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株式日記と経済展望
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昔から日本のマスコミはアメリカのメディアに頼っている。ワシントンで新聞が
売り出されるとそれを買い求め、人よりも早く書き写す日本の新聞記者たち
2012年2月3日 金曜日
◆第四部 ホワイトハウス記者団がデマ振りまいている
アメリカの世論調査を調べてみると、多くのアメリカの人々はオバマ政権のもとでニューテクノロジーが開発され、新しいメディアが誕生しつつあると考えている。最近のAP通信の世論調査によると、アメリカ人の八○パーセントが新しいデジタルメディアの発達によってより正確な、より多岐にわたる政治情報を得ることができるようになったと考えている。
こうしたアメリカ国民の考え方は、ホワイトハウスのプレスの実情を見ていると、そのとおりだと思われる。現在ホワイトハウスの記者室は新しいメデイアで超満員であり、大統領について歩くジャーナリストの数も爆発的に増えている。
このため外国のメディアなどははじき出されてしまい、ほとんど実際の取材はできなくなっている。私が現役だったころにはホワイトハウスの新聞記者の数も少なく、私などはカーター大統領やレーガン大統領の執務室にまで簡単に出入りすることができた。
一九七六年、絶対に選挙に勝てないとあらゆる専門家が予想していたカーター大統領の選挙戦に一年間密着して歩き続けたおかげで、カーター大統領が当選したときには最初にインタビューをすることができた。外国メディアのNHKの特派員が特別扱いされることも珍しくはなかったのであるが、いまや時代はまったく変わってしまい、日本のマスコミはアメリカのマスコミを書き写すことしかできなくなってしまった。
アメリカのニュースを日本に伝えることはむずかしい。それは日米安保条約を中心に日本がアメリカの強い影響力のもとにあり、アメリカからのニュースを多くの人々が必要としているにもかかわらず日本のジャーナリストの数はワシントンでは限定され、取材能力も限られるからだ。
これは国内の取材と比べれば明らかだろう。例えば地方の新聞社や放送局とはいえ、東京の首相官邸やあるいは重要な場所には何人かの記者を送り込んでいるし、地方の新聞社といえども東京支局には多数の記者がいる。
しかしワシントンにおける日本のジャーナリストの数はこのところ増えているとはいえ、私の時代などはテレビのため最も人数の多かったNHKですらカメラマンを入れてわずか四人だった。
「昔から日本のマスコミはアメリカのメディアに頼っている。ワシントンで新聞が売り出されるとそれを争って買い求め、人よりも早く書き写そうとするのが日本の新聞記者だ」こんなことを本に書いて、それ以来仲間の特派員から恨まれたりしているが、そういったことは避けられない時代であった。
しかしながらついこの間まではアメリカのマスコミを信用してそれを受け売りで書いたりしゃべったりしても、そんなに大きな間違いはなかった。かつて私はベトナム戦争を取材した時代があるが、NBCの特派員としてサイゴンにやってきたアル.スナイダー記者、のちにはNBCのシカゴ支局長とこんな話をしたことがある。
「戦争を取材していて客観的に正しいことを伝えるのか、あるいはアメリカのためになる立場から記事を書くのか悩むことがあるのではないかね」私がこう言うとアル・スナイダー記者はこう答えた。「真実、真実、真実。われわれはこう教えられてきた。国家の立場などというのはジャーナリストにとっては二番目に大事なことだ」
国のために報道の仕方を変えるなどということは考えられない、という口調であった。こうしたことを日本の政治部の記者と話し合ったことがあるが、国家意識が強い政治部の古い記者たちはまず国のことが大事で、事実を伝えることなどは二の次だよと言われて驚いたことがある。
今アメリカではまさにこの問題が起きているのだ。まず第一にアメリカのマスメディアが多くなり、新聞記者の数も増えたが、今や大多数はオバマびいきであり、オバマのことなら何でも良いことを書くというまったく素人っぽいジャーナリストが増えている。
このことはある意味で言えば言論の自由であり、何を書こうがジャーナリストの勝手である。ただ日本の記者がそれを引き写したりすれば、事実というよりもオバマファンの論文を日本国民に伝えることになってしまう。しかし今のアメリカではもっと深刻なことがある。
オバマ政権がアメリカの大企業とぴったりくっついているという事実が、アメリカのマスコミの報道を大きくゆがめている。
アメリカの新聞はともかく、テレビネットワークはすべて大企業に支配されている。アメリカの三大ネットワークのひとつNBCは、GE(ゼネラルエレクトリック)の御用報道機関という批判もないわけではない。さらにまたCNBCとかMSNBCといった新しいメデイアが誕生したが、これらはすべてGE系であり、オバマ大統領を当選させるためのマスメディアだと保守系に厳しく非難された。
