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消費税増税についての政府・与党の検討が大詰めを迎える中で、全国紙の社説などの論調にも「消費増税は避けられない」「財政再建は先送りできない」などと増税をあおるものがいっそう露骨になっています。政府が社会保障改悪と消費税増税の「一体改革」を掲げていることにあわせ、消費税を増税しなければ社会保障が維持できないといったものが目立ちます。
全国紙などのマスメディアはこれまでも、消費税増税や環太平洋連携協定(TPP)参加で政府をけしかけてきました。国民の間では異論が渦巻いているのに「翼賛」論調を繰り返すのは異常です。
社会保障は国の責任
消費税を増税しなければ社会保障を維持できないというのは、とんでもない国民への脅しです。政府だけでなくマスメディアがそうした宣伝を繰り返すのは、ウソで無法を押し通すようなものです。
年金、医療や介護など社会保障を充実することは、政府の責任です。憲法25条は国民の「生存権」を保障し、「国は…社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と明記しています。問題は年間100兆円にのぼる予算の使い方です。軍事費などのムダづかいを放置し、財源が足りないから社会保障を削減するとだけいうのは、国の責任を免罪することになります。
かつて財源不足を理由に社会保障費を削減し、社会保障を切り捨ててきたのは歴代自民党政府です。民主党は社会保障費削減路線を批判して政権を交代したのに、財源不足を持ち出して社会保障を削減するというのでは、自民党政権と変わりないことになります。それをたしなめるどころか、社会保障削減か増税かとけしかけるマスメディアも、「監視役」の役割を果たしているとはいえません。
政府もマスメディアも、日本の財政は異常な危機で、放っておけばヨーロッパのような財政・金融危機が起きるといいます。しかし国債発行を急増させ、多くを海外に買ってもらっているギリシャやイタリアと国債はほとんど国内で消化している日本を同列に論じられません。日本でいますぐ「ユーロ危機」のような事態が起きるようにいうのは国民への脅迫です。
日本は「高齢化」が急速なので、社会保障費の負担が現役世代を圧迫するというのも正しくありません。年金や医療、介護などに大きな費用が必要なのはもちろんですが、問題は世代間の対立ではなく、誰が費用を負担するのかです。
日本の大企業の税金と社会保険料の負担割合は欧州諸国に比べ低い水準です。アメリカをはじめ世界では富裕層に税金を負担してもらうのが流れなのに日本は逆に大企業や大資産家に減税です。こうした事実を知らせず改めることも求めないで消費税増税をいうのは、国民を誤って導くものです。
消費税は最悪の大衆課税
政府やマスメディアが「安定財源」のようにいう消費税が、低所得者ほど負担が重い逆進的な税金で、その増税が社会保障財源にふさわしくないのは明白です。
社会保障の財源はムダの削減と大企業・大資産家の負担、所得に応じた税制改革で確保すべきです。政府は消費税増税を断念すべきであり、マスメディアも財源といえば消費税増税しか出てこない、硬直した発想を脱却すべきです。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-12-22/2011122201_04_1.html
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