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http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20120203/226833/?ST=print たかが格付け、されど格付け
国債と格付けのいびつな関係 欧州危機はまだ深化する(前編)
2012年2月7日 火曜日
松田 千恵子
(前回から読む)
S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)には困った癖がある。“TGIF”(Thank God It's Friday.)と、大抵の事柄は笑って許してもらえそうな金曜日の、それも市場も閉まった後になってから、全世界を揺るがすような格付けアクションをさらっと公表するのだ。
前回は8月だった(米国債格下げ)。今回は13日の金曜日であった。格下げされた欧州各国にとっては、とても笑っては済ませられない魔の日であったことだろう。特に、Aという記号を失ってしまったイタリアあたりにとっては。
お門違いの家宅捜索
しかし、だからといって格付け会社を家宅捜索するのはお門違いというものだろう。相場操縦との名目であり、以前からの調査によるもので格下げと関係は無いとしているが、後追いで格下げを行ったフィッチ・レーティングスにも、格下げ後数日で同様に家宅捜索が入った。
将来予測を公表すると警察が乗り込んでくるようでは、世の中でアナリストと名のつく職業は成り立たなくなってしまう。格下げ自体はおおかたの投資家にとっては既に織り込み済みである。それでもなお、メディアが大きく取り上げることもあり、相場に与える影響を懸念して週末に発表したのだろう。実は“困った癖”ではなく、配慮の結果だ。
この“配慮”、実は難しい。格付け会社はどこも、格付け委員会が終了したら極力速やかにその結果を公表しなければならない。インサイダー取引を防ぐためだ。格付け会社内部はもちろんのこと(実際には、アナリストは格付け委員会を招集した後にインサイダー取引なんてしている余裕はないのだが)、公表前に結果を知ることになる発行体に関しても、無用の誤解を世間に与えてはならないので、時間の猶予は与えられない。
日本の企業格付けなどでは、格下げの通知を受けた担当者が「役員に相談するから公表はちょっと待ってくれ」などと泣きつく光景に出会うこともあるが、残念ながら心を鬼にして断らなければならない。役員に相談しても結果は変わらないし、当の発行体にとってもインサイダーリスクが高まるだけのことだからである。
そんな中では“配慮”は格別だったのだが(したがって、格付け会社的にはやはり“困った癖”なのだ)、怒れるイタリア人には通用しなかったようだ。もともとは「格付け会社の誤った評価により株価が下落した」との消費者団体の告発によるそうだが、この事件は、格付け会社が長年直面してきた難しい状況を端的に示している。
ひとつには、“格付けというのはあくまでも負債投資家の立場から中長期的な将来に関する信用リスクについての評価をしている”という立場がなかなか理解されないこと。もうひとつは、「言論の自由」が確保されなければ格付けは成り立たない、という理解が意外になされていないこと、である。
「格付けは民間会社のひとつの意見である」とする格付け会社の主張は、よく”責任逃れゆえ“とされることが多い(2011年11月14日付コラム参照)が、真意は「自由に意見が言える世界だからこそ、国であろうが何であろうが嫌なことも言えるんですよ」に近い。格付けの巧拙は、国家の弾圧によってではなく、市場の淘汰によって判断されるべきである。
格付け会社にとって厄介な国債格付け
格付け会社にとって、国債への格付けは実は厄介な代物である。格付けの対象である債券発行体と自社が対象となる規制の発生源が同一であることに加え、この債券発行体は市場を利用して債券発行を行っているのにもかかわらず市場原理では御しがたい存在だということもある。
倒産とその後の処理に道筋は無く、救済の枠組は常に揺れ動く。民間企業でさえ“Too Big, Too Fail”といった議論がなされるのに、国家財政はそれと比較にならないほど規模も影響力も大きい。
具体的にみてみよう。ギリシャの状況がデフォルト(債務不履行)に値しないと思っている投資家は恐らくひとりもいない。第一次支援は焼け石に水だった。海外投資家依存で膨張してきた債務残高は対GDP比で160%を超え、国債のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)スプレッドは3,000bps(ベーシスポイント)を今や軽く上回る。ちなみに1年前でも既に1,000bpsを超えていた。
