http://www.asyura2.com/11/hasan74/msg/766.html
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三橋の言うように、GDP比では、まだ日本政府は大きくはないし、国民が豊かさを維持・増加させるには、実質だけでなく名目のGDPの成長が長期的に必要なのは正しく、安易な消費税増税が、それに反するのも間違いない。
しかし、そのために一時的なバラマキ減税や、旧来の官僚と政治家主導の非効率な箱モノ公共投資が効果的かと言えばそうではなく、規制緩和による民間主導で行われる国内産業構造の転換(内需産業の効率化)という長く困難な道を進むしかない
それに今後、社会保障コストの増加、エネルギー輸入の増加、産業空洞化が続き、貿易赤字が定着する可能性は高く、夢のような高度経済成長が起こる可能性は非常に低い
さらにユーロ危機が一段落して有事の日本買いが逆転したときに来る資源高騰と、厳しい円安インフレによる国債暴落(金利上昇)のリスクは高まる一方だ。
仮に日銀引き受けや政府紙幣を発行したとしても、国内に経常黒字を稼げる産業が無くなり、特に歳出の大部分を占める社会保障コストは容易には減らせないから、実質的な財政破綻(行政サービスの停止)は避けられない。
リスクを減らすにはどこかで異常な財政の赤字体質を変えざるえなくなる。
そのためには、大前や吉田が指摘するように、できるだけ早く歳出削減し、公務員の生産性を上げ、それでも不足する分を、消費税に限らず、資産課税や所得税増税などで賄うしかなくなるのも間違いない。
しかし民主党も自民党も、その政策は残念ながら、規制緩和などで実質GDPを増やし、一方では厳しい歳出削減とバランスのとれた増税によって財政再建をするというよりも、既得権者を守るために、安易に取り易いところから増税するという方向になっているようだ。
http://www.mag2.com/o/kinyukeizai/2012/0127.html
日本は「大きな政府」ではない必要なのは「増税」ではなく「増収」
三橋 貴明
今回は、日本政府の支出について有効需要(GDP)にならない所得移転にも目を向けてみたい。
政府から家計のお金が「贈与」されるタイプの所得移転系の支出は、代表的なものとして「年金」「生活保護」「減税」「失業手当」「子ども手当」「定額給付金」「農家戸別補償」などになる。社会保障や所得移転の問題を語る際に、一般の人であれば「生活保護」などが真っ先に頭に浮かぶかもしれない。あるいは、筆者は民主党の所得移転系の政策である「子ども手当」や「農家個別保障」について、「どれだけ子ども手当や農家個別保障にお金を使っても、デフレ期では政府から国民に贈与されたお金が、貯蓄に回るだけだ」と批判を展開している。
生活保護や子ども手当、農家個別保障にしても、確かにそれぞれが問題を抱えている。とはいえ、日本の社会保障における占める割合を見ると、圧倒的なシェアを持つのが実は年金と医療なのである。
【図 主要国 2008年政府の社会保障支出・社会保障以外の政府支出(対GDP比)】
各国の社会保障支出や「社会保障以外の政府支出」を対GDP比で比べると、興味深いことがわかる。実は、巷のマスコミが豪語するほど、日本はいわゆる「大きな政府」ではないのだ。
図において、なぜ政府の社会保障支出や「社会保障以外の政府支出」を名目GDPと比べるのかといえば、政府の支出の源泉が、国民の所得の合計であるGDP以外にはないためだ。対GDP比で政府支出を見ると、日本は社会保障支出が対GDP比で20.5%。これは、OECD諸国で下から11番目となる。何と、OECD平均よりも低いのだ。また、社会保障以外の以外の政府支出は16.7%であり、この値は何とOECD諸国最下位である。また、社会保障支出に「社会保障以外の政府支出」を加えた日本政府の総支出は対GDP比で37.2%と、OECD諸国では下から四番目である。
