http://www.asyura2.com/11/hihyo12/msg/480.html
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既得権を持つが故に権力者の側に立っているために、日本のメディアが都合の悪いことは報道しない体質を持つ。だから小沢叩きに終始した前科を持つマスコミは、パナソニックの宣伝費はトヨタや東電と並んで、巨大な広告費を使う日本の三羽烏と呼ばれているせいで、政経塾が操る野田政権に対して批判しない。だから、ホモ内閣として誕生した野田内閣が、皇国史観による極右体質を仕上げるために、松下政経塾で徹底的にしごかれたOBを政治家に仕立て、ナチス流の地政学をアメリカで刷りこませたという、政治評論家の本澤二郎と藤原肇の「松下政経塾政権のスタートとその真相」という対談は衝撃的だった。
http://fujiwaraha01.web.fc2.com/fujiwara/article/zaikai111102.html
「東京タイムス」の元政治部長の本澤二郎記者は、宇都宮篤馬代議士に師事して活躍する辣腕政治記者であり、松下政経塾の持つ危険な体質をし続けたことで知られている。彼は「ジャーナリスト同盟」通信というコラムを持っているし、「派閥の終焉と日本の針路」という著書を持つ。http://www.amazon.co.jp/%E6%B4%BE%E9%96%A5%E3%81%AE%E7%B5%82%E7%84%89%E3%81%A8%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E9%87%9D%E8%B7%AF%E2%80%95%E5%B0%8F%E6%B3%89%E6%94%BF%E6%B2%BB%E3%81%AE%E9%81%BA%E7%94%A3-%E6%9C%AC%E6%BE%A4-%E4%BA%8C%E9%83%8E/dp/4860952928/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1322821419&sr=1-2
それに対してジャーナリストの間で「日本のチョムスキー」と呼ばれ、長年にわたり過激な権力批判をすることで知られた藤原肇博士は、小泉内閣時代にはベストセラーの「小泉純一郎と日本の病理」を書き、安倍内閣時代には『さらば暴政』を出版しているが、単行本は読みにくいが対談は分かり易いという評判だ。
http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/1006.html
この二人の気鋭のジャーナリストの対談の第二回目が、『財界にっぽん』十二月号に「瀕死の日本をいかに救うか」と題して掲載になった。日本を支配している不吉な政治状況に対して、日本のマスコミには登場しない貴重な情報であるので、興味深い内容だから以下に貼りつける。
<貼りつけ>
http://fujiwaraha01.web.fc2.com/fujiwara/article/zaikai111203.html
藤原肇・本澤二郎 瀕死の日本いかに救うか
−総括なき国の行末には未来はない―
慧智研究センター所長 ジャーナリスト 藤原 肇
ジャーナリスト 本澤二郎
前号の「松下政経塾政権のスタートとその真相」に続いて、気鋭かつ異色のジャーナリスト2人の警鐘をお届けする。(9月1日収録)
松下政経塾政権の本質
本澤 ナチス思想と人脈がワシントン経由で松下政経塾と稲盛財団につながったという藤原さんの見方からいくと、松下政経塾の初代内閣の今後が心配されあるいは内外政策においてどんな事が予測されますかね。
