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http://www.bllackz.com/2012/01/2012.html
2011年12月1日、ゴールドマン・サックスは「石油価格が今後2008年以来の高値をつける可能性がある」との見方を示した。
そして、2012年1月9日にも、「2012年は石油を買え」とゴールドマン・サックスは再び投資家・投機家に言っている。
これはインターナショナル・ビジネス・タイムスが報じているもので、「中国の成長は石油に対する需要を上昇させる可能性が高い」とゴールドマン・サックスはいう。
****もっともショッキングなシナリオ
ゴールドマン・サックスは原油価格の上昇をイランとはまったく結びつけていない。
しかし、フランスのソシエテ・ジェネラルは逆にイラン情勢を理由にして、もしホルムズ海峡で混乱が生じた場合は、原油先物相場は1バレル200ドルまで上昇するという見方をしている。
イランを巡る世界情勢は徐々に緊迫しているのは間違いない。2011年はチュニジア・エジプト・リビア・イエメンと、アラブ諸国が次々と激変に入っていった。その流れは今年に入ってもまだ続いている。2012年はシリアとイランが政権崩壊して国家大混乱に見舞われるのではないかと言われている。
米国と激しい対立を見せているイランが追い詰められて暴発して行ったとき、もっともショッキングなシナリオは、イスラエルやNATOを巻き込んだ戦争に発展していくことだ。
****戦争の次に悪いのは、石油ショック
それを避けるために欧米諸国はイランのウラン濃縮施設の稼働を非難して、即時停止を求めているが、イランは断固拒否の姿勢を崩していない。
「すべての政府機関が断固としてこの原則を守り、脅しに屈することはない」
アメリカはこれを「深刻な脅威である」「核兵器製造を意図したもの」として、EUと足並みを合わせて経済制裁のレベルを引き上げてイランを孤立させようとしている。
しかし、イランのほうは経済封鎖が限度を超えるなら、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡を封鎖すると宣言している。
核戦争が起こる最悪の事態の次に悪いのは、実際にホルムズ海峡が封鎖されて、石油ショックが全世界に波及していくことである。
そうなれば、一気に石油の価格が暴騰してインフレが到来し、全世界の経済システムが麻痺してしまうだろう。デモ・暴動・略奪・政治的混乱が起きるのも間違いない。全世界がそうなった場合、そのインパクトはユーロ圏の問題どころではなくなる。
こういった事態を見越して、ソジェンやピムコが「2012年は石油だ」と言っているのである。
石油は古臭いビジネスではない。現代文明は石油が支えているのであり、石油が一滴も入らなくなった瞬間に文明は完全に崩壊する。
石油の時代は続いており、石油の重要性はこれからも数十年に渡ってなくなることはない。(脱石油の時代はない。人類は石油と心中しなければならない)
****石油を巡って大きな混乱が起きる可能性
イランは核開発をあきらめることは絶対にない。しかし、アメリカ・イスラエルはイランが核兵器を持つ前にそれを辞めさせたい。
ただ、時間が経てば経つほどイランの核兵器製造は進んでいくから、もし欧米がイランに核兵器を持たせたくないと本気で思っているのであれば、経済封鎖をさらに強化していくことは間違いない。
経済封鎖がより進んでいけば、どうなるのか。
イランの国内情勢・国内経済は極端に悪化していく。そうすると、国民が一気に不満分子になっていく。
そうすると、いつもの例で、イラン政府は不満分子の怒りの矛先を外部に向けて「こうなった責任は欧米だ」と喧伝していくことになる。イランの暴発の可能性はどんどん高まっていく。
今、イランのホルムズ海峡封鎖は脅しにしか過ぎないかもしれない。しかし、事態が悪化していくと、イランは本気でホルムズ海峡を封鎖してくる。あるいは、かなり封鎖に近い行動を起こして来る。
しかし、どう転んだにせよ、石油が2012年のキーワードになっていく確率は高い。
名うてのヘッジファンドが「石油に焦点を絞った」のは、こういった情勢を利用して世界中の資金を石油に嵌め込みさせる罠だという見方もできる。
逆に、石油というコモディティで投機するチャンスだという見方もできる。
どの見方を取るのかは立場によって違うだろう。しかし、いずれにせよ言えるのは、石油がクローズアップされるのが2012年であり、場合によっては石油を巡って大きな混乱が起きる可能性もあるということだ。
石油には注意を払ったほうがいい
ただ、考えなければならない点は、もはやアメリカには大規模な戦争をするためのカネがないことだ。
もしイランをターゲットにした戦争が始まると、アメリカそのものが経済的な疲弊で自壊してしまう可能性も高い。これはNATOにも同じことが言える。
また、イランの石油に頼っているのが中国で、中国は全面的に欧米とイランの激突に反対する。これは兵器産業でイランと結びついているロシアも同じだ。
ではイスラエルが単独でイラン攻撃をすることができるのかと言えば、それも無理だ。チュニジア・リビア・エジプトが混乱して次に出てくる政権は民主主義政権ではなく、イスラム主義政権の可能性も高い。
イスラエルがイランと戦争を起こした瞬間に、イスラエルは周辺国すべてを敵に回していく。
アメリカも、欧州も、イスラエルも戦争で動けないのであれば、今起きているイラン情勢は、戦争に結びつく可能性は低いという見方もできる。
だから、イランが核兵器製造をしていて欧米が断固としてそれを阻止したいと考えていたとしても、それがすなわち「戦争の道」を示しているものではないという見方も説得力があるものなのである。
だから、多くの国際マスコミの見方が割れていて、戦争が起きるとも起きないとも言いたがらない。分からないからである。
★興味深いのは、この「分からない」という状況をもっとも愛するのが投機屋ヘッジファンドであるということだ。
事態が長引けば長引くほど、石油危機を煽って投機家を寄せつけて石油価格を釣り上げることができるようになるからだ。
「2012年は石油を買え」とゴールドマン・サックス以下、多くのヘッジファンドが言っている。石油には、注意を払っておいたほうがいい。
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■ゴールド6000ドル説がキタ〜
http://blogos.com/article/30219/
ゴールドは現在1オンス1660ドル前後となっています。直近のピーク(約1900)からは10%以上下落しています。
ゴールド・バブルの終わりの始まりという見方と、押し目という見方がありますが、ここにきてゴールド6000ドルがあり得るという言説を見かけました。
★ニューヨークダウ÷ゴールドの倍率(ダウ・ゴールドレシオ)は、かつて1930年代の金融恐慌時は約2.1倍、1980年のオイルショック・インフレ懸念期に約 1.3倍まで下落したことがあります。それを根拠に「NYダウ12,000ドル前後でゴールド6000ドルが試算される」と述べられていました。
★確かに中東情勢は緊迫しており、欧州情勢もまだまだ予断が許さないかもしれません。ECBもFedも大規模な量的緩和を続ける可能性が高く、世界的な金融緩和の流れもゴールドに追い風かもしれません。
しかし、こういう極端な言説が出てくると身構えたくなります。思い出したのは、ゴールドマンサックスが2008年に出した「原油200ドル」という予測です。
こうした予測にビビッてデリバディブを購入して、原油価格の上昇に備えようとした投資家は、その後の原油価格の大暴落で、手痛い損失を被りました。
★当時ゴールドマンサックスは、対外的には原油高を声高に主張していましたが、自社のトレーディングでは原油をかなりショート(売り)していたのが後に判明しました。
「たとえどんなに立派でも、特定の利害関係がある市場参加者の過激な予測を安直に信じるのはリスキー」というのは、2008年に得られた教訓です。
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