これに対して保守系の意見を伝えるFOXニュースなども生まれているが、いまワシントンの外国ジャーナリストにとって心すべきことは、アメリカのマスコミ、テレビは公正な報道機関とは言いがたいということだ。
いかにアメリカの大企業がテレビを支配していたか、私にひとつの記憶がある。
NHKの総局長の時代、GEがNBCネットワークとの合併を実現しようとしていたが、あるときGEの経営者と昼食をとった。そのとき気がついたのは、ウェルチ会長以下全員が赤い水玉模様のネクタイをしていることだった。見回すと会長以下全員が同じネクタイをしているのだ。そしてその二、三日後NBCネットワークの首脳たちと同じロックフェラープラザ30のスタジオで会ったとき、またもや全員が同じ赤の水玉のネクタイをしているのにびっくりした。
会議を終えてロックフェラー1のNHKのオフィスに戻り、若いスタッフたちにわれわれも赤い水玉のネクタイをしなくてはならなくなるのかなと冗談を言ったことを覚えているが、ネクタイはともかくNBC,CNBC,MSNBCすべてが二〇〇九年の大統領選挙中、オバマ氏を支援したことは紛れもない事実だ。
そうしたアメリカのマスコミ報道の誤りがアメリカの人々を問違わせ、経済の回復を遅らせている。私は二〇〇九年のアメリカ大統領選挙戦でアメリカの人々をもっとも誤らせ、オバマ大統領を間違ってホワイトハウスに送り込んだのは、オバマ大統領がインターネットで貧しい人々から五十ドル、百ドルを集めて選挙戦を戦ったというニュースであると思っている。
このニュースはアメリカのメディアがこぞって取り上げ、アメリカの人々はオバマ大統領を貧しい人の味方であり庶民の代表だと考えた。そしてオバマ大統領は対立するマケイン侯補をアメリカの銀行勢力の味方であるとし、アメリカ大企業を支援することによって公害を増やし、人々の生活を苦しめていると非難し続けた。
日本の人々はあまり気がつかないでいるが、アメリカでは大企業は大衆の敵であり、国民を苦しめているという基本的な認識がある。この考え方はアメリカ人に人気のあるジェファーソン大統領が信じていた地方分権主義の考え方から出てきたものである。いずれにしても大企業に支援された政治家が大統領になるのはきわめてむずかしい。
私がアメリカの政治を見るようになって以来、先にも述べたように、大企業の支援によってホワイトハウスに入った政治家はケネディ大統領、クリントン大統領、そしてオバマ大統領の三人である。
三人ともマスコミをうまく使って庶民の味方であるというイメージを打ち出し、当選はしたものの、その政治的な末路は厳しかった。ケネディ大統領は、アメリカ政府が隠してはいるがソ連の工ージェントによって殺され、クリントン大統領は実質上女性問題で弾劾されてしまった。オバマ大統領もアメリカのマスコミの助けによって国民の目をくらませ、大企業を敵とする姿勢を見せて当選した。
しかしながらすでに述べたように大手の労働組合、ゴールドマン・サックス、製薬会社などあらゆる大企業から政治資金を受け取った結果、アメリカの中小企業を圧迫し、仕事を増やすことができないでいる。
アメリカの経済がいまだにうまくいっておらず、景気回復政策が失敗したにもかかわらず、アメリカのマスコミはオバマ大統領をほめ上げており、実態を知らせようとしていない。
逆にオバマ大統領の景気回復策が成功しているとほめている。ところが現実は失業者の数が減らず、住宅の値段が上がっていない。
このことはアメリカの景気回復策が失敗に終わり、オバマ大統領の経済政策が大きく挫折してしまっていることの証明であみ。
ところがオバマ大統領は自分の経済政策がうまくいっていないにもかかわらず、貧欲な経営者が公的資金を手にしているにもかかわらず雇用を増やしていないと攻撃している。失業を他人のせいにしている。
今回の景気回復策は失敗であり、失業者の数はこれから減りそうにもない。アメリカのマスコミはオバマ大統領を支援し続けると思うが、いずれアメリカの人々はオバマ大統領が失業者を減らすことができず、経済回復に失敗してしまったという現実を直視しなければならなくなるはずだ。(P105〜P112)
(私のコメント)
日高義樹氏の本は「株式日記」でも何度か紹介させていただきましたが、本の題名も非常に刺激的なものだ。内容においてもアメリカ国内の実情が非常に詳しく書かれていますが、大手のマスコミの記者たちはワシントンに特派員に派遣されても数年で帰ってくるから人脈も無いから取材力が無い。せいぜい現地の新聞を読んでそれを本社に送るだけのようです。
特派員として数年ワシントンにいるだけでは、英語すら満足に出来ず、記者会見でも聞き間違いが無いか記者同士が読み合わせをしているくらいだから程度が知れます。だから大手マスコミの報道だけではアメリカの状況が把握できません。アメリカで長い間活動している日本人ジャーナリストは数えるほどしかいませんが、どうしてなのだろう?