藤原 中田宏前横浜市長は皇国史観の信奉者で、「つくる会」の教科書を採用した。神奈川県の前知事松沢成文も政経塾の出身者でした。
本澤 政経塾はつくる会ともくっついている。
藤原 そうすると、横浜市で育った人間は完全にそういった思想、考え方を持つようになる。そういう人間が神奈川に始っていろんなところから出てくる。
本澤 横浜の前市長、中田宏は狂信的だったし、東京・杉並区の山田宏前区長も皇国史観教育を進めている。
藤原 そうした動向は、きちんと調査、整理して一冊の本にする必要がありますね。
本澤 そうですね。僕は韓国のインターネットでそれをチェックした。確かに指摘されるようなつくる会と政経塾の癒着、これは埼玉県でも同じようなことがある。現知事の上田清司は、政経塾のOBではないが、民主党時代(衆議院議員)に政経塾とくっついた。ですから埼玉県の教育政策は、矢張りグニャグニャになってきています。そして東京には超右翼の石原知事がいる。
藤原 知事は全都道府県に何十人もいる。それから国会にも自民と民主に分かれて政経塾のOBがいるわけだし、結局、あなたがPHPが司令塔だと言ったけど、まさに台湾派と繋がっている。
本澤 そうですね。
藤原 台湾の国粋派の国民党は、皆、サンケイ(産経新聞)と繋がっているし、李登輝は、本をPHPから出版している。小林よしのりとの対談も出している。 PHPは、金がいくらでもあるから外に向って使い、国民党をPHPの虜にし、世界の反動、極右やモサドとも繋がっている。
本澤 確かに、民主党の政経塾OBを調べた時に分かったのは、彼らは皆、台湾派だ。中国に行って中国の悪口をガンガン言う。 彼らは、口舌の徒として訓練されているから、自民党の右翼よりもやり方が上手い。一見すると何んとなくごまかされてしまうが、冷静に分析すると、やっていることば正に極右そのものだ。 松下(パナソニック)の莫大な広告費で、新聞、TVなどのメディアは一切、報道しない。本当に恐い時代になっている。昔は、自民党の中にはリベラル派が存在してブレーキ役になっていたんですけどね。
藤原 宇都宮(徳馬)さんなんかがそうだった。僕も個人的によく知っていた。
本澤 僕も徳馬さんから一番影響を受けた一人です。記者になって最初に担当したのが大平派″だった。大平派は歴代リベラルでした。リベラルの特徴は 寛容″ の価値観を非常に重視する。一方、ネオコン、右翼というのは寛容性がまったくない。相手を敵にしてとことんやつけちゃう。自民党にはそう した右翼の他にリベラルが存在していたからバランスが取れていた。それが小泉時代からリベラルがいなくなり超右翼になった。そして民主党の中では鳩山(由紀夫元首相)、小沢(一郎元党代表)系のリベラル派を、政経塾系が撃滅した。
藤原 そうした流れの中にホモ人脈なるものがある。
本澤 しかし、その視点はわれわれにはまったく想定外のことでしたね。だいたい、女性秘書を彼女にして金庫を任せているケースが多いので、ちょっと想像できないですね。
藤原 男同士なら外に秘密が漏れないから・・・。
本澤 成る程、秘密保持。言われてみると納得できる。
メディアもアメリカ追随
藤原 実は、それは英国が得意とすることで、苦からアメリカは、英国のノウハウを真似しているだけだ。 例えば、ローズ・スカーシップという、英国帝国主義の支配者の番犬を育てるために、アメリカ人と英国のコモンウェルズの中だけから選んで、オックスフォードで教育している。それを真似したのがフルブライト奨学金です。日本人でも可成りフルブライトで洗脳されて帰ってきているのがいる。小田実のようにべ平連で活動した者もいるし、いろいろ面白いのがいる。竹村健一もフルブライトをもらって米国の広報マンだった。 奨学金の流れの中で、逆に稲盛財団はそこに金を渡して日本から送り出し、洗脳されて帰国する。