日本政府は、少なくともOECD諸国内で比べる限り、別に大きな政府でも何でもない。特に、社会保障以外の支出が最下位なわけだが、何しろ日本の公務員数が労働人口に占める割合はわずか5%で、OECD最低だ。公務員給与の支払いは、もちろん「社会保障以外の支出」になる。たとえば、アメリカは社会保障の支出が16.9%と、日本よりも低い。それに対し、社会保障以外の支出は23.4%と、OECD諸国では上から7番目だ。すなわち、アメリカ政府は国民に対する社会福祉の支出が相対的に小さく、同時に社会福祉以外に多大なお金を支払っているのである。 理由は言うまでもないが、世界最大の軍事支出になる。社会保障が小さい代わりに、軍事費が大きく、アメリカ政府の総支出対GDP比率は日本よりも大きくなっているのだ。(それでも38.9%と、日本より一つ順位が高いだけなのだが)
それに対し、日本は社会保障支出についてはアメリカよりも対GDP比で大きいが、防衛費にお金をそれほど使っていない。さらに、公務員の数が少なく、公共事業を削減しまくっているわけであるから、政府の総支出対GDP比率はOECD諸国の中で下から数えた方が早い状況になっていても、むしろ当然だ。
日本の評論家は、やたら「スウェーデン・モデル」を礼賛することが多い。スウェーデンの場合は、社会保障支出が対GDP比で27.9%、それ以外の支出対GDP比が23.8%と、共に日本よりも高くなっている。結果、スウェーデン政府の総支出対GDP比は51%を上回り、OECD諸国で上から四番目だ。
スウェーデンの政府の支出は、何とGDPの半分を超えているのである。「スウェーデンモデル」を絶賛する人は、要するに日本政府に、「もっと政府を大きくしろ!」と主張しているも同然というわけだ。
ところで、日本の社会保障支出は対GDP比で20%と、金額ベースだと100兆円規模になっている。この内訳はどうなっているだろうか。平成23年度予算編成時の数値を見ると、年金が53.2兆円、医療が32.1兆円と、この二つでおおよそ八割を占める。上記の金額を見る際に注意しなければならないのは、年金の53.2兆円とは代表的な「所得移転」であり、政府がお金を支払っても、それ自体にGDPの拡大効果はないという点だ。無論、年金を受け取った高齢者がお金を消費などに使えば、日本のGDPは拡大するわけだが。
所得移転である年金に対し、医療費の政府負担分はGDPの「政府最終消費支出」という需要項目の一部だ。政府が医療費の負担分を支払うとき、必ず国民の「誰か」が医療サービスを受けている。すなわち、国民が医療サービスを受けた場合、GDPは国民の自己負担分だけ「民間最終消費支出」が、政府負担分として「政府最終消費支出」という需要項目が増えることになる。
今後、日本の高齢化が進むに従い、年金や医療費の支払いは増えていくことが予想される。そのために「消費税を上げよう」と、財務省などは主張しているわけだが、税金の原資たる名目GDPが増えていかない限り、結局のところ政府は減収になってしまう。政府が減収になると、長期的に年金や医療の維持が困難になっていく。(ここでいう政府の税収は、年金保険料支払いなど、国民の社会保障費の支払いを含む)
筆者としては、政府の「増収」により、将来的にも年金や医療費の支払いを維持しようという発想自体に反対するわけではない。とはいえ、年金や医療の維持のために必要なのは、あくまで「増収」であり、「増税」ではないのだ。
http://www.cool-knowledge.com/ 吉田繁治
「国家」とは何か?
