http://www.asyura2.com/11/hihyo12/msg/223.html
Tweet |
◎NHKは「原発」を「反核」と同化させるな
かねてからNHKの原発報道の中立性に疑問があると指摘してきたが、6日の原爆忌における報道は、各メディアのなかでも特異なほど「核廃絶」と「原発事故」の“連動”一色に貫かれていた。神聖な祈りの場における首相・菅直人の「脱原発」への言及は、野党や識者から一斉に非難の声が上がったが、NHKは批判するどころか、確信犯的に「原爆」と「原発」を重ねる論調を貫いた。これは反核運動を原発事故で盛り上げようとする党派性の強い動きに酷似しており、厳正なる中立性が要求される公共放送の規範に明らかなる逸脱している。政府の指導はもちろんのこと、国会で取り上げるべき問題だろう。
先に指摘したようにNHKの原発報道は最近「脱原発」一色に塗り固められてきており、自治労・全道庁労連のホームページでも「NHKは報道の姿勢を明らかに脱原発へシフトした」と大歓迎されている。原爆忌の報道がNHKの中立逸脱の証になると注目していたが、案の定「原爆」と「原発」の“同化”一色であった。まず前日5日の解説番組「ここに注目!」で「あす 広島原爆の日」と題して解説委員・渥美哲が「菅総理大臣があすの平和記念式典で、エネルギー政策を白紙から見直し、原発に依存しない社会をめざす考えを表明することについて、こうしたことを求めてきた被爆者団体などは、その実現を望んでいます」と、菅の発言以前から歓迎するといった調子だ。
6日夜のニュース7では原爆忌報道の全てを福島の原発事故に結びつけた。菅の「原発白紙からの見直し」発言を何の批判もなく取り上げたばかりか、市民のコメントも原発事故に関連するものだけを取り上げた。客観性を意図してか、海外メディアの記者にまで原爆と福島事故の関連をコメントさせた。アナウンサーのコメントも「核兵器廃絶を訴え続けてきた被爆者たちの思いは、今原子力利用の在り方にも向けられています」と結んだ。10分以上にわたる原爆忌報道の中で、菅の場違いの脱原発発言への批判や、原発維持を当面是認せざるを得ないという市民からの声は一切報じられなかった。つまり一方通行の報道に徹したのだ。
これは民放番組が少なくとも“両論併記型”であったのとは対照的であった。それどころか日テレは朝の番組ウエークで原爆忌を取材した結果「原爆と原発を同じ土台で話すのは違和感を覚えるという人の方が多かった」と報じているのだ。菅の発言についても評論家・寺島実郎に「この方がどこまで国のエネルギー政策に責任を持てる立場なのかは微妙だ」とこき下ろさせている。一方、読売新聞は7日付の社説で菅の発言を、「『脱原発』にふさわしい場か」と題して、「世界の注目する記念式典で持ち出したのは、原爆と原発事故を重ねることで自らの主張をより効果的にアピールしたかったのだろう。鎮魂のセレモニーのいわば“政治利用”ではないか」と断じている。産経もやはり「反核に利用される脱原発」と題する社説で「日本の将来のエネルギー政策が党派制の強い反核運動に左右されてはならない」と警告している。
これと対照的にNHKのニュース7は、菅発言を批判した野党の反応まで報じなかった。その意味でも公正を欠く“偏り”が顕著だ。自民党総裁の谷垣禎一は「難しい事柄はトップリーダーの確固たる決意がなければ進まない。やはり今の首相には限界がある」と述べ、原爆記念日を「脱原発」に利用しようとする首相をけん制した。公明党代表の山口那津男も「遠い将来の政策を縛るようなことを、退陣表明した首相が口にするのはやや無責任だ。説得力に乏しい」と批判しているのだ。
要するにNHKの報道姿勢は、一方的な「反核と原発事故の融合」で統一されているのだ。世界的な経済情勢が景気後退の危機に瀕している今、日本が「脱原発」一辺倒で生き残れるかの視点に全く欠ける報道だ。少なくともこの10年、20年は原子力と化石燃料、自然エネルギーのベストミックスだけが日本の生き残る道なのだ。また原子力の平和利用の分野で、日本が国際的に果たすべき役割は大きい。余り知られていないが世界の原子炉圧力容器の8割が日本製鋼所で製造されている。それほど日本製原子炉への信頼度は高いのだ。圧力容器はまさに心臓部分であり、日本の技術抜きでは世界の原発は成り立たないといってもよい。核廃絶の感情論で原発事故を論議することのみにスポットを当てたNHKの報道は、国民を心理的に誤誘導するものにほかならない。受信料で成り立っていることも全くわきまえていない。政府・国会は事情聴取し是正させるべきであろう。
◎半年に1度の俳句自慢
毎日俳壇西村和子選2席
