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東京電力と北朝鮮 〜 マスメディアという洗脳装置が作り出す印象操作の罠(誰も通らない裏道)
http://www.asyura2.com/11/hihyo12/msg/535.html
投稿者 判官びいき 日時 2011 年 12 月 25 日 09:27:19: wiJQFJOyM8OJo
 

****かつてジョージ・オーウェルは、空想的な近未来小説『一九八四年』を書いた。その主題は、管理社会における管理の極度な近代化は、ついに中世的な蛮行と相似形になる、という逆説にあると、わたしは考えている。その意味で、ニッポン低国の市民社会は、まさにジョージ・オーウェルの空想を裏書きしたのである。無名の大衆をひきずり出し、袋叩きにするスキャンダルの新時代とは、いいかえるならスキャンダルを使った超管理社会の実現にほかならない。ロス疑惑の登場をもって、われわれは、いわばメディア・ファシズムの新時代に突入したのである。

ブラジルやチリやフィリピンでは、軍隊が最終的な管理の仕上げをしている。ソ連では官僚制が、イランでは宗教がその役目を担うだろう。われわれの日本では、メディアが管理の尖兵となる。社会主義国家における強制収容所をもち出し、もっぱらオーウェル『一九八四年』を反共宣伝のために利用している文化人たちは、自分がメディアの牢獄に囚えられていることには、まるで無知なように見える。****

メディアは、気分と印象を操って、スキャンダルをでっちあげる。でっちあげられた対象は、記号に祭り上げられ、ただ記号として消費される。もともと実体ではないのだから、もはや定められた像をくつがえすことは不可能なのだ。*****

いまや病の身ではあるが、目白の帝王・闇将軍こと角栄サンこそ、構造としての国家スキャンダルをかくすために、個人の上にスキャンダルを押しつけられ、スキャンダルの代名詞へ“記号”化された“像”にほかならない。すこしでも考えてみればわかるように、田中角栄という悪の記号が生み出され、流布されることによって、ロッキード疑獄などに示される構造としての国家スキャンダル(そして国家こそがスキャンダルであるという構造)は、より広く、より明るみのなかで問われることになっただろうか。まったくその逆だ。一億総正義の士になって角栄サンをののしっている間に、構造はまんまんと秘匿されてしまったではないか。以上、引用はいずれも岡庭昇著『テレビ帝国の教科書』(1985年)より*****

今週、「とくダネ!」を見ていたら、司会の小倉智昭が北朝鮮の後継者と目される金正恩に関する神話(4歳の時だったかに拳銃を撃ったら、すべての弾が的に当たったとかいう類の話)について、「そんなことあるわけねえだろ」と吐き捨てた。もちろん、これは笑ってしまうほどに明々白々なでっち上げの神話である。さてしかし、、、

では小倉は、同じく笑ってしまうほどに明々白々なでっち上げである東京電力福島第一原発の収束宣言、「冷温停止状態」達成というニュースについても同じように「そんなことがあるわけねえだろ」と吐き捨てたのか。私はこの番組を毎日見てチェックしているわけではないが、少なくもとこのニュースを扱っていたある一日には、そのような言動はしていなかった。

それにしても、、、金正日死去に乗じた今週のメディア(とくにテレビ)の北朝鮮に対する袋叩きぶりは異様だった。それはまさに記号化された印象の操作に他ならない。「北朝鮮=怪しい国」と決めつけ、泣き女や金正恩の美味しすぎる映像を切り取って最大限に使う一方、この問題になると必ず出てくるコメンテーターに筋書き通りのコメントを喋らせる。まさに入神の技だ。

そして、結局のところ、その映像から何が導きだされるのかというと、「北朝鮮は何をするかわからない危ない国」で「情報は厳しく統制され国民は洗脳されているから」「そういう危ない国が核を持っていつ暴走するかわからない」といった筋書きである。私はこういう映像を見て、呆れを通り越して笑ってしまった。

なぜなら、それはすべて東京電力を中心とする日本の原子力マフィアに当てはまることで、しかもすでにその狂った連中の暴走によって、日本は核による壊滅的な打撃を受けてしまったのだから。「それはそれとして、しかし北朝鮮がとんでもない国であるのは事実だろう」と意見はもちろんある。私は北朝鮮の現体制の擁護者では断じてないが、ここで金正日についての一つの見方を提出してみたいと思う。

私は1994年に金日成が死んだ時、「北朝鮮はもうもたないな」と思ったものだった。金日成の評価はさておくとして、この指導者にカリスマ性があったことは事実である。在日コリアンの女性の友人から聞いた話では、金日成はかの国の基準ではとにかく美男子なのだそうだ。したがって、女性は政治体制に不満があっても、金日成を見るともうそれだけで参ってしまったものだという。

それに比べると、金正日というのは、まあ不細工でぶ男、いかにも出来の悪いニ代目といった感じで、とても金日成のカリスマ性を引き継げるとは思えなかった。ところが、結果的に金正日は死ぬまで体制を維持することに成功し、後継者の道筋も作った。これは金日成、金正日と二代にわたって虐げられた北朝鮮国民にとっては誠に気の毒としかいいようがない。