【国家は官僚機構】
まず「国家」です。国家は、国と混同されますが、国ではない。
国は5000万の世帯と255万の企業、そして政府からなります。
政府が国家です。世帯や企業は、住所が国家に属しても、国家では
ない。
たとえば国会議事堂や県庁は、国家(=政府:法人の一種)の不動
産であり、世帯や企業のものではない。所得の20%の税金を、30年
間払ってきたから権利があると県庁に申し入れても、その所有権は
ない。
税金をいくら払っても、(決して欲しくて言うのではありません
が)菓子折も贈ってきませんね。かつて、日銀からは「短観」のア
ンケートに協力すると、三越の菓子折が贈ってきました(笑)。
言いたいのは、国民の納税に対する、公務員からの感謝の心です。
これがあれば、権益を拡張したムダな支出はしないはずですが、ま
るで欠落しています。東電に見える、発電コストが上がれば、電力
費を上げるのが当然とするのと同じ思考法です。明治政府は、納税
に対し、褒賞していました。
政府は、中央政府と自治体、独立行政法人であり、人員数は約400
万人です。民間の平均より手厚い退職金、年金、福祉、給料を含む
総人件費は40兆円で、1人平均で1000万円/年です。
国家は、国と地方の、代議士を含む公務員と準公務員の組織です。
つまり、政治・官僚機構が国家です。公務員は、名目上は国民のた
めという公務を行います。「公僕」の概念がこれです。(注)公務
員改革では、公僕の概念を明らかにした上で、仕事をすべきと考え
ます。
【公務の本来】
公務とは、国民や法人のための事務です。顧客満足(=顧客に奉仕
すること)という概念が、必要な商品生産は行いません。税の分配
と公務です。「国民満足」という概念がないため、抜きがたくなる
のが、省庁の権益と立場の、拡張の傾向です。統治と考えているか
らでしょう。統治の範囲を拡大すれば、立場は高くなるからです。
企業は、商品販売の増加を果たすために顧客満足を目的にしている
ので、品質の上昇とコストダウンで、他社に劣れば、つぶれます。
しかし独占企業の東電を見ると、経営法で、まるで政府と同じにな
っていました。
政府の公務も独占です。たとえば年金も、民間の年金会社と、政府
年金を競うようにしておけばよかったのです。国民は、政府年金か
民間年金を選択できる、あるいは年金をかけない選択もあるとすれ
ばいい。(注)当然に、政府からの補助金も当分に与えねばならな
い。
剰余金はあっても、他社より高品質でコストダウンした結果生じる
利益という概念がないので、経営(マネジメント)という概念もな
い。非営利企業も、ビジョンとマネジメントが必要ですが・・・国
民の統治(ガバナンス)ではダメです。
民主国家では、国民は、何かにつけ、公共事業と政府支出の増加を、
そして企業と世帯が補助金を要請するため、財政赤字は恒常化する
ことが多い。非民主国(独裁国)でも同じです。独裁国は、支配者
の奢侈、不正、汚職、及び軍事費の増大を原因につぶれます。
▼時代
武力または財政破産で政府が倒れることを、「時代」が変わると言
いますが、徳川幕府(封建の独裁政権)が倒れたのも、財政赤字で
軍事費がまかなえなかったこと原因です。幕府は、金の含有を減ら
す改鋳を行っていました。
過去、世界中で、政府(国家)は幾度も倒れています。民主国では、
政権交替という形をとるので、「時代変化」に見えないだけです。
崩壊したソ連、そして北朝鮮、中国を想えば、これが分かるでしょ
うか。国家は、民主社会では曖昧になっていますが、国民の統治
(ガバナンス)を行う、人為的な組織体です。
1989年のソ連の崩壊は、インフレつまり、政府赤字をまかなうため
のルーブルの増発しすぎが続き、公務員(共産主義では全員が公務
員)の年金の価値、つまり購買力が無効になったことが原因でした。
他国からの侵略や戦争で、滅ぼされたのではない。自滅したのです。
崩壊したのはソ連政府であり、国民経済ではない。
【公務の大きさ】
