http://www.asyura2.com/11/hihyo12/msg/490.html
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現在、読売新聞は、渡邉VS清武のバトルや、さらに独占禁止法に抵触する過大なノルマを販売店に課す「押し紙」問題の疑いも、それを取り上げた週刊誌には勝訴したとはいえ、晴れているわけではないのですが・・・。なんと7日の社説に「オリンパス、トップ主導の悪質な粉飾工作」という文章を掲げたようです。
市井の人でも「いま我々が、オリンパス社の批判など行ったら、国民感情を逆撫でしマズいのでは」と思うのでしょうが、社全体でコンプライアンス感覚が麻痺しているのでしょうか、それともジャーナリストとしての平衡感覚が崩壊しまったのでしょうか、驚くような社説を出してしまったんですねぇ。
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以下(12月7日付・読売社説)オリンパス トップ主導の悪質な粉飾工作よりhttp://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20111206-OYT1T01304.htm?from=any:
長年にわたる巨額損失の隠蔽は、歴代の経営トップが主導し、一部の幹部により秘密裏に続けられていた――。
内視鏡で世界トップのオリンパスが設置した第三者委員会は、6日に公表した調査報告書の中でそう結論づけた。
隠蔽に加担した者が出世する人事体制が維持されていたことは重大な欠陥」「取締役会や監査役会は形骸化し、チェック機能を果たしていなかった」。報告書は、会社の体質や内部管理体制も厳しく批判している。
第三者委は元裁判官・検察官、弁護士らで構成され、約1か月間、会社の役職員らからの200回近い事情聴取と、経理資料の分析を続けてきた。徹底した調査が行われたと言っていいだろう。
現経営陣は報告書の指摘を重く受け止めなければならない。
報告書によると、オリンパスはバブル崩壊などで約1000億円の損失を抱え込んだ。2000年からの時価会計の導入で、保有する金融資産の含み損の計上を迫られると、海外ファンドに損失を移す「飛ばし」を始めた。
さらに、国内外の企業の買収を利用して、法外な買収資金などをファンド側に流し、一気に損失の穴埋めを図っていた。決算の透明性を高める会計基準の適用を免れようとした動機や、企業買収を隠れ蓑みのにした手口は、極めて悪質だ。
東京証券取引所が6日、オリンパスが上場廃止基準に該当するかどうかの審査を始めると発表したが、当然だろう。東京地検特捜部は、証券取引等監視委員会などと連携して捜査を本格化させる。日本市場への国際的信頼を回復するためにも、粉飾に関与した旧経営陣の責任を厳正に追及してもらいたい。
報告書は監査法人の責任にも言及している。
所管する金融庁も、問題点を徹底検証し監査体制の改善指導を図る必要がある。
(2011年12月7日01時20分 読売新聞)
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それにしても、オリンパス問題について、記事が甘かった読売が、今頃社説に掲げるというのも違和感がある。
オリンパス問題は、経営陣が取締役に抜擢してもらったという恩義から、イエスマンとなり、トップの粉飾決算を見てはならないものとして看過してきたわけですが、俗に言えば経営陣の茶坊主化がオリンパスを危機に追い込んだ大きな原因でした。しかも、粉飾に気が付かなかったとしても、本業とは技術的にも、販路としてもまったく相乗効果が期待できない携帯の販売ショップの会社や、化粧品の会社などを買収してきた経営戦略に疑問を感じなかった取締役の人たちはなんら戦略監視すらできず、その役割を果たしていなかったことになる。
一方、読売はどうか。
外野席から見ると、先般の清武さんのクーデターで、球団社長のある意味では「裏切り」とも見える会見がありました。唖然とした人も多いと多いと思います。歴代、会長の独裁体制を敷いてきた読売はそんな取締役のイエスマン化が起こりやすい構造になっています。
読売が、野球で大学や選手に栄養費として裏金を渡していたことがありましたが、なにかダーティなイメージがつきまとっています。それも「社会の公器」を謳うメディアとしては許されない話でしたが、それで渡邉会長に辞任を突きつけるなり、異議を唱えた取締役のかたがいたのでしょうか。
「所管する金融庁も、問題点を徹底検証し、監査体制の改善指導を図る必要がある」という主張は間違ってはいないとしても、それよりは、取締役会の役割や機能を再定義し、役員人事はどうあるべきかを問い直すことで、経営の質を高める自主的な動きを呼びかけるほうが、はるかに企業活力を生みだすのではないかと思いますが、いかがなものでしょうかねぇ。
http://ohnishi.livedoor.biz/archives/51300632.html
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