企業でいえばとっくの昔に倒産している。だが、ギリシャはデフォルトになっていない。公式に債務不履行宣言を行えば、ギリシャ国債を保有している金融機関の資産の棄損が明白になり、金融セクターの支援にまた巨額の資金が必要となる。倒産時の保証のような機能を持つCDSが発動され、保証を履行する金融機関に打撃を与える。担保としての価値も失われる。簡単にデフォルト宣言できるような状況ではない。
状況を打開するためにPSI(Private Sector Involvement, 民間債権者の債権放棄)交渉が続いているが、債権放棄が要請されている割合は20%から50%、更にはそれ以上と民間債権者にとってはどんどん悪くなってきている。実際には、50%削減した程度では問題は何も解決しない。PSIは、いわば「“強制的に”自発的に債権放棄させる」政治のポーズである。
だが、自発的という体裁を取ればCDSの発動要件となるデフォルト条項に該当しなくなることもあり、ヘッジファンドなどの反発は強い。何とか秩序立てて、管理された”事実上の債務不履行状態“に落着けたい支援側は、債権の一律強制カットや、ギリシャの財政に対する主権の一部制限なども視野に入れて動いているが難易度は高い。
EFSF格下げで怪しくなった支援能力
救済側も揺れ動く。13日の金曜日に行われた欧州各国の格下げから引き出されるのは、「財政が弱くなった国が集まって作っている組織の財政もまた弱くなるだろう」という当然の帰結だ。
1月17日に、S&Pは欧州安定化基金(EFSF)の格付けを最上位のトリプルAから一段階格下げした。フランスをはじめとする資金拠出国の格付けが下げられたことがその理由である。こちらも織り込み済みであったため大きな動揺はなかったが、もともと不足が危ぶまれる支援能力は更に様子が怪しくなった。
ギリシャだけならまだしも、この先ポルトガル、さらにはイタリア、スペインと危機が連鎖していった時に、今の枠組みにそれを止める力は無い。危機の連鎖を防ぐためには2兆ユーロは必要だろうと言われているのに、今手元にあるのは数千億ユーロに過ぎない。
欧州中央銀行(ECB)は最長3年の無制限長期資金供給オペを開始し(要は、日銀が民間銀行に資金を潤沢に流し込んで日本国債を徹底的に買い支えよ、とすることと同じである)、上昇し続けていたイタリアやスペインの国債利回りは一服しているが、これも根本的な解決には程遠い。遅かれ早かれ問題はより深刻化して再燃するだろう。2012年は政治的要因も更に影響度を増す。
日本も対岸の火事ではない
日本も、対岸の火事と安心していられる場合ではもちろん無い。市場は連想で動き、常に次のターゲットを探し求める。欧州危機が深刻化すれば、より債務の多い日本がどうなるかと想像力はたくましくなる。欧州危機が一段落すれば、次に狙う格好の獲物にも見える。「日本ではすべて国内でファイナンスされているから大丈夫」という議論が未だにあるが、経常赤字が数年先に予測される中では、いまや空元気にしか聞こえない。詳しくは拙著(「国債・非常事態宣言」―――決して煽っているわけではない)に譲るが、日本がとり得る選択肢は時々刻々と減っている。
危機は非連続的に起こるし、現在の欧州と同じように長く続くだろう。S&Pは、1月31日に「2015年以降、G20の一部の参加国の格付けが引き下げられる可能性がある」とし、特に「高齢者人口の増加が社会保障制度を圧迫している中、欧米諸国や日本といった先進国は、恐らく40年以内に更なる財政危機に直面するだろう」と発表した。”日本を名指しで警告”といった報道もあったが、同社は既に日本の国債格付けを、”(こうした財政問題に対処する)能力が民主党には乏しい”と明記して昨年1月に引き下げ、格付け見通しをネガティブとしている。格付け見通しの意味は後程お読み頂くとして、少なくともこのままでは、次の格下げまで40年もかからないことは確かだ。
信用リスクの厄介なところは、これがダウンサイドリスクであるために、ひとつの懸念が連鎖を呼び、更に状況を悪化させるという負のスパイラルが起こりやすいことである。銀行が融資姿勢を硬化させれば、銀行の支援体制を織り込んでいる格付けは引き下げられ、債券保有者はそれを見て売りに走り、企業であれば売掛債権者も回収に回る。それを見て銀行はまた態度を硬くする。懸念の大元が国家である場合にはさらに事態は複雑化する。
