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【今日のAkahaる】 今もっとも活躍するジャーナリスト! =斉藤貴男
昨日と今日の「しんぶん赤旗」にジャーナリスト・斉藤貴男さんのインタビュー、そして書評が掲載されていました。
斉藤貴男さんといえば、何冊かの著書と講演を通じて、私がいま最も注目しているジャーナリストのひとりです。
記者としての姿勢はもちろん、年齢的な点でも、働き盛りです。現在の日本のジャーナリズムにあって、いかにも記者らしい活躍をしてくれている斉藤さん。彼ほど貴重な存在はめったにないのではないか……と、個人的には、ほとんど手放しで応援したい、そんな気持ちです。
彼のようなジャーナリストが大手メディアの現場に、実は存在するのだということ。仮に主流派になれなくとも(マスコミの主流がそうでないから、由々しき事態なのです!)、少なくともけっして、息も絶え絶えの弱小勢力に転落しているのでなく、現場では日々、切磋琢磨が行なわれているということを、何とか期待したいというのは、果たして、あまりに理想論≠キぎるのでしょうか……。
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いまメディアで/大手紙と違う「赤旗」の視線/ジャーナリスト 斉藤貴男さん
「しんぶん赤旗」 2011.11.26 日刊紙 3面
ジャーナリストの斉藤貴男さんに、最近のメディア状況と「赤旗」の役割について聞きました。
先日、NHKの討論番組に出たんです。出席したのは民主党と自民党の議員、TPP推進の立場の大学教授、それと反対の僕の4人。テレビ欄には「TPP(環太平洋連携協定)と消費税で激突」と紹介されていましたが、実質、3対1でしたね。民主党と自民党では「激突」になりません。一応、別の政党なので、表面的には対立しているようなことも言いますが、実際は違いがない。
権力の追認機能
そういう政党状況の中で、大手メディアはどうか。常に権力をチェックするのがジャーナリズムの役割だと僕は考えているんですが、いまは権力の追認機能に成り下がっていますよね。大手メディアというのは往々にして、数の多い側につく、つまりは与党側、力のある側ということになります。
僕は業界紙の記者だったとき、毎日毎日、発表ものや企業の話をそのまま記事にする仕事をしていて、つくづく思いました。これなら当事者が直接、書けばいいんで、記者なんかいらないなと。
記者は、行政の専門家である官僚も含め、専門家や当事者に取材するわけですが、原子力の専門家がそうであったように、専門家には専門家の利害があるわけです。だから、そこから離れた立場で、独自の判断をしてこそ、記者の役割が果たせます。その立脚点が問われます。
誰のための政治
大手メディアは、立脚点がスポンサーつまりは財界の立場になっていると思います。消費税増税でも、TPPでも、スポンサーの意向に異を唱える論調がほとんどない。
それは政治の場合も同じですね。野田佳彦首相が、組閣前に日本経団連にあいさつに行くという、自民党でもしなかったことをしました。だれのために政治をするかの明確なメッセージです。政権を維持するために、いかに財界とアメリカにいい顔をするかが、民主党のよって立つところになっています。
「赤旗」は、そういう財界やアメリカの目線とは別の見方、論理があることを示す役割をしていると思います。スポンサーの立場に立つ大手紙とは違う立脚点に立っています。それは財界における日本共産党の役割と同じですね。
その結果として、九州電力など電力会社や政府の「やらせ」などのスクープをとばし、さすがに各社、後追いせざるをえませんでした。他紙が無視できない、他紙の元ネタになるようなニュースをどんどん出して、大手メディアの目を覚ましてやってほしいですね。
聞き手 西沢享子
写真 山形将史
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民意のつくられかた 斉藤貴男著/偽装し操作する支配層のうごき(岩波書店 1700円)/評者 金光 奎 ジャーナリスト
「しんぶん赤旗」 2011.11.26 日刊紙 6面 書評欄
著者は、2009年から10年にかけて雑誌『世界』に「民意偽装」と題したルポルタージュを連載した。それらを再構成し、大幅な加筆、訂正を加え、タイトルも改め、出版したのが本書である。
とくに本書が注目されるのは、そもそもいかにして「原子力神話」がつくられたのか、という問題に真正面から切り込んでいることだ。
すでに著者は、福島原発事故発生より1年以上も前に、本書の土台となった連載の一つとして「浸透する原発政策」というタイトルで執筆していたのである。それをもとに本書では、3・11以降に表面化した事実にも分析を加え、第1章、第2章で「つくられた原子力神話」について解明している。
そのなかではさまざまな問題が取り上げられているが、ここではNUMO(原子力発電環境整備機構)の役割を紹介しておこう。本書によると、日本政府は28年までに「高レベル放射性廃棄物」の最終処分場の立地を決定、38年には処分を開始する計画である。NUMOは、その実施主体であり、02年度から立地を受け入れる自治体の公募を進めている。
著者はいう。「NUMOは湯水のように広報活動費を使ってきた。(略)注ぎ込まれた金額の分だけマスメディア各社は原子力ムラの一部としての機能を強めていく」と。しかもこの広報作戦は大手広告代理店によって打ち出されていた。多くの著名人も起用されてきた。
本書は、原発を中心になまざまな国策、事業仕分け、道路建設、捕鯨等々について民意を偽装し、操作するための支配層、権力の攻撃とマスメディア、広告業界などの動きを明らかにしていく。すぐれたジャーナリストとしての著者の取材力、先見性、勇気に心から敬意を表したい。
さいとう・たかお 1958年生まれ。ジャーナリスト。『消費税のカラクリ』
(*以下略 元原稿の記述形態を若干改変している)
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