国民所得(概略で言えば、世帯所得+企業所得)に対する、日本の
国家による公務の割合は、金額で言えば40.6%と大きくなってい
ます(2008年:財務省)。 今後も、高齢化でますます大きくなる。
このため、つぶれるのです。
http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/020_2.htm
▼国家破産
国家破産とは、公務を行う行政機構の赤字が大きくなって累積し
(現在、約1000兆円の負債)、国民(金融機関、企業、世帯)が、
政府の借用証である国債を、低い金利ではファイナンス(購入)し
なくなることです。国家破産は、政府ではなく、株式市場に似てい
る債券市場が決めます。
(注)なお、企業は、自然人でないので選挙権と生存権はありませ
んが、財(不動産、マネー、商品)の所有権はもつ法的な人格を認
められた国民です。従って、法人には納税の義務があります。
もっと言えば、企業や世帯が国債を買うことは少ないため、金融機
関に勤める債券のディーラーやクォンツが決めます。更に言えば、
ヘッジファンドが先行する、国債の先物売り、オプション売り、ま
たはCDSの料率高騰で決めます。
(注)日本の国家財政は、負債が1000兆円と大きいため、現在1%
付近の長期金利が、2ポイントあがって、3%になると破産します。
ほぼ50歳以下の方に訊ねると、ほとんどの人は、その約束額(名目
ではなく実質金額)と支給開始時期を期待していないと言う公的年
金は、保険会社のような事務を、国家が行っています。これは、民
間保険会社でも、行えることです。他を言えば、医療保険は日本で
は国家ですが、米国では約1000社の民間です。
「国家破産」と言うと、国民経済が、何もかも終わりになるような
イメージで語られますが、それは、誤りです。公務の、いまの状態
が終わりになる。国民経済は、続きます。
国家破産とは、政府が、約束した支出、あるいは払わねばならない
金利、負債の満期償還ができなくなり(これをデフォルトと言う)、
公務を、ほぼ30%(100万人)は縮小せねばならないことです。こ
れが国家のリストラです。
財政破産の過程では(数年間)、ギリシアやスペインのような混乱
が起こりますが、数十年単位の長期で言えば、公務の割合の縮小
(国家のリストラ)ですから、いいことにも思えます。
この時、金融資産は、「ご破算で願いまして・・・」の感じです。
妙なコトバですが、「戦後の幕府体制」が終わります。
ただし、国家破産は、国民にとっての副作用があります。
金利の高騰と金融資産の価値の低下です。
平均的に言えば、金融資産をもつのは、所得が増える時代を経験し
た50歳以上です。1990年に勤務し始めてから約20年、給料がごくわ
ずかしか上がっていない40歳以下の人達には、負債(住宅ローン)
を上回る金融資産はない。このため、40歳に以下にとっては、金融
資産の価値が下がるのは、いいことです。
40歳以下は、自分たちには戻ってこない年金と医療費の掛け金で、
65歳以上の高齢者を支えています。「おあいこ」と言っていい。
40歳以下の人々の、高齢者に所得移転する負担は、実に、忍びない。
給料も増えず、社会福祉の負担は増え、非正規雇用から正社員に登
れない40%の人は結婚すらままならない。「希望」がないのです。
▼偏った金融資産
以下は、世代別の負債を引いた純金融資産です(プラスが純額)。
50代以上の世代は、金融資産(預金)の保有のリスクが大きい。
40代以下は、住宅ローン負債が固定金利なら、資産インフレで利益
を得ます。
・20代以下 + 66万円(ローン負債285万円)
・30代 − 45万円(ローン負債754万円)
・40代 + 223万円(ローン負債935万円)
・50代 +1127万円(ローン負債602万円)
・60代 +2127万円(ローン負債252万円)
・70代以上 +2401万円(ローン負債116万円):(総務省)
米国は30代、40代の金融資産も多い(若い富裕者がいる)のですが、