本澤 自民党の高市早苗も超右翼で、アメリカの政治家の秘書までやったと、肩書きにありますね。
藤原 それにコロンビアとジョージタウンは、それぞれ5パーセントの特別が粋があって、声をかければ入れてくれる。小泉進二郎も、能力とはまったく関係なくコロムビアに入れた。
本澤 彼はたしか関東学院大学中退だったらしいですね。親(小泉 元首相)が離婚したりして家庭が複雑だったり、いろいろ事情があったんでしょうが、とにかく勉強が大嫌いで、いってみればまともじゃなかったらしい。だいたい、政治家のセガレでできの悪いのはみなアメリカ留学だ。安倍晋三もその一人ですね。
藤原 それを暴露したのが霍見芳浩だった。民主党最高顧問の渡部恒三の息子の恒雄もジョージタウンで教育を受けている。
本澤 渡部恒三のセガレがジョージタウンですか。
藤原 そう。だから渡部恒三は、水戸黄門とかなんとかいって、徹底的に小沢一郎を叩く側についている。
本澤 渡部の小沢叩きはジョージタウンの流れですかー。
藤原 誰がどこへ行っているのかをそれぞれ見たら分かるのだが、そこまで日本の週刊誌、新聞には書く人がいない。
本澤 完全にアメリカナイズされているわけだ。
藤原 しかも、アメリカには大学だけでなくシンクタンクもあり、そこで洗脳される。その典型的な例がバーグステインのアメリカ国際経済研究所だ。実は、そこに客員研究員として留学していたのが朝日新聞の船橋洋一だ。
本澤 (納得したようにうなずきながら) あ〜−。
藤原 特に朝日の政治記事がおかしくなったのは、船橋以降ですからね。
本澤 CIAリストに載っているというインターネット情報も出てますね。
藤原 アメリカ国際経済研究所で船橋と同僚だったのが竹中平蔵。2人は「IT革命」という共著を出している。
本澤 へえ〜、あら、あら、ですね。
藤原 僕は日本人がどうして気が付かないのか、と思っているが、誰れも書かない。
本澤 知らなかったですね。是非活字にして欲しい。 朝日が急におかしくなって、僕は朝日の講読を止めた。友人の政治家は、記事が余りに酷いために東京新聞にしたが、当時朝日を止めたという人が周りに一杯いた。 今の話で思い出すのは、日本記者クラブで前のアメリカ大使がさよなら記者会見をやった時に、船橋が、大使をべ夕褒め、礼賛するような紹介をするんで、この人は新聞記者じゃないと思いながら聞いたことがあった。彼の弟子たちが、今も幅を利かしている。
藤原 船橋は最初、ニーマンフェローでハーバードに行っているんです。ニーマンフェローは将来、編集長とかトップに近くなる人をアメリカがスカウトする。その後、彼はアメリカの総局長になったが、その時に、たしか1989年だったと思うが、「通貨烈々」という本を書き、朝日新聞から出している。その「後書き」を読むと、バーグステン所長に対して感謝感激雨霰のことを書いている。アメリカ総局長ともあろう人がとんでもないと思った。 バーグステン所長は商務長官を勤めたピーター・ピーターセンの子分で、ピーターは正にデービス・ロックフェラーの後を継いだ、アメリカの対外政策を進めるCRF(外交問題評議会)の中心人物。 リーマンブラザーズの会長もやっているし、今は潰れかけている投資ファンド、ブラックストーンの創設者でもあり、日本を喰い荒らしている。ソニーに甘い話を吹き込んでコロンビア映画の買収を進めたのも彼だった。日本は彼らに弱味を握られており、知らないのは日本人だけで、北京も台湾、韓国もみな知っている。
日本はアメリカの属領
本澤 上海の名門大学、 復旦大学には、もちろん日本研究所もあるが、アメリカ研究をやっているアメリカセンターは一番立派な建物で、さすがに中国ですね。