毛糸編む話しかけてはならぬ貌
選者評=編み目を数えている顔つきか。はた目にもその呼吸を読み取って、おかしみの漂う句になった。
産経俳壇寺井谷子選一席
明眸の負けん気で出すカーリング
選者評=「カーリング」は氷上のチェスと呼ばれる。この競技の終盤、ストーンを滑らせる時の静かに漲る緊張。大きな瞳が迫ってくるようである。
每日俳壇西村和子選一席
春灯娘の部屋に娘たち
選者評=娘さんのへやに娘たちが集まり、笑い声が絶えない。春の宵のはなやかなひととき。季語の春灯が響く。
毎日俳壇大峯あきら選一席
房総の卯波とどろき月上る
選者評=房総半島に卯波がとどろき、太平洋から月が昇ろうとしている。勇壮な景である。蕪村をも彷彿とさせる。
産経俳壇寺井谷子選一席
今朝の夏娘の胎児「つつんと蹴る」
選者評=「つつんと蹴る」は娘さんの言葉。男親にとっては分からぬ感覚ながら、胎児=孫の元気さを伝える言葉に頬が緩む。明るく希望に満ちた「今朝の夏」。
入選俳句一覧
1参詣俳壇寺井谷子選
2人ゐて寒夕焼の温みかな
2日経俳壇黒田杏子選
白息を吾に届けに子の走る
3毎日俳壇西村和子選2席
毛糸編む話しかけてはならぬ貌
選者評=編み目を数えている顔つきか。はた目にもその呼吸を読み取って、おかしみの漂う句になった。
4毎日俳壇西村和子選
相槌を打ちゐるだけや懐手
5産経俳壇寺井谷子選
閑かなることも二人の年忘れ
6東京俳壇鍵和田柚子選
事件記者晩年日向ぼこりかな
7産経俳壇寺井谷子選
何かしていたき母なり毛糸編む
8産経俳壇寺井谷子選
成人の帯のきつさに疲れをり
9每日俳壇堀口星眠選
日脚伸ぶ仮眠の口の中にまで
10産経俳壇寺井谷子選
うらうらと薄紅梅のほとりかな
11産経俳壇寺井谷子選一席
明眸の負けん気で出すカーリング
選者評=「カーリング」は氷上のチェスと呼ばれる。この競技の終盤、ストーンを滑らせる時の静かに漲る緊張。大きな瞳が迫ってくるようである。
12産経俳壇寺井谷子選
陽炎る猫載せ船の出でにけり
13NHK俳壇西村和子選
受験子に在校生のまぶしけれ
14東京俳壇小澤實選
春は曙猫のいびきと息が合ふ
15東京俳壇小澤實選
一湾の雨意強まりて春惜しむ
16東京俳壇鍵和田柚子
遙かなる桜吹雪に急ぐかな
17NHK俳壇西村和子選
大粒の涙と食べる桜餅
18産経俳壇宮坂静生選
明易し貰ひし猫の名は忘れ
19東京俳壇小澤實選
玄関を開ければこぼれ花ミモザ
20每日俳壇西村和子選一席
春灯娘の部屋に娘たち
選者評=娘さんのへやに娘たちが集まり、笑い声が絶えない。春の宵のはなやかなひととき。季語の春灯が響く。
21産経俳壇宮坂静生選
茎立や一月見ねば背の伸びる
22産経俳壇寺井谷子選
猫の子の遊びせんとや寄り来たる
23毎日俳壇西村和子選
生れてまだ五日目なるぞ柏餅
24東京俳壇鍵和田柚子選
峠よりスカイツリーが土筆ほど
25産経俳壇寺井谷子選
先生の顔見て逃げし軒燕
26東京俳壇小澤實選
羽抜鳥得体の知れぬもの銜え
27産経俳壇寺井谷子選
来生は妻に報いる杜若
28日経俳壇茨木和生選
暑き夜はリルケを読みて生くるかな
29産経俳壇寺井谷子選
小手毬や熊野謡ふ声路地にあり
30読売俳壇小澤實選
担ぎ終へ父の背に濃き汗ありし
31東京俳壇小澤實選
甚平やよくぞ胴長人種たる
32NHK俳壇大石悦子選
妻吹けば草笛妻の音がして
33産経俳壇寺井谷子選
夕顔や水底のごと老ゆるかな
34毎日俳壇大峯あきら選一席
房総の卯波とどろき月上る
選者評=房総半島に卯波がとどろき、太平洋から月が昇ろうとしている。勇壮な景である。蕪村を彷彿とさせる。
35毎日俳壇西村和子選
眼鏡拭く夏嶺の空に透かしつつ
36日経俳壇茨木和生選
浜木綿の花盛りなる海女の墓
37毎日俳壇堀口星眠選
更衣背丈五分ほど縮みたる
38産経俳壇寺井谷子選一席
今朝の夏娘の胎児「つつんと蹴る」
選者評=「つつんと蹴る」は娘さんの言葉。男親にとっては分からぬ感覚ながら、胎児=孫の元気さを伝える言葉に頬が緩む。明るく希望に満ちた「今朝の夏」。
39産経俳壇寺井谷子選
蒙古斑狙ひて撃ちし水鉄砲
40東京俳壇小澤實選
乙女らのゐさらひ弾み飛び込みぬ
41産経俳壇寺井谷子選
桑の実を涙の数だけ食べるかな
42毎日新聞大峯あきら選
帰省子の峠越えれば母の待つ
http://thenagatachou.blog.so-net.ne.jp/2011-08-08
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > マスコミ・電通批評12掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。