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人財務相が「あとから振り返れば歴史に残るような節目の国会になると思う」と述べた通常国会を控え、23日の日本経済新聞の紙面は、「公正・公平性」を忘れた、「増税」と「TPP促進」の広報誌と化したかのようであった。
なかでも、「谷垣氏の君子豹変をみたい」という社説は、その内容も、論理展開も、日本を代表する経済紙とは思えない情けないものだった。
この社説の〆の文章は「野田佳彦首相は先に『君子豹変す』と宣言した。谷垣氏には対決一辺倒ではなく、社会保障と税の一体改革などできちんと責任を果たしたうえで、選挙に臨むという大局的な判断をしてもらいたい。谷垣氏も君子豹変するときだ」というもの。
この社説は、野田総理が野党に対する対応を「対話から恫喝へ」「君子豹変」する意向を示したことを念頭に書かれている。
自民党を始め野党に対する対応を「対話から恫喝へ」と「君子豹変」させた野田総理に対して、自民党は「君子豹変」して対話に応じるべきだとする主張は、自民党に「恫喝に屈しろ」と言っているようなもの。「対決一辺倒ではなく」というが、その原因を作ったのは、「対話から恫喝へ」と「君子豹変」した野田総理自身ではないのだろうか。
要するに日本経済新聞は、自民党は「君子豹変」して民主党との協議に応じ、「自民党は自民党のマニフェスト通り消費増税に応じろ」と迫っているということ。とても日本を代表する経済紙の主張とは思えない内容。
日本経済新聞が日本を代表する経済紙を自負するならば、野田総理の野党に対する対応が「豹変」したことよりも、マニフェストに対する態度が「豹変」したことを重要視するべきである
国民の間で問題視されているのは、2009年衆院選のときに行った消費増税ついての野田首相の「街頭演説」である。
「マニフェスト、イギリスで始まりましたルールがあるんです。書いてあることは命がけで実行する。書いてないことはやらないんです。それがルール」とお得意の「街頭演説」で力説していた野田総理。
その総理はいまや「2009年の衆院選マニフェストで『消費税を上げない』と書いてあるわけではない。民主党代表選でも明確に言っている。完全にマニフェスト違反というのはどうか」と、マニフェストに対する態度は「尊重から軽視へ」と「君子豹変」。
マニフェストに対する態度を「尊重から軽視へ」と「君子豹変」させた野田総理の「恫喝」に応じ、自民党に対して「君子豹変」して民主党との協議に応じ、自民党のマニフェストを遵守して消費増税に賛成しろ、と主張する日本を代表する経済紙。自らの主張に沿う形で「君子豹変」と「マニフェスト遵守」を使い分けるその論理展開がおかしいと気付かないのだろうか。
世論を自らの主張に都合の良い方向に誘導しようとするのは勝手だが、せめてその論理は整合性をもったものにして貰いたいものだ。「谷垣氏の君子豹変をみたい」という社説は、日本を代表する経済紙のレベルの低さと共に、日本の国語力の低下を印象付けるものでもあった。(近藤俊介)
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