しかし一方でこの間、北朝鮮は核開発をしてテポドンを海にポチャリと落とすなど、常に「何をするかわからないぞ」という印象をチラ見せしながら、周辺諸国やアメリカの強い圧力を免れた。それどころかむしろ手玉にとって、明日潰れるかもしれないと思われた体制を維持したのである。私はこれはこれで大した政治的手腕だなと思うのである。同じ世襲でも、祖父の七光りのみで首相になった挙げ句、腹が痛くなって政権を放り投げたアベシンゾーなどとはそもそも根性の入り方が違う(そのアベシンゾーがノコノコ出てきて北朝鮮についてあちこちで喋っているのには笑った)。

ここで私なりに断言しておくと、北の核が暴発するとか、その核が日本に向けられるなどということはあり得ない。なぜなら、前述したように、北朝鮮の瀬戸際外交の肝は、本当に暴発するのではなく、その素振りを見せることで成立しているからだ。したがって、実際に暴発しては元も子もないのである。

まして、繰り返しになるが、すでに日本は東京電力の核でとんでもないことになっている(いまだに政府やメディアのことを信じて洗脳されている国民は知らないが)。その日本に、さらなる核攻撃なんぞをしたら、それこそ国際的な非難を浴びるわけで、そのような選択をするはずがない。というよりも、、、

そもそも日本に敵対するのに自前の核などいらないのである。安全保障について、実はまったく真剣に考えていないこの国では、狭い国土にめったやたらに原発が林立しており、そのどこか一つをちょっとでも叩かれればそれでジ・エンドだったのだ。では、東京電力という超ブラック企業の核を棚上げにして、北朝鮮の怪しさを真顔でまくしたてるメディアの意図は何なのか?

ここで話は突然飛ぶが、今年の芸能界の大きなニュースの一つは島田紳助の引退だった。その理由は紳助が暴力団と親密な交際をしていたからだそうだ。私は芸能界というものには興味はないが、芸人が暴力団(というよりもヤクザ)と付き合うことは、別に珍しいことではないし、芸能の興行とヤクザは切っても切り離せない関係にあることは常識である。

(個人的にはヤクザを暴力団と呼ぶこともまた一つの印象操作であり、記号化だと思う)では、なぜヤクザが悪いのかというと、反社会的な存在だからということになる。実は私はこの世間に流布しているヤクザ=反社会的という“一般的な常識”についても少しく異論があるのだが、今はそれはおいておくとして、反社会的な集団と親密に交際することが自らの職業を捨てて引退しなければならないほど重要なことであるならば、とびきりの反社会的な集団である東京電力と親密交際をしていた国会議員や官僚、学者はなぜ糾弾されないのだろうか?

かつて“リクルート事件”が起きた時に、未公開株を受け取った個人までがさんざん糾弾されたことがある。あるいは古い話で恐縮だが、投資ジャーナル事件というのが起きた時、その主催者である中江滋樹から7000万円だかのマンションをもらった女性芸能人は、それゆえにメディアから吊るし上げを食らったものだった。

そんな些細なこと(とあえて言うが)ですら大騒ぎするメディアが、国土を放射能で汚染させるという日本の歴史上、始って以来の大罪を犯したあげく(もちろん世界的な海洋汚染も大問題)、後世にまで残るその重大な影響をまったく無視する悪魔の企業とその関係者を野放しにしているのはなぜか。それはメディアもまた同じ穴の狢だからである。

22日に行われたシンポジウム、「検察、世論、冤罪 III」のなかで山口一臣前「週刊朝日」編集長は、近年のメディアの劣化を嘆くとともに、ジャーナリズムの役割は最終的に権力の監視であって、自分もそう教わってきたというようなことを言っていた。しかし、私に言わせればそれもまた印象操作なのであって、実はジャーナリズムが権力の監視者であったためしはほとんどない。

どころか、霞が関という独裁権力と一体化して、巧みに悪の国家、悪の政治家、悪の組織を仕立て上げつつ、一方で東京電力という超ブラック企業をまるで真逆の超優良企業に印象操作しながら、利権共同体の尖兵をつとめてきたのだ。このマスメディアの罠に気づいて、その呪縛から逃れることが日本再建の第一歩だと私は思うのだが、「家政婦のミタ」の視聴率が40%などという話を聞くと、その道はまだまだ遠い。

もちろん、このドラマ自体の出来は良かったのかもしれない。が、呆れるほど多くの時間帯を費やして番組の大キャンペーンを張ったあの日本テレビの番宣ぶりは洗脳以外の何ものでない。その結果としての40%という数字に、この国の権力集団は「テレビを使えば、まだまだいくらでも国民を騙せるな」とほくそ笑んでいるのではないだろうか。
http://fusenmei.cocolog-nifty.com/top/2011/12/post-d6f6.html
 

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