日本の金融資産は、高齢者に偏っています。
国民の立場から言えば、
(1)増税(消費税では25%が必要)として負担するか、
→これは物価の20%高騰になります、
(2)財政破産が必ず招く、国債の価格下落と金利の高騰として負
担するか、
(3)日銀が、売れない国債を買い、明確に円を増刷し始めると、
その2年後には起こる数10%の物価と資産のインフレで負担するか、
の違いです。このときは、50%近い円安(輸入物価の高騰)も同時
です。
いずれにせよ、負担せねばならない。どれがいいかです。
以上、普通は分かりにくい「国家」についてです。
【わかりにくい国家】
なぜ「国家」が分かりにくくなっているのか? 教育では、これを
教えないからです。共産主義が台頭した19世紀は多かったのですが、
近年はめぼしい本もない。このため、人々も「国家」を問うことが
ない。国家を問わないから、政治家と公務員が行う「公務」の概念
も分からない。
ジャーリズムは、本来、国民の立場から政治と公務を問い、提案す
べきですが、果たしていません。ジャーナリズムは、二つから生ま
れています。一つは、社会(民)の、普通の人は経験することが少
ない事件、スキャンダル、不正、犯罪を報じること。もう一つは、
国家と公務を批判的に問うことです。
国家が何かを明らかにしていないため国家破産というと、国が終わ
りになるような怖いイメージになっています。
企業と世帯は、国家とともには、終わりません。徳川幕府がつぶれ
た後、職を失ったのは、幕府と大名が雇っていた武士階級でした。
いまは武士ではありませんが、公務員がそれに該当します。
国家破産は、公務員機構の、金融的な破産です。国の財政が破れて、
山河、設備、企業、世帯在りです。国家破産は、愛されていた命を
奪い、慈しんできた街や家を壊滅させる大津波とは違います。
国家破産は、政府のお金の問題です。国民所得の40%にもなった公
務を縮小せよという、債券市場からの警告を無視するから破産しま
す。国家破産で皆が困ると言い(そのようにイメージさせ)、公務
を拡大し、大増税に向かう政府は、糾弾せねばならないと考えてい
ます。
以上で、拙著『国家破産』が、楽観論であることが分かるでしょう。
国家破産の章は、1章のみです。
次の「番外号」でも、全9章を、順次、要約します。
要約が余りも長くならないようにします。
再度言います。自薦で、すこし恥ずかしい。しかし、強く、お奨め
です。政治を奉仕に、公務を公僕に、つまり国民に奉仕するための
ものに変えるための、世論にしたいという想いもあります。
何事でも、必要なのは「知識」です。知識は、事象を見極める力で
す。拙著は、それを提供することを目的に書いたものです。強く奨
める理由がこれです。
『国家破産:これから世界で起こること、ただちに日本がすべきこ
と』
アマゾン、楽天、紀伊国屋web等と、街の書店です。
アマゾンが、在庫と販売数が最も多いので、便利でしょう。お陰様
で、読者評価(まだ6つですが)は、全部が星5つで高い。既にお読
みになった方には、評価や感想もアマゾンに書いていただくと、あ
りがたいです。
アマゾンは、双方向です。これがあるので、受けたのでしょう。2
位のネット書店(楽天)の、5倍以上の売上の、1275億円です(09
年)。書籍だけなら、たぶん10倍以上と推計します。配送は翌日で
す。
http://www.1book.co.jp/003743.html
http://www.amazon.co.jp/
検索で、国家破産、または吉田繁治と入れると出てきます。
高い中古本を買ってしまった方々に、増刷の遅れを、お詫びします。
See you soon!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【ビジネス知識源アンケート:感想は自由な内容で。以下は、項目
の目処です。】
1.内容は、興味がもてますか?
2.理解は進みましたか?
3.疑問点、ご意見はありますか?
