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(投稿主より・・2月2日付/朝日新聞記事については多くの反論投稿が発せられています。「懲りない狼少年たち」には執拗な稿論が求められと思います。)
2月2日のことです。朝日新聞朝刊の一面トップに次の記事が掲載されたのです。
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日本国債急落シナリオ/三菱UFJ銀が対応策
──2012年2月2日付/朝日新聞
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実に衝撃的な見出しです。それでなくても大手新聞やテレビは日本は1000兆円の借金があり、それはギリシャやイタリアよりも悪いという報道が目白押しですから、この朝日新聞の記事でやっぱりと思った人は多いと思います。
しかし、なぜこの記事がいまこの時期に大新聞のトップを飾るのでしょうか。
もちろん、日本の財政状況はけっしてよくはありませんが、現在のところ、期間10年の長期国債の金利は約1%の超低金利で安定しており、当の三菱UFJ銀行も「当面国債下落はない」と記事の中で述べているのです。
国民としては自ら対処する方法がないだけに、何か煽られている感じがしないでもないのです。このタイトルだけでも見た人は「消費増税やむなし」と考えてしまうのではないでしょうか。
消費増税の環境作りと思われても仕方がないと思います。
国会でもこの問題は取り上げられています。中でも注目すべきは、2011年11月9日の衆議院予算委員会で安住財務相に対、江田幹事長は、政府負債残高の対GDP比が200%というが、それに見合う資産があるので、ネット(純債務)で見るべき
であり、それに日本国債のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)は「1%」であってデフォルトにはほど遠いと説明したあと、次のようなやり取りがあったのです。
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江田/何度も申しますが、われわれも財政規律は重要だと考え
ています。しかし、この国難のときに、デフレで景気が
わるいときに、財政再建を最優先して増税をするのは世
界の常識に反しますよといっているのです。われわれは
まずデフレを脱却し、経済を成長路線に乗せて税収を上
げる。そしてそれに平行して、わが身を切る改革、無駄
遣いを解消していく。これを数年間やるのが先決なんで
す。増税はもし必要ならその後でいい。それがわれわれ
の立場です。
安住/まず、政府資産、純資産をどれくらい見込むかというこ
とですが、公式には484兆円とわれわれは思っていま
す。ですから、先生仮にですね。百歩譲ってといっては
ヘンですが、その額を差し引いた額でGDP比を見ます
と、日本の政府債務残高は先進国中最悪の130%であ
ることも事実なのです。これ、イタリアよりもわるいの
です。それから、個人金融資産のことですが、それは銀
行が預かっていて、その銀行が国債を買っているという
ことです。その事実を無視できないのです。最後にCD
Sのことですが、ある日突然発散することもありうるの
であって、日本がいま1%だから大丈夫だというのであ
れば、なぜイタリアは6.6 %になったのでしょうか。
そういうわけで、財政再建は必要なのです。
2011年11月9日/衆議院予算委員会より
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このやり取りで、江田憲司氏の主張は、EJで述べていることと同じであり、きわめて納得のいくものです。それに対する安住財務相の答弁は財務省の役人作成の文書の棒読みです。したがって、財務省の考え方そのものです。
しかし、政府負債残高の対GDP比が200%といい続けてきたのに、はじめて政府資産──484兆円と財務相は明言──を字で示し、それを債務残高から差し引いた額でGDP比をとっても130%であることを明言したことは大きいと思います。しかし、この数字が先進国中最悪であり、イタリアよりもわるいと強調している点には異論があります。
先進国といっても各国それぞれの事情があり、ましてEUの加盟国であるイタリアと日本とは違うのです。これについては、改めて述べますが、強調したいことは、日本の国債は自国通貨建てであるのに対し、イタリアは事情が違うということです。
もうひとつCDS──クレジット・デフォルト・スワップについて述べる必要があります。CDSはデリバティブ取引の一種であり、国債デフォルト(債務不履行)に対する保険料なのです。
日本国債は昨年暮れの時点で「1.3 %」であり、問題にならない低さなのです。
11月9日の衆院予算委員会における江田幹事長の安住財務相へのしめくくりとし、江田氏は、2002年に国債の格付けが下げられたさい、ムーディーズなどの米格付け3社に対して財務省・黒田財務官が送付した「外国格付け会社宛意見書要旨」を取り出し、安住財務相に対して「いいですか。財務省がこんなことをいっているのですよ」と読み聞かせて質問を終っています。そこにはおよそ次のようなことが書かれていたのです。
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1.日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。デフォルトと して如何なる事態を想定しているのか。
2.格付けは財政状態のみならず、広い経済全体の文脈、特に経済のファンダメンタル ズを考慮し、総合的に判断されるべきである。以下の要素をどう評価されておられ るのか。
A.マクロ的に見れば日本は世界最大の貯蓄超過国
B.国債は国内できわめて低金利で、安定的に消化
C.世界最大の経常黒字国、債権国、外貨準備最高
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