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生産性上昇と利益率が高いIT系などでは大幅な人員削減と在宅化が可能だが
今後は、ITとロボットなどを組み合わせることで
スーパーや流通でも単純なレジや物品移動での省力化が可能になっていく
最終的には介護やタクシーなど、単純な肉体労働は不要になっていくだろう
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20120119/226291/?ST=print
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目指せ「社長不要の会社」最低何人いれば会社は止まらないのか、実験してみよう
会社は実験場、疑問は試してから結論づける
2012年1月23日 月曜日
津川 雅良
会社を運営していると、社内社外とも変えなければならないことがどんどん生じてきます。どう変えるのがいいのでしょうか。
考えれば分かる場合もありますが、すべてではありません。「分からないことがあれば試して結論を出す」。社員にこう言いました。
もうずいぶん前のことですが、労働基準法の改正に伴い、週40時間制に移行することにしました。仕事のやり方を変えないといけません。計算すると、直前までの週45時間制と同様の業務をこなすためには、約13%の生産性向上が不可欠です。
週40時間制の対応と同時に、日常業務の効率改善に取り組みました。アメとムチではありませんが、今のままで休みが増えると大変なことになると皆に伝え、業務の効率改善と標準化を進めました。
有給休暇取得を自由に、せきが続けば強制帰宅
並行して、社員に休んでもらわないといけません。まず「日常業務に対応できる最少人数は何人か」を求めることにしました。机上で計算しても分からないので実験あるのみです。
有休をどんどん取らせ、社員が会社に来ないようにしました。残った社員が手分けをして仕事をこなしていきます。何人か休ませてもまだ会社の業務に支障を来さないと分かったので、さらに多くの社員に休みを取らせました。
実験の結果、21人の社員のうち、7人が出社していれば仕事に支障がないことが分かりました。ただし1日半が限度です。1日半であれば3分の1の人員でも日常業務を遂行できるということです。
そこで有休休暇の取得を自由化しました。無断で休まれては困りますが、社長の私がいちいち許可していては社長不要の会社になりません。
直属の上司が休暇の取得を判断すると決めました。事前に申告し、取引先に迷惑をかけることがないと分かれば、上司は原則として受理します。
会社が「この日は休まないでくれ」と社員の休暇日を変更することはありません。社員の3分の2が同時に休んでも会社は回るからです。
有休休暇の取得を自由にさせた結果、だれかが必ず休んでいるようになりました。1週間にわたって社員全員が続けて出社する、といったことはもうありません。
昨年12月には、社員の半数が休んだ日がありましたが業務への影響は皆無でした。風邪やインフルエンザが社内で流行したり病欠が長引いたりするのは社にとってマイナスですので、せきが続く社員がいたら即刻、帰宅させます。これまた業務に影響はありません。
組織は毎年改定、昇進昇格は随時実施
当社は事業所が札幌の1カ所しかありません。転勤がないので、意図的に人を異動させないと組織が停滞してしまいます。
担当クラスから上司の不満が聞こえることがあります。その際はためらわず対応することにしました。
最良の組織を求め、組織と編成は毎年改定を検討します。実際、毎年何かを変えています。組織を変更しない場合は、席替えを命じました。
社員の役割も毎年見直します。管理職への昇進候補者には、あらかじめ何らかの管理業務を経験させます。主任を課長の上司にして、部下が上司を指導することもあります。
昇進昇格は不定期に実施することとしました。昇進と異動の判断はいつがいいでしょうか。特にルールはなく、妥当と判断した日にします。つまり常時判断しているということです。
今では組織や役割の見直しは現場でやっています。見ていて何もしないときは、前述のように席替えを指示していましたが、最近は自主的に変えているため、社長が指示するのは止めました。
計画の浸透に会議は不要
前回(「全員で経営計画発表会、社長の持ち時間は3分間」)の冒頭で、「実績は現場に従う」と書き、短期計画は現場が立案するようにしたと書きました。計画を浸透させるにはどうしたらいいでしょう。
計画の浸透度合いは社員と社員の情報交換量に比例すると考えます。社員同士が情報交換を活発にするにはどうすればよいでしょうか。
発言しやすい少人数の打ち合わせを増やし、発言しにくい大人数の会議を減らすことです。
管理職が担当者と情報交換する場合、部下を全員集めて会議を開くのではなく、1対1ないし1対2で話し合うことにしました。こうすると発言しない人がいなくなります。発言機会が増えると情報交換量も増えます。役員は管理職の席を回って状況を確認するだけで済むようになりました。
会議は曲者で、筋書きがないと着地点を見失いがちなものです。昨今は情報の有効期間が短いこともあり、会議を招集している余裕はほとんどありません。
いきなり会議を全廃することはできなかったので、まず社長の発言を禁じました。有効な発言を増やすためです。
役員会議は法律上必須のものを除いて全廃し、司会役を設けない打ち合わせに変えました。元々3人しか役員がいないのですが、皆飛び回っています。定例の役員会議を開催していたときは互いの時間調整が大変でした。
普段から役員の席を一列に並べ、稟議はその場で決済するようにしました。不在者を待っていると稟議書が停滞するので、とにかくその場で決め、不在者には事後承諾してもらいます。社長の私が不在の時も同じです。
現場の会議、役員会議をなくしたところ、全体会議という社員全員が参加する会議だけが残りました。廃止を検討しましたが、「月に1回全員が集まり、みんな元気だと伝え合うくらいは続けよう」ということになりました。
打ち合わせを10分で終える方法
今、社内では会議ではなく、少人数の打ち合わせが中心になっています。打ち合わせを頻繁にすると情報交換量が増えるのでいいことです。