日高氏はその数少ないアメリカ在住ジャーナリストの一人ですが、多くの政府高官や連邦議会の有力議員やキシンジャー博士などの学者との交流がある数少ない一人だ。共和党よりのシンクタンクの主席研究員としてのコネがあるからでしょうが、日本いは星の数ほど新聞記者やジャーナリストがいるのですが、アメリカで根を下ろして取材している人は少ない。
だからアメリカの政権内部の事もなかなか情報が取れないし、アメリカの新聞記事をそのまま東京に送っているだけの特派員なら経費の無駄だろう。これはマスコミだけではなく在米日本大使館でも同じであり、大使館は公的な情報収集機関なのですが、連邦議会に対する担当職員は4人しかいない。経済関係のロビイストなら沢山いるのでしょうが、政治的なロビイストはいないに等しい。
だから日高義樹氏の著書が唯一と言ってもいいほどのアメリカ政権内部のことを知る手がかりなのですが、日本にはアメリカの手先みたいな学者は沢山いても、アメリカ政府高官や有力者の動向をじかに取材できる人は少ない。日本の記者やジャーナルストのほとんどはマイケル・グリーンとかアーミテージ氏のような対日本専門家ぐらいとしかインタビューが出来ない。
彼らは対日本の世論工作員だから多くの日本人記者たちと情報交換しますが、アメリカ政府とは関係のない人物たちだ。だからオバマ大統領がアメリカでどのような評価されているか、日本のマスコミはアメリカの新聞記事のコピーを送ってくるだけだから偏ったものになってしまう。ヒラリークリントンがなぜオバマに大統領を譲ったのかも日高氏は書いていますが、アメリカの多くの知人がいなければ分からないことだ。
オバマ大統領ほどアメリカの大衆向けに作られた虚像と実像が異なる大統領も少ないだろう。多くのアメリカのテレビ放送局は大企業の支配下にあって、大企業にバックアップを受けてオバマ大統領が誕生した。ウォール街からも多額の献金を受けていたから政府の公的資金で多くの金融機関を救ったのだ。100億円程度の政治資金をもらって300兆円もの公的資金がウォール街の銀行救済に使われた。
オバマ大統領は中国からもカネをもらってるという話ですが、オバマ大統領の対中国政策を見ればそれはありえる話だ。もちろんアメリカでも外国人から政治献金を受けることは禁止されていますが、アメリカ大統領が贈賄事件で捕まることはない。日本の総理大臣のように簡単には交代させられないから、中国へミサイル誘導技術をクリントン大統領が売り渡してもスパイ罪で捕まることはない。そこに米中関係の特殊な関係があるからだ。
それから見ると鳩山総理は親子間の贈与で辞めさせられたり、小沢氏や田中角栄氏は4億、5億の脱税や贈賄で検察に捕まるのは国益上どうなのだろうか? 例外的にニクソンが盗聴疑惑で辞任しましたがマスコミが例外的に書きたてたからだ。しかしこの程度のことは他の大統領もやっていることであり、奥の院の言うことを聞かない大統領は暗殺か言うことを聞くしかない。レーガン大統領ですら暗殺されかかりましたが、オバマ大統領も暗殺されるという噂がありましたが、奥の院の言いなりだからそのような事は無かった。
日高氏の記事に寄ればアメリカのマスコミも、事実よりも国家の為と言った記事が多くなり、真実を書く姿勢がなくなったということですが、大衆からのネット献金で大統領選挙を戦ったというのも作られた虚像のようだ。つまりアメリカのニュース報道は公正なニュースというよりもプロパガンダ的な報道が多くなり、アメリカ国民はメディアリテラシーがあるから割り引いて聞いているが、日本国民はニュース報道もまともに聞いてしまう。
日本の大手マスコミもTPP加盟に見るように、露骨に大企業寄りになりましたが、経営が苦しくなれば大企業の資本に頼らなければならないのは日本もアメリカも同じだ。そのような背景が分からなければティーパーティー運動なども理解できないだろう。アメリカ人の大企業に対する反感は強いものであり、大企業からカネをもらって大統領になったケネディーやクリントンやオバマはみんな民主党だった。
ティーパーティーが共和党支持なのは反大企業であり、草の根民主主義だからだ。共和党は大企業よりも中小企業や農業などからの支持で成り立っていると日高氏は書いていますが、民主党のオバマ政権のトヨタ叩きも全米自動車労組からカネをもらったからだ。だから民主党が政権を取ると円高になるのもアメリカの大企業の味方だからだ。大企業の多くが中国の工場を持ているから、オバマ大統領が中国を為替操作国と認定しないのはその為だ。
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