藤原 僕は今から二七〜八年前にカリフォルニアの保守的なぺパーダイン大学で総長に頼まれて顧問を3年程やったことがある。その時に北京大学をはじめ世界中のいろいろな大学の総長、学長を訪問したが、1980年代ですから当時はまだ中国は貧しく、何もない時代でやたらに奨学金や招待を要求された。結局、アメリカは日本を全然問題にしていない。アメリカにとっては矢張り中国の市場は大きく魅力的だ。英語も話せるし、人材も沢山いる。一方、日本はモノを作って輸出していたから経済大国と威張っていたが、アメリカからは全く評価されていなかった。 結局、中曽根が首相になった頃が絶頂期で、ヤクザ政治とカジノ経済で、バブル経済が弾けた後は20年間、全く成長していない。GDPだって過去20年間、一銭も増えていない。そういうなかで中国にIBMがコンピュータの会社まで売ったのだから戦略的にどう考えても合わない。それほど日本はバカにされているのに、日本人は気が付かない。松下政経塾レベルの連中がアメリカへ行って洗脳されて、日本に帰国してやっているから完全に属領扱いだ。 そういう中で日本の現在の落ちぶれている状況が生れている。アメリカにしてみたら、日本の中でも四流、五流のどうしようもない人物が首相になっているのだから正にカモだ。これから出て来るのは前原のように、もっと悪い洗脳された売国政治家だ。本当に救いのない国になってしまった。
本澤 救いがないですよね。京セラの稲盛にしても、僕らにとってはこれは新発見ですね。稲盛財団がアメリカの大学に500万ドルですか…。
藤原 そこは(CSIS)ナチスの研究、ナチス地政学。ヒトラーは生存圏を獲得する目的で、ロシアに行ったり東欧を攻めた。その侵略戦争推進者のハウスホッカーの拠点で、最近の政治家は学んできている。
本澤 それだけに国民≠ニいう視点がどうしても抜け落ちてしまう。その結末として福島原発が大爆発した。
藤原 これからは、ナチスを学ぶ松下政経塾の政治がどうなるかが焦点になってくる。
本澤 松下政経塾は、思想的な部分で、今おっしゃられているようなナチス的、カルト的というか、何かいかがわしさが、アメリカとの結びつきのなかで分かり易く理解できたわけですが、ひとつの財閥がその資金力によって、政界とそしてわれわれが何時も忘れがちな霞ヶ関、つまり官界、僕は官閥と呼んでいるが、実は、この官僚が一番ワルでして、政経塾はしたがって、その官閥とくっついている。財閥、官閥そしてワシントンという三角型が民意とは無関係な形で内外政策を出してくる。 そうすると、われわれが今、一番心配している原発の処理問題、これは収束なんかできっこない。特に、僕の個人的な思いもあるのですが、東芝です。東芝製の福島3号機はプルトニウムを使っている。プルトニウムは半減するのに2万4千年かかるといわれているが、これが今、地下水と海水に流れている。これに蓋をかける役割を今の政権は担っている。 昨日 (8月31日)、経団連の財閥出身の会長が、野田政権に感動するようなメッセージを出していることでも頷ける。身内の政権ができたという思いなんでしょうね。つまり、政経塾は、松下の代弁者のみならず財界、財閥と一体の政権だ。真の意味での日本の国民であるという視点が、当然ながら欠落している。 特に僕は、1972年の日中国交正常化の時に、政治記者になって初めてアジア、中国と向き合ったという印象が強いわけですが、あの時は「アジアの平和と安定」が原点だった。台湾は別として、その基本理念と衝突する政権ができてしまった。日本は東アジア共同体という形でなんとか盛り上げれば、新たな繁栄に向けた日本再生のきっかけを作れる筈だが、政経塾政権はこれに全く関心を示していない。ワシントンの言いなり。中曽根、小泉政権の傀儡といわれる所以ですね。
藤原 そこで福島原発爆発の背後に、基本的に何があったかを考えることが大切だ。
原発の真の目的は?
