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テレビ不況に沈む23社
(日刊ゲンダイ2012/2/9)
「赤字転落」「下方修正」続出
恐ろしいことになってきた。薄型テレビの大不振が家電メーカーだけでなく、さまざまな業界を直撃し始めたのだ。
テレビを販売するパナソニックやソニー、シャープの大赤字の陰に隠れ、つい見逃しがちだが、薄型テレビビジネスの裾野は広い。
テレビ通販の「ジャパネットたかた」(未上場)も犠牲者だ。同社関係者は「速報ベースですが……」と断りながら、11年12月期の売上高が7期ぶりに減収になると明かした。
家電量販のケーズホールディングスは14期ぶりの経常減益を見込み、コジマは業績を下方修正。テレビの売れ行き不振が主な原因だ。
悪影響は、液晶パネルの製造装置や部材を手掛ける会社にもおよんでいる。赤字転落や下方修正が続出している。
「地デジ化やエコポイント効果が終了し、今年に入ってから薄型テレビは在庫の山です。こうなると、安売り合戦は一段とエスカレートします。テレビ事業の採算は悪化の一途をたどります」(市場関係者)
液晶パネルのバックライトに関連する部品を扱う太陽誘電は、「収益改善について」という文書で、業績悪化の理由を「液晶テレビの主要市場が低迷」などとした。
株式評論家の倉多慎之助氏が言う。
「意外に知られていませんが、東洋紡は液晶フィルムを作っていますし、帝人はテレビに使われる樹脂を販売しています。凸版印刷は液晶向けのカラーフィルターを手掛けています。テレビ不況はパナソニックやソニー、量販店ばかりか、電子部品や化学業界も直撃します。今年は韓国サムスンが日本市場に再上陸するでしょう。デザイン性や価格面で日本メーカーは太刀打ちできない。脱テレビに大きく舵を切るしか生き残る道はありません」
三井金属は昨年12月、液晶パネル関連事業からの撤退を表明した。パナソニックやソニー、シャープが“テレビ撤退”を言い出す日は案外近いかもしれない。
◆テレビ不況の直撃を受けた主な会社
[社名]
[業績(11年度通期)ほか]
パナソニック
7800億円の最終赤字に転落
ソニー
2200億円の最終赤字に転落
シャープ
2900億円の最終赤字に転落
古河電工
150億円の最終赤字に転落
旭硝子
最終利益等の下方修正
三井金属
液晶パネル材料からの撤退
凸版印刷
最終利益等の下方修正
東レ
最終利益等の下方修正
日本ケミコン
54億円の最終赤字に転落
ケーズHD
14期ぶりの経常減益
コジマ
最終利益等の下方修正
東洋紡
最終利益等の下方修正
帝人
最終利益等の下方修正
三井化学
60億円の最終赤字に転落
三菱ケミカルHD
最終利益等の下方修正
旭化成
最終利益等の下方修正
三菱電機
最終利益等の下方修正
ニチコン
最終利益等の下方修正
ザインエレクトロニクス
12億円の最終赤字に転落
船井電機
28億円の最終赤字に転落
メイコー
8億円の最終赤字に転落
太陽誘電
192億円の最終赤字に転落
ルネサスエレクトロニクス
570億円の最終赤字に転落
(業績は予想を含む)
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