http://www.asyura2.com/11/hihyo12/msg/182.html
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http://kirik.tea-nifty.com/diary/2011/08/post-c1e3.html
最新式人海戦術(形容矛盾)が起きている今回のフジテレビ韓流問題。正直言うと、この流れって毎日新聞が変態新聞とウェブで罵られ続けて相応の迷惑を蒙った物件と相似形であります。まっとうなメディア批判であれば関係者は意見の同異は別として正座して拝聴すべきとは思いますが、もちろん騒動に飢えたネット住民が久しぶりに得た大型案件という意味では現在進行形であるpixiv問題と双璧なのであります。
今回は、騒動そのものよりも問題を問題たらしめる舞台装置について雑記調に論じてみたいと思います。
● Togetterの場合
花王 不買に関するツイート まとめ(韓国・フジテレビ関連)
http://togetter.com/li/169351
もはや、togetterというサービス自体が炎上ソナーやキチガイ探知機としての機能を果たして、登山家が難攻不落の山々の頂に旗を立てるが如くヲチャーがヲチャーに対してガイドラインを示す行動様式が定着しつつあるのだなあと思われる部分であります。
ある意味で、常に流れ続けるフローの総体であるtwitterを母体としつつも、それを記録し編纂するという本来のテーマに真っ向から勝負を挑んで存在感を示したという点で、togetterはもう一定の評価を得たんだろうと思います。一方で、案の定というか当然の流れとしてtogetterに対するヘイト値を高めているウェブ住民もいるので、これらのサービスがpixiv同様対応を間違うと業火の中に叩き込まれかねないという点で、金のかかってないグルーポン的な油のしみた枯れ草のような存在なのかなあと。UEIに間借りしているというのもまた。
● サーチナの場合
高岡蒼甫氏騒動でクライアントが慌て出す?スポンサー離れか
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0801&f=entertainment_0801_009.shtml
最近元気のないJ-castやGIGAZINEの後釜として赤丸急上昇であったサーチナが、今回も大規模炎上に寄与し続ける絶妙なアシストを連発しており独特の存在感を示しているのが興味深いところです。ソースとしての価値でいえば真の意味で東スポ未満なところがあるんですが、サーチチャイナという本来のサイト名称やメディアテーマが絶妙な煙幕となり、ウェブ民の中国嫌いともうまくシンクロニシティを発揮してソースロンダリングや風評のメッカとなって前世代のウェブメディアを質量ともに凌駕している点におおいに好感が持てます。
取り上げた記事でも、見事なまでに一次ソースがゼロ、当事者に電話取材ひとつすることなく、最後の最後まで執筆者の憶測と論理展開のみで押し続けて執筆者本人の名前まで書き上げるという見上げた根性に感服せざるを得ません。「メディアとしてそれっぽければ、記事の質はともあれ読まれてしまう」という現代ウェブ社会の特徴が織り成す盲点ど真ん中に投げ込む剛速球が、いまのサーチナ記事の真骨頂なのであります。
● 2ちゃんねる系まとめサイトの場合
高岡騒動で鬼女がフジテレビスポンサーへ抗議、花王を筆頭に不買運動へと発展
http://hamusoku.com/archives/5454164.html
サンプルとして、ハムスター速報を選んでみました。それ以外の2ちゃんねる系のまとめサイトでも当然のように本件ネタはこぞって取り上げております。これだけのネタなのですからまあ時事社会一般を扱うまとめサイトなら取り上げざるを得ないですよねということで、まとめサイトを執筆する人々の編集スキルの優劣が試されるという格好の試験紙になっています。
今回の件では、高岡某が過去の交友関係に蓋をしたままで、さも自分は問題なかった的なブログを書いたところで同情が惹かれて退社に追い込んだスターダストよりもフジテレビに鉾先が逝ってしまうというネットならではの展開をしたのが今回の特徴でありました。より大きいもの、より構造が分かりにくいもの、よりポジションが羨ましいものを叩くというのは自然な行為でありますが、そんなスレが500以上立ってたとかいちいち追いきれませんって。