4.その他、感想、希望テーマ等
5.差し支えない範囲であなたの横顔情報があると、今後のテーマ
と記述の際、より的確に書くための参考になります。
コピーして、メールに貼りつけ記入の上、気軽に送信してください。
感想やご意見は、励みと参考になり、うれしく読んでいます。時間
の関係で、返事や回答ができないときも全部を読みます。時には繰
り返し読みます。
【著者へのひとことメール、及び読者アンケートの送信先】
yoshida@cool-knowledge.com
■最近の有料版のテーマと目次
<573号:1929年〜33年の世界恐慌を振り返れば、
将来が見える(1)>
2012年1月18日号
【目次】
1.国債のファイナンスの問題
2.銀行損失は、2年後では、未確定のまま過ごされる
3.ユーロと、日本の違い
4.欧州の政府負債と財政赤字(GDP比:2010年)
5.欧州は、平均でGDP比10%の国債の新規発行がある
6.PIIGSの対外債務と、1年に70兆円(推計)の、対外返済
7.ギリシア国債のヘアカットは、50%では足りないと言われ始め
た
8.1929年からの世界恐慌の推移
【後記:3題】
<574号:増刊+正刊:
世界恐慌を振り返れば、将来が見える(2)>
2012年1月25日号
1.1210兆円の、不良債券の根雪の上を、中央銀行と政府マネーの
500兆円が覆っているのが現在
2.日銀が集計した、日米欧の資金循環表
3.米欧の金融機関に必要な、自己資本額の計算のために
4.日本、米国、ユーロの官民の金融資産合計は、1京2919兆円
5.1929〜1933年の大恐慌のときは、どうだったか?
【後記:外人の日本国債買い】
http://www.ohmae.biz/koblog/viewpoint/index.php
┏━■〜大前研一ニュースの視点〜
┃1┃ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┗━┛ 『日本国債〜明日ではなく今日かもしれない暴落の瞬間』
――――――――――――――――――――――――――――――――――
欧州財政
ハンガリーに新法修正求め法的手続き
国内財政
フランス格下げに危機感
-------------------------------------------------------------
▼中央銀行人事への政治介入は、日本でも行われている
-------------------------------------------------------------
欧州連合(EU)の欧州委員会は17日、ハンガリーが今月から施行した新法が
EU法に違反するとして、修正を求める法的手続きを開始しました。
ハンガリーは新法で、政府が中央銀行や情報保護を監督する組織の人事などに
介入できるようにしており、ハンガリーが1カ月以内に修正などをしない場合、
EU司法裁判所への提訴を検討するとしています。
ハンガリーのオルバン首相は「憲法で定めたとはいっても、EUの意志に
沿って今後内容を変更することは可能」という弁明をしましたが、
EUは制裁に踏み切る決断を下しました。
権力者が中央銀行の独立性を左右する人事権に影響を与え得るというのは、
確かに良くないことです。しかし実際には、日本でも中央銀行の人事に
政治が介入していると指摘されれば、否定できないでしょう。
最近の日銀総裁の人事でも、2008年福井氏の任期満了が迫ったとき、
後任として自民党が推していた武藤氏は有力候補でしたが、
民主党の反対に合い、結果として現在の白川氏が日銀総裁に選ばれました。
これは「政治的介入」以外の何物でもないでしょう。
今、白川氏の任期満了が迫り、再び武藤氏の名前が挙がってきています。
財務省は武藤氏への思い入れが強く、東証と大証が合併した暁には
そのトップのポストを武藤氏に、という話まで出ているそうです。
白川氏が任期満了する頃には、日本経済はさらに厳しい状況に
追い込まれているでしょうから、その意味でも武藤氏に任せよう
という気持ちも強いのかも知れません。
いずれにせよ、日本はハンガリーのことを強く批判できる立場になく、
日銀総裁の人事に関して完全に政治的な影響力が働いていると言えるでしょう。
ハンガリーの財政収支の推移を見ると、120億ドル規模の民間年金基金の
実質国有化などにより2011年だけEUの財政規律である「対GDP比マイナス3%」を
クリアしていますが、結局は再びマイナス3%という基準を割りこんでいます。
こうしたハンガリー政府の姿勢は、欧州委員会からEUからの補助金供給停止
などの制裁をEUで初めて受けることになりました。
また、「中央銀行総裁の中立性に問題がある」という点についても、
改善がない場合、欧州委員会は欧州司法裁判所に提訴する構えです。
-------------------------------------------------------------
▼日本に余裕はなし。明日は我が身ではなく、今日は我が身だ
-------------------------------------------------------------
安住財務大臣は、15日、ユーロ圏9か国の国債の格付けを一斉に引き下げた
ことに対し「財政再建の姿勢を示さなければあすはわが身だ」と述べ、
強い危機感を示しました。
ユーロ圏主要国のソブリン(外貨建て)格付けを見ると、フランス、
オーストリアが「AAA」から「AA」に、キプロス、ポルトガルは「BB」に
格下げされています。
ポルトガルの場合、さらに下がってギリシャと同じ「CC」になるのでは?