とはいえ、打ち合わせの時間もそう長くは取れません。打ち合わせが10分間で終わるようにしようと色々工夫しました。
実例を紹介します。5人の関係者を集める打ち合わせを開こうとしましたが、スケジュール調整が不調で、10分程度しか時間が取れなかったときのことです。
再調整するのではなく、10分で終えようと考えました。あらかじめ関係者に資料を配布し、発言者を2名に限定したところ、 ちょうど10分で終えることができました。
以下が、「10分で終わる打ち合わせ」で実際に使った資料です。
課長打ち合わせ 概略
1.目的
今年の目標に対する実施方法、状況、スケジュール等の確認
今年上司から受けた各部活動要領の確認
両課長の管理と部下指導の方針と現状
両課長が自分の立場をどうとらえているかの確認
2.要領
両課長が岸営業本部長から受けた活動要領を確認する
両課長がどのように把握し、部下に伝えたかを確認する
活動計画と実績状況を確認する
3.部下指導
各部員への指導育成(どう育てるか、どこに重点を置くか)
何を打ち合わせているか、スケジュールはどうしているか
上司不在の時、誰が次席か(役割分担)
4.営業活動
計画の具体化状況
実績の確認
過不足の把握と対策
5.その他
上記の順序は問わない
両課長が主役、役員は聞き役
以上
年初の経営計画発表会で社員21人全員が発言し、発表会を1時間で終えたと前回書きました。これは上記のような準備のたまものだと思います。
「だと思います」と書いたのは社長の私はもう準備に立ち会っていないからです。
非営業部門も営業、今では稼ぎ頭に
あるとき営業部門から「非営業部門の人員を減らしてはどうか」という提案がありました。これを逆手に取り、人を減らすのではなく非営業部門にノルマを与えました。
得意先の中には、動き回る外勤営業より、常に社内にいる担当者と連絡するのを好む会社があります。社内にいることが多い非営業部門に対応してもらえばいいわけです。
得意先と情報交換を進めながら、社内担当者とのやり取りを望む得意先については営業部門から非営業部門に担当を移行しました。
得意先の連絡を受けて応対するのですから商品知識が必要です。非営業部門の担当者をメーカー研修会へ出席させたり、自社的な学習会を開催したりしました。
商品知識を付けてもらい、仕事に取り組んでもらった結果、今では非営業部門が当社の稼ぎ頭に成長しました。
当社は卸販売だけではなく店舗販売も手がけています。会社を変えるために始めたことですが、配送担当を含めて全員が店舗の仕事に対応します。社員全員、荷造りも配送業務も手がけられます。
採用は現場で、役員は立ち会わず
今まで採用は会社全体の仕事でした。役員面接などを経て採用し、現場に配属するわけですが、人には相性が付き物です。社長がいいと思った人が働き始めると、現場の人と合わないということが起こります。
これは経営側で解決できません。そこで4年前から現場の判断で採用できるように改めました。今の流れは次のようなものです。
採用計画は人を必要とする部署が立案する。
採用予定者の上司を決めておく。
募集手続きは会社が行なう。
上司が候補者を面接し、採用者を決定する。
面接の状況と採用予定者名を役員に報告する。
部署に任せたとしても面接に社長や役員が立ち会うとなると大変です。あらかじめ面接の要点を現場に伝え、役員の立ち会いは不要としました。
さすがに当初は失敗もありました。それでも相性を確認した上での採用ですから、相互のコミュニケーションが募集段階から形成できます。採用後の人的トラブルも解消しました。
この方法には問題があります。新入社員と社長の私が会えるのが入社当日になってしまうことです。それでも現状から考えると、問題を補って余りあるやり方だと感じています。
実験失敗なら実施しない
会社は実験場であり、疑問は試して結論づけるべきと考え、以上のような取り組みを続けています。無論、実験や改変の目的、効果、期間などをよく検討してから実施しています。
実験と検討の結果、実施に踏み切らなかった施策もあります。能力給が話題になったころ、「制度が必要」との声が上がりました。評価制度についてはいったん決定してしまうと後から変更は難しいと考え、1年間の試用期間を設けました。
結果として、評価のバラツキが生じ、解決するうまい方法を見いだせませんでした。例えば、画期的な企画を出した社員がいたとします。実現まで時間を要するので、その年だけで評価できません。思いもよらない発案は会社にとって貴重ですが、実績として評価できないことになります。
結局、試用期間を終えた段階で、制度変更は見送りました。
◇ ◇ ◇
弊社のような零細企業は仕事のやり方、組織を変え続けない限り、生き残っていけません。常に何かを変えることを考え、現場が計画を立て、実験した上で実施する。会議ではなく短時間の少人数による打ち合わせを中心として、計画や方針を浸透させる。昇進昇格は随時、採用は現場に任せるなどして組織や人、仕事の流動化を進める。これらを徹底することが、社長不要の会社への道だと考えています。
このコラムについて
目指せ「社長不要の会社」
中小企業の経営にコンピューターをどのように利用すればよいのでしょうか。北海道で問屋を営む現役社長が経営の悩みとコンピュータ利用の悩みを語り、読者の皆様と考えていきます。著者は30代の時オフィスコンピューター販売会社に出向しプログラマーとSE(システムエンジニア)を務めたユニークな経歴を持っています。
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著者プロフィール
津川 雅良(つがわ・まさよし)
1977年山田照明入社。1981年北海道佐々木商会入社、店舗配属。1984年メルコムビジネス出向、プログラマに従事。1985年2月7日三菱電機システム設計(オフコンコース)認定取得、1991年までSE(システムエンジニア)に従事。1992年北海道佐々木商会に戻り、現在に至る。業界団体の全日本電設資材卸業協同組合連合会(全日電材連)でEDI(電子データ交換)プロジェクトを担当。
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