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挑戦を忘れた経営者たち [慶大教授 金子勝の天下の逆襲]
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2012/2/7 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
小泉時代が招いた日本の貿易赤字
日本は31年ぶりに貿易収支が赤字になった。これは一時的な現象だろうか。たしかに、ひどい円高やタイの洪水の影響はある。しかし、この貿易赤字は「失われた20年」の帰結でもある。日本はバブル崩壊の処理に失敗し、日本企業はひたすら3つの過剰(「過剰債務」「過剰設備」「過剰雇用」)の整理という守りの経営になった。
経済政策も、経団連加盟の旧来型輸出産業向けに偏っていき、しかも経営者たちはひたすら「市場に任せろ」と主張するだけで、戦略を立てることもできなくなった。
輸出大企業は当面の利益を上げるために「円安誘導」や「法人税引き下げ」や「雇用流動化」を主張し、小泉「構造改革」が行われた。
だが、グローバル競争をうたった小泉・竹中時代こそ、グローバル競争に敗北するという皮肉な結果をもたらした。
振り返ってみれば、1990年代初めに韓国のサムスンが半導体のDRAMメモリーに参入した時点で、韓国企業がキャッチアップしてくるのは見えていた。かつてなら半導体メーカーである電機会社は、インテルがやっているマイクロプロセッサーなど、より高付加価値な技術開発へ向かっただろう。
ところが、小泉・竹中時代、企業は内部留保をためるだけ。そして、内部留保で特許を持つ企業をM&Aで買収すれば技術は手に入るという安易な米国型経営を志向した。会社を合併させ、自前の研究所を次々に閉めて、前向きの技術開発が行われなくなった。
そのうえ、スパコンはスカラー型に移っていたのに、小泉政権は古臭いベクトル型に予算を投入し、スパコンでも取り残される始末だった。
小泉政権以降、企業はチャレンジ精神を忘れ、合併を繰り返し、倒産しないように内部留保をためるという守りの経営になってしまったのだ。31年ぶりの貿易赤字は、その帰結という面を持つ。いま起きている「原発再稼働」キャンペーンも後戻り路線にすぎない。新エネルギーへの大転換という前向きの発想がない。
考えてみれば、東電は会長や顧問、相談役など無責任な高齢者たちがしがみついている。こんな会社ばかりでは、イノベーションなんて無理だろう。
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