と言われており、その場合にはほぼジャンク債となってしまうでしょう。
フランスが「AA」に格下げされ、サルコジ大統領の再選に赤信号
と言われるほどショックを受けているわけですが、
日本はずっと「AA」に位置しています。
しかも、フランスが「AA(+)」に対して、日本は「AA(−)」という
ネガティブ評価です。
安住財務大臣は「明日は我が身」と言っていますが、
明日でなく「今日は我が身」というのが実態です。
内閣府の試算によると、税収の減少などで2015年度の基礎的財政収支
の赤字は17兆〜18兆円程度になる見通しで、昨年掲げた目標である
財政赤字対GDP比3.0%どころか、長期的には3.5%ですら守ることは難しい
ということです。
EUから非難を受けているハンガリーでさえ、対GDP比の財政赤字が
マイナス3.0%ほどで、今後新しいユーロでは基準値をマイナス1.0%に
しようという動きも出てきています。
その中でこの数字というのは、日本の極めて悪い状況を露呈している
と言わざるを得ないでしょう。フランス国債の格下げの影響は、
「次は日本」と目が向いてしまうという意味で、
日本にとってはかなり重大な事項と認識するべきだと思います。
日本の財政赤字を解消するための方法として、私は
「大胆な歳出減と増税で日本国債の暴落を防ぐべき」だと主張してきました。
日本国債の暴落を防ぐために、万一の際には95%の国債を保有している
国内金融機関に、日本国債を売り浴びせないように協力を要請するのはどうか?
という意見があります。私はもうこの方法では対処できないと思います。
わずか5%とはいえ、外国人機関投資家が保有している金額は
約60兆円になります。これだけの金額が売り浴びせられたら、
それだけで日本国債は暴落するでしょう。
また日本の国内金融機関にしても本当に日本国債がジャンク債に
なってしまったら、例えば生命保険会社は組み換えを迫られますから、
何が何でも手放さないというのは難しいと思います。
ですから基本的には、日本国債が暴落しないように今から手を打つべきで、
それが「大胆な歳出減と増税で日本国債の暴落を防ぐべき」です。
日本のプライマリーバランスが均衡するためには40兆円のギャップがあります。
これを埋める「決意」が必要です。
そのためには消費税は最低でも「+8%」で「13%」に上げざるを得ない
でしょうし、20兆円規模のコストカットとなると、国家公務員や学校の先生
などの数を25%くらいカットする必要が出てくると思います。
最低でもこのくらい厳しい政策を取らなければマーケットは
納得してくれないと私は思います。
==========================================================
この大前研一のメッセージは1月22日にBBT757chで放映された
大前研一ライブの内容を抜粋・編集し、本メールマガジン向けに
再構成しております。
==========================================================
-------------------------------------------------------------
▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか。
-------------------------------------------------------------
日に日に高まる日本国債暴落への不安。
この国債の暴落有無については様々な考え方があり、
日本国債は暴落などないと主張している方もいるそうです。
しかし私たちが考えなければならないのは、その瞬間が起きて
しまった場合を想定しての備え。
どうなるのか、それは誰にもわかりませんが、その時を悠長に
待っている余裕はありません。
誰しも経験したことのないことについて、論理的に考えて一つの解を
導く力、それが問題解決力。
自分の身は自分で守る、その為に未来を読み、どうすればよいかを
考える力を身につける時が今なのではないでしょうか。
大前研一ニュースの視点Facebookページ開設しました!
「いいね!」押してね。→ http://vil.forcast.jp/c/apdKa8gakX4A5Oab
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