれた卒業式での出来事なんですが、教職員が君が代を歌っているかどうか、校長が口の動きをチェックしていたことがわかりました。
キャプション:橋下市長「当たり前のこと」国歌斉唱で”口元”チェック
(橋下市長取材V)
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橋下市長:職務命令を確実に守っている。当たり前と言えば当たり前だけども、よくそこまでやってくれたと。
記者:口元を見るのは当たり前?
橋下市長:当たり前ですよ。
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ナレーション:
大阪の教育現場で何が起きたのか。今月2日、大阪岸和田市にある府立和泉高校でおこなわれた卒業式。君が代の斉唱で校長がある指示を出していた。
(大阪府立和泉高校 中原徹校長取材V)
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中原氏:厳密に確認しようと思うと、本当に一人一人の口元までいかなきゃいけない。遠目からでもいいので起立をするのと同時に、明らかに上を向いたり下を向いたり、明らかに歌っていないっていう人を、あわせてチェックしてくれればいいと。
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ナレーション:
中原校長は弁護士出身で、2年前民間人校長として和泉高校の校長に就任した。橋下市長とは友人関係にある。
中原校長は60人居る教職員が君が代を歌っているのかどうか、口元をチェックするよう教頭らに指示。口が動いていないと判断した3人を校長室に呼び、問いただしたところ、一人が君が代を歌っていなかったことを認めたという。
(中原校長V)
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中原氏:僕はこの条例でね、これはやっぱり今中途半端にしないできちんとやることが大阪の将来というか日本の教育界のためにもなると思ってやっていますね。
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ナレーション:
大阪府は去年6月、公立校の教職員に君が代の起立斉唱を義務付ける全国初の条例を施行した。主導したのは、橋下氏率いる地域政党「大阪維新の会」。
これを受け、府の教育委員会は全教職員に対し君が代の起立斉唱の職務命令を出した。
今回歌わなかったと認めた教員には処分が検討されることになる。
しかし、口元まで監視する手法に教育委員会では疑問の声が
(大阪府教育委員会 生野照子委員長:電話でのコメント録音)
生野氏:口の動きをですね、チェックをするということも、果たしてそこまでする必要があるのかと。エスカレートすれば、じゃぁマイクをつけよう、口パクの場合はどうするんだと。起立はされているわけで、子どもたちを送り出そうという式が乱れたわけではないんですね。
(橋下市長V)
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橋下氏:ルールを守らせようと思ったらやり過ぎだというふうに出てくる。
もし世間の方がおかしいという話があったらいや、ルールを守らせるということはこういうことですよということをまず説明していかなくちゃいけないですよね
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古舘メインキャスター:
今の教育委員会がいいとはぜんぜん思ってないです。だけど、こう、ここまでくると窮屈な世の中はいやだ、というのが強く、私はでてくるんですけど、小川さんどう思いますか。
小川サブキャスター:
私もそう思いますし、私がもしこの日の卒業生だったらいやな気分になっただろうなと思うんですよね。先生達にとっては毎年必ずある行事かもしれないんですけれども、卒業生にとってはもう、高校生活を締めくくる人生の門出なわけじゃないですか。その日を抜き打ちチェックの日にして欲しくないですし、口元の他に見るものがあるんじゃないかと思いますけれどもね。
古舘メインキャスター:
五十嵐さん、どうですか。
- 朝日新聞編集委員 五十嵐浩司氏
五十嵐編集委員:あのー、橋下市長もね、全体をきくと、まぁ賛否両論あるが、と前置きして、ま、中原校長ですね、彼を擁護するような形で「あたりまえ」と言ってはいるんですよ。確かに、学校をですね、マネジメント、そのー、管理とか経営の場としてとらえれば、当たり前なのかもしれませんね。しかし、学校は教育の場ですよね。管理や経営だけで成り立つものでは決してありませんでしょ。教師たちの口元に校長先生や教頭先生が目を光らせると。それ、生徒たちが尊敬できるのかどうかですよね。そんな環境で育った生徒はですね、まぁ、多分、橋下市長も嫌いなんじゃないかと私は、あのー、推察するんですが、まぁ、上目遣いで、周りを見てですね、保身を図る。そんな大人になってしまわないかと。と、私は心配しますね。
古舘メインキャスター:
そうじゃなくても大人っつーのは、そうなりがちですからね。
五十嵐編集委員:そうですねー。
古舘メインキャスター:
そうなってもらわないようにしないとね。
五十嵐編集委員:
まぁ、校長先生、アメリカで教育を受けていました、ということで、この先生がどういうお考えかわかりませんが、しばしばですね、君が代の問題では、アメリカの学校で星条旗を揚げて国歌をね、斉唱するんだということが引き合いに出されますよね。たしかにその通りなんですよ。しかし、考えてみると、アメリカでの国歌・星条旗というのはですね、言葉が違う、宗教が違う、もう、なんていうんでしょう、文化が違う、人種も民族も全く異なる大勢の人々をひとつにまとめる。ひとつの国の下にまとめるという、ほんとに数少ない手段のうちのひとつなんですね。まぁ、歴史も文化も異なる日本でですね、この君が代の問題になると何故か「アメリカをみよ」となる。私はそれはちょっと安易すぎるように感じますね。
古舘メインキャスター:
はい、さて、次のニュースなんですが。
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