02. 2011年11月05日 09:45:07: esmsVHFkrM
この問題については、もうみんなでしらばっくれて現実逃避を続けるのはやめるべきだ。まるで日本にまともな大人は一人もいないみたいだ。Wikileaksで公開された米国国務省の公電によれば、有本さんがどうかは不明だとしても(有本さんがこの中に含まれていないことを切に願うが)、北朝鮮が拉致被害者の何人か(some)を殺害したこと、少なくとも日本外務省高官(斎木昭隆・アジア大洋州局長(当時、現インド大使))がそう認識していたことは事実だ。 日本関係の米国国務省公電が朝日新聞を通じて公開された際、朝日がこの部分を伏せたのに対し、読売新聞は、朝日に対する劣等感から(Wikileaksは日本関係公電の公開委託に朝日を選んだ)あてつけのように、以下のように報じた。 >北、拉致被害者の何人か殺害…斎木発言と米報道 【ワシントン=小川聡】米紙ニューヨーク・タイムズは3日、外務省の斎木昭隆・前アジア大洋州局長(現インド大使)が「北朝鮮は、安否不明の拉致被害者の何人かを殺害していると思う」と発言したとする在日米大使館発の米政府公電を同紙ウェブサイトで公開した。 内部告発サイト「ウィキリークス」から入手したとしている。 公電は、斎木氏が局長当時の2009年9月21日付で、キャンベル米国務次官補との同18日の東京での会談を記録したもの。斎木氏は「横田めぐみさんの命運が最大の問題だ。比較的若く、世論は彼女の事件に最も同情的だからだ」と指摘したうえで、「拉致被害者の何人かは生きていると思う」と語ったとしている。 斎木氏は4日、読売新聞の取材に対し、「発言した事実は全くない」と発言そのものを否定した。そのうえで「全ての拉致被害者は生存していると強く信じており、その前提に立ってこれまでも北朝鮮側と交渉を重ねてきた」と強調した。 (2011年5月5日17時43分 読売新聞) この読売報道の根拠となったニューヨーク・タイムズ公開による問題の米国国務省公電では、朝日公開版で伏字で隠されていた部分が公開されている。それは2009-09-21 21:09に在東京アメリカ大使館からワシントンの国務省に発信されたもので、本件該当部分(第4パラグラフ)全文は以下の通りだ。 >4. (S) Saiki lamented that the DPRK believes that 2002 was "a mistake"--referring to when North Korea admitted that it had abducted Japanese citizens. The DG said he believed that the DPRK had killed some of the missing abductees, and explained that the fate of Megumi Yokota was the biggest issue, since she was still relatively young (in her forties) and the public was most sympathetic to her case. He believed that some of the abductees were still alive. Saiki was TOKYO 00002197 002.2 OF 003 concerned that the new minister in charge of abductions, Hiroshi Nakai, was a hardliner. Saiki concluded by saying the Japanese needed to sit down with the North Koreans to decide how to make progress on the abductions issue, and that the new Japanese government would be just as attentive as the Liberal Democratic Party was to the problem. 文中"DG"は、Director Generalで斉木局長(当時)を指す。 原発であれ、沖縄交渉であれ、拉致被害者であれ、TPPであれ、現実を見ないように見ないようにして、差しさわりのないようにやっていくのは典型的な官僚の処世術だが、いつまでもこのようなことを続けていては国が滅びる。現実を直視してあくまでリアリズムに基づいて実効性のあることをやっていかないと結果は出てこない。 このままでは、生き残っている拉致被害者も見殺しだ。
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