藤原 福島原発爆発は、日本におけるエネルギー政策の破綻といえる。1950年代は石炭を使っていたが、60年代になって三池事件で石炭から石油に変わった。その頃に平和利用の名目で原子力に着目したのが正力と中曽根。 通産省(経済産業省)としてはまだ、石油がこれから大事になるからとして、石油メジャー(日の丸石油)を作ることに熱心だった。ところが、岸信介がインドネシアの利権と関係して、日石カルテックスから輸入する石油の2パーセントを完全に口銭としてもらっていた。
本澤 新橋の日石ビルに個人事務所を構えていたので、彼が石油利権でメシを喰っていたことばよく分かります。
藤原 彼は狡猾なので田中角栄のようなヘマはやらない。自分の名前が出ないようにロンダリングを上手にやっていた。角栄は石油に価値があると見て、財界の資源派といわれた中山素平、今里広記らを周りにおいて、石油にのめり込んだ。南米からアメリカ、カナダやアラスカと、いろいろ画策し、通産省も石油を通してエネルギーで独立したかったのでしょうね。今里がアラスカ石油を創っていたが、ある時、ブリティッシュ石油が、国有化されるということでアブダビ海上石油の利権をドイツのデミネックスに2億ドルで売りに出したら1億ドルなら買ってもいいという話になった。ところが日本の石油公団が何んと7億8000万ドルで買ってしまった。相場の8倍。今里と田中清玄がやったわけだが加えて通産省内の派閥争いもあったりで、角栄が石油で躓いてしまった。その頃、田中も中曽根も通産大臣をやっていました。
本澤 そうですね。田中の後に中曽根がやっている。田中内閣が誕生すると、中曽根が真っ先に要求したのが通産大臣のポストだったですね。
藤原 1973年の時は、田中が首相で中曽根が通産大臣。結局、中曽根は石油はやりたいがアメリカに押えられているので、利権化は無理だと諦め、代わりに着目したのが原子力だった。核武装するためにとりあえずエネルギーという形で、原子力発電所を強引にどんどん作り出し始めた。だから原発が日本で一番できたのは中曽根時代だった。万一の時はプルトニウムさえあれば原爆はできる。
本澤 確かに、弟子である与謝野馨を原子力関係の企業に押し込んだ。そこで原子力の研究を始めたから、今でも原発は必要だと吹聴している。中曽根の心中には、常に安全保障の面からの原発で、それ故プルトニウム、もんじゅが必要だった。彼は核武装論者ですからね。
藤原 プルトニウムは茶さじ一杯で一度に数百万人を殺せる。
本澤 数百万ですか(驚く)。
藤原 それが日本には45トンもある。いざとなったら日本は核武装すると、韓国や中国の新聞に書いてある。
本澤 キッシンジャーも、中国に行って「日本はいずれ核武装するだろう」と言っているが、彼は中曽根の本心を見抜いていたわけですね。
藤原 いや、むしろキッシンジャーから「お前は核武装をやれ」と言われていると見た方がいい。アメリカにしてみれば、日本が被爆してくれたらこんな有難いことばない。今度の福島事故でも友達プロジェクトときれい事を言っている が、あれは日本を助けるためではなく、アメリカとして万一、核爆発があった時の対応のためのデータを集めているにすぎない。アメリカの常套手段だ。 日本人は、福島原発の爆発事故をエネルギー政策の失敗と位置づけて見なければいけない。 では、石炭から石油、そして今の主力となっている天然ガスの後には何がくるかとなると、水素ガスしかない。ハイドロカーボンという一つのシステムの中で、最初は木だったものが石炭になり、石油になり、天然ガスになり、次に水素ガス、このパターン以外エネルギーはない。原子力は一見すると発電コストが安く見えるが、それはウラニウムを買って発電した間の計算であって、ウラニウムの開発費用、運転した後のゴミの処理費用などは計算外になっている。
本澤 最近、通産省OBでみんなの党の江田憲司幹事長が記者会見で、原発は無用の長物だから途中、天然ガスなどで中継ぎをしてゼロにし、解体すべきだと発言していた。電力の自由化を進め、あちこちに小さな発電所を建ち上げ、発送電を分離すれば脱原発は可能だというのですね。
増税は国を亡ぼす
