http://www.asyura2.com/11/hihyo12/msg/639.html
Tweet |
「官報複合体」になるな 財務省の論理に“洗脳”されつつあるメディア
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120202/plc12020207170011-n1.htm
2012.2.2 07:12 産経新聞
日本経済新聞時代の後輩で、日経記者をやめて米カリフォルニアに拠点を構える牧野洋氏が刺激的な本を書いた。彼は本欄の執筆者のひとりでもある。(フジサンケイビジネスアイ)
タイトルは、「官報複合体」(講談社)。氏は大手新聞一般の「官報化」、つまり官製報道化を取り上げているわけだが、ではわれわれの古巣、日経はどうかと気になってくる。
かつて日経ではよく、「官報みたいな紙面をつくるな。官製発表にひきずられるな」と同僚とよく議論したものだ。今の日経でも、同じ志を抱く記者は少なくないのだが、残念ながら主流にはなっていないようだ。
そんなときに、1月31日付の日経朝刊のある記事をみて、「うーん、官報かこれは」と、思わずうなってしまった。記事は、財務省による歳出と歳入の見通しを報じたもの。消費税率を2015年10月に引き上げても国債残高は21年度末に1000兆円を突破し、同年度の国債利払い費は20兆円へと倍増するという。さらに、消費増税を柱とする「社会保障と税の一体改革」をした場合でも財源不足は45.4兆円に上るが、しない場合53.6兆円に膨れる、とか。
が、試算なら必ず前提条件がある。人目を引く見出しに踊らされず、内容をうのみにしないためにはそのチェックが欠かせない。よく読むと、名目成長率を1%台半ば、新発10年物国債利回りを2%程度、とある。米欧の予算見通しでは3%台が当たり前の名目成長率なのだが、こうも極端に名目成長率が低ければ、いくら増税しても税収は増えないのは、これまでのデフレ下の税収の低迷を見ても明らかだ。
岩田規久男学習院大学教授の試算によれば、名目成長率1%の上昇は国税収入を2.3〜3.4%増やす。名目成長率4%が11年度以降継続すれば、15年度の国税収入は10年度比で23兆〜37兆円も増える。10兆円余りの消費税5%アップの場合の消費税収増よりも、名目成長率向上による増収効果は絶大だ。
財務省の今試算のもくろみは、消費税10%でも財政悪化は進む、だからもっともっと消費税率を引き上げる必要があるという財務官僚の考えの、世論への「刷り込み」だろう。野田佳彦内閣は、こうした財務省の論理にとっくに「洗脳」され、成長率をアップさせる政策よりも、増税を優先させている。
日経記事の唯一の救いは、財務官僚の思惑に沿ってもっと増税せよ、とは言わなかったことだ。そのかわり「歳出削減が不可欠」ともっともらしい副見出しを付けたが、本筋の議論ではなかろう。
増税また増税という財務官僚路線では、デフレがさらに深刻化し、それに連動して超円高が続き、日本経済規模が縮小に縮小を重ね、財政自体も破綻しかねない。日経がそんな問題意識を持てば、「官報」に堕すことはない、と思うが、いかがだろうか。(産経新聞編集委員・田村秀男)
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > マスコミ・電通批評12掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。