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【1月30日 AFP】29日閉幕した世界経済フォーラム(World Economic Forum)年次総会(ダボス会議)では、ユーロ圏の債務危機問題が話題を独占した。政財界トップが危機は曲がり角を越えたと強調する一方、経済専門家の一般的見解は「事態は悪化する一方で、最悪の事態も起き得る」というものだ。
5日間のダボス会議で、ユーロ危機に最も密接に関与してきた一部の関係者らは、トンネルの出口がようやく見えてきたと主張。欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ(Mario Draghi)総裁は「目覚ましい進展があった」と称賛した。
英紙フィナンシャル・タイムズ(Financial Times、FT)は、「アルプスの静養所からの見通しは以前ほど悪くないようだ」との見出しを掲げ、ベルギー・ブリュッセル(Brussels)での首脳会談に慣れ親しんだ首脳たちの精神状態が、涼しい山の空気と汚れのない雪のおかげでましになったのではないかとの評価を下した。
■2013年に「最悪の事態」?EU解体予想も
だが、会議閉幕にあたっての専門家らの予想には、ユーロ圏崩壊、米経済停滞、急進化、イランの核開発計画をめぐる衝突などが並んだ。
米ニューヨーク大学(New York University)のヌリエル・ルービニ(Nouriel Roubini)教授(経済学)は、世界は2012年をどうにか切り抜けることができるかもしれないが、それ以降は無理だろうと述べる。「2013年は最悪の年になり得る。ユーロ圏が全面危機に陥り、米財政赤字が頂点に達し、投資破たんが起き、中国経済もハードランディングするかもしれない」
米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)のコラムニスト、トーマス・フリードマン(Thomas Friedman)氏も、同様の暗い見通しを示し、「私たちが来年ダボスに戻ってくる頃には、穴はますます深くなっているだろう」と語った。
フリードマン氏はグローバル化について、世界の片隅で起きた問題が全世界に影響することだと指摘する。「世界をテーブルとみなし、その4本の脚を米経済、欧州連合(EU)、アラブ世界、中国・インドだと考えたとき、現在4本の脚全てが揺らいでおり、また4本がかつてないほど相互に関与し依存していることに衝撃を覚える」
一方、FT紙のコラムニスト、ギデオン・ラックマン(Gideon Rachmann)氏は、EUに対する反動が起き、極右など急進的な政党が台頭する可能性に警鐘を鳴らす。「政治の急進化が起きるだろう。ユーロ圏のみならず、EUを支える政治機構までもが解体してしまう危険性は、かなり現実味がある」
前出のNY大のルービニ教授は、17か国で作るユーロ圏の崩壊が始まるのは時間の問題だと述べ、「ユーロ圏はスロー再生の列車事故だ。ギリシャだけでなく、他の国々も破たん寸前だ」と強く警告した。(c)AFP/Chris Otton
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