藤原 日本は過去25年間、人材を育てなかったので、本当に人材がいない。 今度、野田さんは増税すると言っているが、増税すると国が潰れてしまう。増税するのであれば、今まで目溢ししてきた宗教団体やパチンコ、競艇などギャンブル事業などから徴収すれば、まったく増税する必要がない。
本澤 日本がここまで陥ち込んでしまったのは、実は、中曽根内閣時代の1985年に日米同盟の名のもとのプラザ合意で超円高政策を受け入れたことに始まる。それがバブル崩壊で1500兆円が消えた時点で経済大国失墜。その後は延々と20年間、借金、借金できたのに、霞が関の官僚政治、そこを総括せず、誰れも責任をとっていない。
藤原 それはエネルギー政策も同じだ。民主党は自民党の出鱈目政策を総括していたら、少しはましなことができたかもしれないのに、民主党はネオコンに乗っ取られてしまった。
本澤 日本沈没の何ものでもないのに、そこに大震災と原発の大爆発ですからね。
藤原 しかも、債務残高というのがある。日本は対GDP比率で200パーセントを超えている。こんな国は世界にない。アメリカだって100パーセントを超えていない。ヨーロッパ諸国は60パーセント台だ。
本澤 それでギリシャの問題が起きているが、ギリシャは最後にはEU諸国が支えてくれる。しかし、日本は誰れも支えてくれない。これで今、アメリカがガタガタになってドル暴落になったら日本は完全にアウトですね。
藤原 しかも、財務省は増税すれば問題が解決すると、寝ぼけたことを言っている。たしか2002年だったと思うが、アメリカで「ネバタ・レポート」というのが出た。
本澤 ありましたね。
藤原 このレポートでは、日本の財政は破綻しているから、まず国家公務員の給料を3割カット、退職金はゼロにする。そして、預金の4割を財産税として没収するとか、株の取引に課税するなどいろいろなことが報告されていた。 実際問題として今必要なのは、増税ではなく、国会議員や国家公務員の歳費や人数を半分にするといったことから始めたらいいのに、政治家や役人は自分のことは全然やろうとしない。民主党が政権をとった時のマニフェストにも、そういうことが揚げられていたはずなんだが…。
本澤 そう、役人の大リストラをやると約束した。自公政権がやってきた予算編成にも真っ向からメスを入れると約束したはずだが、それもやっていない。それが弱い者いじめの消費税の増税ですからね。 銀行がパンクした時、国民の負担によって救済されたが、今メガバンクとそれに繋がっている巨大企業、財閥はそれこそ数百兆円も内部留保を保有しているのに、国民のために使うという発想は全くない。
藤原 さらに、日本が円高、増税となれば企業がどんどん逃げていくと、いよいよGDPが減っていき大学卒でも半分以上が失業するようになる。
本澤 社会が混乱して日本にだってテロが起きるスキ間が出てくる可能性がある。
藤原 国民を大事にするうえで明治維新をみると、富国、強兵から経済大国という流れになってきたが、実は、横井小楠という人は、それに 士道″ ということを「国是三論」 でいっている。士道とは国民を大事にする志ざしであり、士道・富国・強兵の3つでバランスがとれるのだが、士道を除いて富国強兵だけが残り国民のための経世済民がない。
本澤 明治維新以来今日まで、国民が欠落した政治が続いてきたわけですね。まさに官僚政治だ。
藤原 日本は民主国家になっていないばかりか、民族国家にもなっていない。民族″ 国家とは、権力と人民との間が契約で成り立っており、権力と人民が社会契約したのが憲法で、それが民族国家の原点なのだが、日本はまだその域に達していない。
本澤 最近、国際社会で有名なヒューマン・ライツ・ウォッチから戦争犯罪者を研究したレポートが出ているが、それによると、過去20年間を調べてみれば、戦争犯罪の責任者を政治的な理由で処罰しないでいると、その国はまた元に戻るという研究結果を出している。日本も66年前に同様のことをしたので元に引き返しているわけですね。
藤原 総括もしていないから全然変っていない。そんなパターンが今の日本といえる。今の日本に必要なのはリーダーシップと「さらば暴政」の精神ですよ。
――― 長時間、有意義なお話をありがとうございました。
(一部敬称略)
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