既にみた政治的な思惑や枠組はもちろん、時間軸が異なることも悩ましい。国家と市場は、お互いに蜃気楼を追っているようなものである。信用リスクの低下に、格付けも含めた市場はいち早く反応する。それを受けて国家は対応策を練るが、物事が進むスピードはとてつもなく遅い(国家にしてみれば、市場のスピードが嫌というほど早い)。市場がいい加減しびれを切らした頃にやっと生煮えの方向性が出て、それでは不足だと市場はまた反応する。事態は先に進んでしまうので、それを織り込んでまた格付けが引き下がる。大きなニュースになり、生煮えの方向性は修正を余儀なくされる。修正が出た頃にはまた・・・。
信用リスクの性質と、時間軸の違いが織りなすこうした連鎖のトリガーは、本当は誰も引きたくない。格付け会社でも同じことである。ましてや、世界債務危機につながりかねない欧州への対処となればなおのことである。(ただし、誰かにトリガーをひかせて儲けたい輩は沢山いる)。
国債格付けをやめたいのが本音?
本音を言えば、格付け会社も国債格付けなどはもうやめたいのではないか。すべて勝手格付けなので儲からない上に、何をやっても叩かれる。家宅捜索までされた日にはもう勘弁してほしいという気分かもしれない。それでもなかなかやめられない。債券市場に占めるボリュームが大きく依然として投資家からの要請が強いうえに(従って情報販売料はまあ得られる)、当該国に関係する民間企業やストラクチャードファイナンスに対する格付けの基礎データともなっているからだ。
そして、格付けを付与した以上はそれをメインテナンスしなければならない。これだけの危機が起きて国家財政が明らかに悪化しているのに格下げしないというのは、格付け会社にとってはむしろ罪にあたる。
格付け会社はこの“罪”を既に一度犯している。1997年のアジア金融危機の時である。自国通貨の大幅な切り下げが契機となって信用収縮が起こり、アジア各国は深刻な経済危機に直面した。格付け会社は国債をはじめとした格付けを大幅かつ急激に下げたが、「こうした危機をなぜもっと早く予測できなかったのか」という批判を一身に浴びることになった。
(次回に続く)
このコラムについて
たかが格付け、されど格付け
企業や国の信用を「格付け」する格付け会社。2008年のリーマン・ショック後の世界金融危機では、実際は“危ない”サブプライムローンといった証券化商品に高い格付けを付与していたことから、その存在意義や信頼性に疑問符が付くようになった。一方、欧州の債務危機や日本の財政赤字問題を考える際には、格付けの動向から目を離すことはできない。このコラムでは、格付けの存在意義と役割、そして格付けの仕組みについて考える。
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著者プロフィール
松田 千恵子(まつだ・ちえこ)
首都大学東京大学院 社会科学研究科経営学専攻教授。1987年東京外国語大学外国語学部卒業。2001年仏国立ポンゼ・ショセ国際経営大学院修了。日本長期信用銀行、ムーディーズジャパンを経て、コーポレイトディレクションおよびブーズアンドカンパニーにてパートナーを務める。2006年マトリックス株式会社設立。主な著書に『格付けはなぜ下がるのかーー大倒産時代の信用リスク入門』(日経BP社)、『国債・非常事態宣言』(朝日新書)
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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34470
The Economist
欧州の立法者メルケル:後退する民主主義
2012.02.07(火)2月4日号)
財政赤字を削減するための協定は、民主主義の赤字の拡大という犠牲の上に結ばれた。
「財政赤字削減には、減税より緊縮財政を」が70%、ドイツの世論調査
ドイツのアンゲラ・メルケル首相の要請で、欧州諸国は一気に財政規律に舵を切る〔AFPBB News〕
汝、構造的財政赤字を抱えるなかれ。汝、過剰債務を解消すべし。汝、自国憲法に均衡財政規定を盛り込み、その判断を欧州司法裁判所に委ねるべし・・・。
ドイツのアンゲラ・メルケル首相が財政法を記したこの石板を打ち立てるまで、40日と40夜をわずかに上回るほどしかかからなかった。
ブリュッセルで1月末に開催された欧州連合(EU)サミットでは、欧州25カ国の首脳がこの協定を順守することを誓い、自国の経済的主権を生贄として捧げた。
しかし、欧州の子らは荒れ野で叫び声を上げる。「主よ、我々はいつまで緊縮財政に苦しまなければならないのでしょう」と。
いつまで緊縮財政に苦しまねばならないのか?
