http://www.asyura2.com/11/hasan74/msg/821.html
Tweet |
お粗末すぎる野田“特別会計”改革!(高橋洋一氏 ZAKZAK 2012.02.01)
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120201/plt1202010835001-n1.htm
特別会計改革が24日に閣議決定された。
かつて特別会計のいわゆる「埋蔵金」を指摘し、「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律」(行革推進法)を立案、特別会計改革の道筋をつけたと自負する私から見れば、かなりシャビー(お粗末)な内容だ。
行革推進法は、小泉政権時代を象徴する法律だ。政策金融改革、独立行政法人改革、総人件費改革、国の資産及び負債改革らとともに、特別会計改革が盛り込まれていた。
そこでは、「今後5年を目途に31ある特別会計の数を2分の1から3分の1に大幅に削減する」ことも書かれているが、改革のキモは「2006年度から2010年度までの5年間で、財政の健全化に総額20兆円程度の寄与をすることを目標として定めている」ことだった。
小泉政権の時には、増税の前にやるべきことをやって、埋蔵金を掘り出し、増税をやらなかったのだ。
今回の特別会計改革には絞り出せる金額が何も出ていない。特会の数を17から11に減らすが、これは統合などの数合わせだ。国債整理基金特会、労働保険特会の埋蔵金は20兆円近くまだ残っているが、温存されている。野田政権は、官僚のいいなりで彼らの利権である埋蔵金を国民に出さずに、その代わりに増税を訴えているのだ。
しばしば、増税をいう政治家は「イヤなことを先送りせずに国民に正直な政治家である」というイメージで語る人がいるが、それは実際には官僚の“ポチ”だろう。
野田佳彦首相は政権交代の前、ほんの2年前の話だが、シロアリ退治の街頭演説をしたことは本コラムでも取り上げたし、テレビなどでも放映されたので、いまや世に広く知られるようになった。
そのシロアリとは、国家を蝕(むしば)む天下り役人で、シロアリの巣が独立行政法人だ。そしてシロアリがたかるエサが特別会計の埋蔵金だ。
民主党政権になって、シロアリ退治どころか、天下りが水面下でなされるのを放置した。その上に「現役出向」というウラ技を正面から容認し、民間企業にまで現役天下りを拡大させてしまった。独立行政法人というシロアリの巣も25日の本コラムのように手つかずだ。
特別会計というシロアリへのエサも温存されている。これではシロアリを退治させられるはずもなく、逆に大繁殖だ。
直前に出された会計検査院の報告では、一部の特別会計を除いて積立金の規模、水準について具体的に示されていないと指摘されている。せめてその対応くらいすべきだ。
同じ政府内のささいな指摘も対応せずに、財務省の増税を国民に押しつけるとは情けない。いま増税を主張する政治家は、シロアリを守り大繁盛させて、そのしわ寄せを国民に押しつける悪徳な政治家だ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。