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<運用資金あるなら受信料下げろ>
福島第1原発事故から、一貫して批判されてきたのがNHKの原発報道だ。原子力村の御用学者を重用し、「メルトダウンはしていない」「安全だ」と繰り返してきた。でも、実際はチェルノブイリ並みのレベル7で、国民はだまされてきたわけだ。
“皆さまのNHK”が、なぜあからさまな原発推進報道をしてきたのか。どうもおかしいと思ったら、やはりNHKと電力会社はウラでつながっていた。「平成22年度 財産目録、貸借対照表、損益計算書、資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書に関する説明書」によると、NHKは総額900億円超の事業債を保有している。保有金額の上位5社は電力会社で、東京電力(保有数23/金額145億円)、中部電力(9/68億円)、関西電力(12/65億円)、中国電力(10/51億円)、東北電力(7/45億円)の順だ。
事故に関連して致命的な失態が明らかになり、東電の会社存続がかなわなくなった場合、ステークホルダーであるNHKも甚大な損害を被ることになる。事故の闇に迫れば迫るほど、自分たちの首を絞めてしまうという関係。これで中立的な報道ができるのか。
立大教授の服部孝章氏(メディア法)はこう言う。
「今回の事故で、東電は情報隠しを行ってきた。それを暴く立場の報道機関が利害関係者では、視聴者は不信を抱く。実際、3月の事故直後にどこよりも『原発は安全だ』と報じてきたのはNHKです。NHKは、なぜ東電債を保有しているのか、なぜ資産運用が必要なのか、会見を開いて説明すべきです」
3日に成立した「東電救済法」は、東電のステークホルダーを守り、国民に負担させるというもの。NHKが持つ東電債も保護された。NHKは胸をなで下ろしているかもしれないが、国民は納得できない。
そもそもNHKは営利目的の民間企業とは違う。資産運用など必要ないはずだ。運用に回すほどカネが余っているなら、受信料を下げるべきではないか。
これに対してNHK広報局は、「視聴者の皆さまからご負担いただいている受信料を、少しでも有効に活用するため資金の運用を行っています」「報道にあたっては、視聴者に必要な情報を正確にお伝えしています」とコメントした。
偏った報道が東電債の保有と関係ないとすれば、ハナからNHKには真実を見抜く力がないということになる。
(日刊ゲンダイ2011年8月18日掲載)
http://news.livedoor.com/article/detail/5796545/
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