メルケル首相は政治同盟が実現すると予言する。しかし差し当たり、今後数年間は、赤字削減が唯一の正しい道だと付け加える。イタリアとスペインを見るがいい。真剣に財政改革に取り組んだ途端、市場の混乱が鎮まったではないか、と。
これに対して懐疑派は、ギリシャはどうかと反論する。EU主導の歳出削減がギリシャに景気後退と暴動をもたらし、無秩序なデフォルト(債務不履行)に一歩近づけたという指摘だ。そしてポルトガルは、デフォルトするのはギリシャだけだという考えを試している。
メルケル首相がまだ行っていないことに希望を見いだす者もいる。ユーロの救済基金拡大の是非について3月に話し合いが持たれることになったが、メルケル首相はこれを阻止しなかった。また、使われていないEUの資金の返還を求めず、成長や雇用の促進計画に流用することを認めた。
さらに、欧州中央銀行(ECB)が銀行に膨大な流動性を与えたことを批判しなかった。それでも、ユーロ共同債、そしてECBによる各国政府への融資という約束の地は、現在の政治家には決してたどり着けない場所にあるように見える。
債務危機が3年目に入った今、欧州首脳は3つの側面から圧力を受けている。各国を支払い不能状態に追い込もうとする債券市場、各国の予算や経済政策の監視権を手に入れたEUの各機関、そして隣国への干渉をためらわなくなった各国の指導者たちだ。
この3つが揃ったなら、抵抗はほぼ不可能だ。イタリアのシルビオ・ベルルスコーニ首相は、メルケル首相とフランスのニコラ・サルコジ大統領が作り笑顔で目配せし合っただけで辞任に追い込まれた。ギリシャのヨルゴス・パパンドレウ首相も「メルコジ」の圧力で交代を余儀なくされた。
社会党のエリオ・ディルポ首相が率いるベルギーの新政権も、EUによる制裁の脅威にさらされ、大事にしてきた社会政策を削らざるを得なくなった(この影響でゼネストが起き、サミットに参加する各国首脳は軍の空港からベルギー入りすることになった)。
自国の権限喪失に発言権を与えられない市民
では、市民はどうだろうか? 市民は、国家の権限喪失について、ほとんど発言権を与えられていない。どのように富を築き、分配するかを決められないような民主政治には何の意味もない。
アイルランド国民投票、リスボン条約を否決
アイルランドには、国民投票でEUの新法を否決してきた過去がある〔AFPBB News〕
にもかかわらず、財政協定の草案は、各国における国民投票、なかんずくアイルランドでの国民投票を回避するように作成された(もっとも、これは裁判所の裁定を仰ぐことになるかもしれない)。
仮に国民投票にかけられたとしても、ユーロ圏17カ国のうち12カ国が承認すれば協定は発効する。批准しない国は、2013年以降新たな救済を受けられない。
ギリシャで暴動が発生し、ほかの国でも抗議行動が起きているとはいえ、経済崩壊への恐怖は、国民の抗議行動のブレーキになっている。「景気後退局面では、好景気時より国民に犠牲を求めやすい」と、あるEU高官は話す。
イタリアとギリシャの実務家内閣はいまなお、選挙で選ばれた政党の支持に頼っている。その他の大半のEU諸国では、財政再建に信を置く傾向がある中道右派政党が政権の座にある。
しかし、このようなコンセンサスは脆く、近い将来、試練にさらされるかもしれない。ギリシャは4月に選挙を行う可能性があり、保守系野党、新民主主義党(ND)を率いるアントニス・サマラス氏が恐らく勝利する。サマラス氏は国際的な改革計画を部分的にしか支持せず、欧州首脳を激怒させている。
サマラス氏が欧州の絶対命令に背いた場合、ユーロ圏はギリシャのデフォルトを容認するだろうか?