そういう点で、やはり編集能力のあるまとめサイトというのは貴重であって、アクセスが増えるのも当然ではないかと思うわけですけれども記事広告など金を貰ってエントリーを書く場合はちゃんと【広告】って打ちましょう、皆さん。
● ニセモノの良心の場合
CXは別に売国奴じゃない。みんながユニクロに行くようなもの
http://soulwarden.exblog.jp/14236392/
騒動がここまで大きくなると、どうしても声としてはかき消され気味になってしまう「業界人の解説」でありますが、真実かそれに近い事実関係の説明はやはり所々でしっかり行われておりまして、今回はサンプルとしてニセモノの良心を選んでみました。まあ、放送業界の現場で見聞きしている人からすれば、騒動そのものが馬鹿らしくてしょうがないという側面もあるのでしょうが、韓国というネットでは嫌いな人が多いトピックスにフジテレビのようなルサンチマン魂を掻き立てる素材が組み合わさって火が放り込まれたらそりゃあ土石流のようなウェブの大洪水になるのも仕方がないと思うんですよね。
業界人が見失いがちなのは、やはり視聴者も一人の人格であって、ウェブで今回気づかされたものでいうと、やはり結構な割合の日本人が韓流ブームに嫌悪感か不自然なごり押し感を抱いていて、誤解とはいえフジテレビが韓流をカネ貰って押してるという話になると不快な気持ちになってしまうわけですね。それを押し留めるのは通常の大規模クレーム対応同様、誠実に一人ひとりの話を聴く姿勢を見せるということなのでしょう。
もっと突き詰めるのならば、もはやすべての国民が等しく満足してくれるような、古き良きゴールデン番組という存在はなくなっている以上、きちんとテレビの前に座ってくれる人の属性にあわせたコンテンツを提供していく必要がある。ただ、韓流であれアニメであれ熱心な人からの支持は受けても国民全体でいえばほんの数%が満足しているに過ぎないものであって、残りの大多数は興味がないか、むしろ嫌悪感を持って接している可能性も強く、そういう消極的批判層が燃え上がってしまうのはやはり商売として極力避けるべきなのだろうというところですね。
● Amazonの場合
カスタマーレビュー アタックNeo つめかえ用
http://www.amazon.co.jp/product-reviews/B002OOYDP8/ref=cm_cr_dp_hist_1?ie=UTF8&showViewpoints=0&filterBy=addOneStar
より目に見える形で不買運動を明らかにしようとするならば、顧客が集う評価システムに関与するのが手っ取り早いということで、今回ターゲットになったのはフジテレビの側の肩を持つという奇特な広報対応によってウェブ民からのヘイトを稼ぎ敵認定を受けた花王の製品でありました。
まあ書かれも書かれたり250以上の星ひとつが羅列されているわけですが、そこで書かれている花王の製品に対する批判よりも、花王のカスタマーレビューが炎上している事情を他のマスコミが報じることで、より多くの人が今回のフジテレビ問題の不合理な韓流押しと、それを支え支持するスポンサーという図式を認識してしまうという効果を期待しているということで、とはいえ花王もさまざまなメディアのスポンサーですから、またぞろ電通だマスゴミの陰謀だという方面にいつ直結してもおかしくない状況になってしまうということですね。
実際には、Amazonのカスタマーレビューというのは去年ぐらいからあんまり参考にされない傾向が強まり、ほぼ死んでしまったシステムなんですけれども、数が集まればそりゃあ耳目は惹きますから、さぞいろんなところに波及していくのでありましょう。
● 総論として
暴れるウェブ民が打ち壊しをどこのサイトでやるのか、スポンサーへの電凸なるものがどのくらいの効果を及ぼすのかといったあたりは、ウェブとリアルの相克という意味で永遠の課題だったのですけれども、話題としては出るもののFacebookやMixiなどある程度実名やソーシャルに紐づいたサイトで「お前もレッツ荒らし」というような呼びかけを目にすることはありません。問題を認識し、自発的に集まった人が活動に身を投じているのだとは思いますが、毎日新聞の変態騒ぎや、浜崎あゆみの感じ悪い騒動のときと同じかそれ以上に憂さ晴らし的側面があるのかなあと強く感じます。まあ、面白いからもっとやれ風の意見がある人が少なくないのもまた日本の心に沁みるところではございますけれども。
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