予算監督官はナチス時代の地方長官?
フランスでは5月に大統領選挙があり、世論調査によると、財政協定の再交渉を望む社会党のフランソワ・オランド氏が勝ちそうな情勢だ。オランド氏が均衡財政規定の採用を拒否したとしても、メルケル首相が司法裁判所に提訴するとは考えにくい。
こうした圧力がドイツの現在の高圧的な態度を説明するかもしれない。サルコジ大統領の再選を支援するというメルケル首相の決断は、思慮に欠けているように思える。あるドイツ政府高官は、ギリシャの予算に拒否権を持つ「予算監督官」を置くことを要求し、ドイツはナチス時代の「地方長官」を任命しようとしているという非難を集めた。
メルケル首相はこの案を否定しているが、「監視」を強化するというメルケル案も大して変わらないかもしれない。こうしたことすべてがドイツへの反感を煽っている。
選挙で選ばれた各国政府が非民主的な欧州に押しつぶされているとする指摘もある。しかしこれは上滑りな意見だ。EUこそが民主主義の保証となっている国もある。金融市場の投機家に主権を奪われるくらいなら、自らが影響力を行使できる欧州に主権を引き渡す方がましだと考える国も多い。
それに、通貨同盟では、向こう見ずな行動を取る加盟国があれば、ほかの加盟国にも口を出す権利があるのは当然だ。さらに言うなら、結局のところ、EUやユーロに参加するかどうかは各国の選択なのだ。
民主主義は足元から生まれる
それでも、EUはほかの国際組織とは違う。EUは加盟国の国内の仕組みに深く踏み込んでいる。ユーロ圏からの離脱は難しく、極めて大きな痛みを伴う。そしてEUの意思決定は、ほとんどの人にとって非常に分かりにくい。
ユーロ圏の危機を受け、各国政府に対するEUの影響力が増している〔AFPBB News〕
欧州委員会を例に取ってみよう。欧州委員は選挙で選ばれるのでない。以前ほどEU内の権力争いに影響力を持たないかもしれないが、制裁を提言する権限をはじめ、加盟国に対する重要な力を獲得している。
確かに民主主義政府も、中央銀行家から裁判官に至るまで、様々な重要職務に独立性を与えている。それでも、欧州委員会には実務的な役割だけでなく、政治的な役割もある。
さらに、有権者に選ばれた政府を代表する欧州連合理事会(閣僚理事会)は密室で取り決めを行う傾向にある。欧州議会は到底、有権者の熱意を駆り立てる存在ではない。
国民の信任が得られなければ・・・
そのため、市民は無力感を抱いている。政府は自国で骨抜きにされているのに、有権者にはEU本部から役立たずを放り出すすべがない。これは危険なことだ。
債務を削減し、何より成長のための改革を促すには、何年にもわたる犠牲と苦痛を伴う。こうしたことは国民の強い信任があって初めて維持できる。それがなければ、各国政府もEUもいずれ信用を失うことになるだろう。
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