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株式日記と経済展望
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ソニーは,ソフトウェアで勝負するのであれば,独自のOSを持つことは
必須です。Appleを買収してMacをソニーブランドのPCとして売るべきだった。
2012年1月22日 日曜日
◆第11回 Appleのビジョンと日本のハードウェアメーカーの将来 1月20日 中島聡
http://gihyo.jp/lifestyle/serial/01/software_is_beautiful/0011
ハードからソフトへ,ソフトからサービスへ
その当時,出井氏が強く主張していたのが,消費者に「もの」を買ってもらった時点で終了する「売り切りビジネス」から,売った時点から関係が始まる「サービスビジネス」への転換をするべき,ということであった。
「ソニーは,セコムのようなビジネスを作らなければならないのだ」というのも印象に残った言葉の一つだ。「ソニーは,アナログからデジタルへの転換には成功した,これからはハードウェアからソフトウェアへ,そして売り切りビジネスからサービスビジネスへの転換を成功させる必要がある」というのが彼のビジョンであった。
そんな出井氏に対して,私は「ソフトウェアで勝負するのであれば,独自のOSを持つことは必須です。ソニーにとって,Windows PCを売るメリットはまったくありません。すでにPCはインターネット端末になりつつあります。Appleを買収してMacをソニーブランドのPCとして売るべきです」と主張した。
瀕死の状態から立ち直ったばかりの当時のAppleは,ソニーにとって吹けば飛ぶような会社だったが,ネットにつながることだけが大切であればWindows OSを搭載している理由はまったくなかった。それに,ソニーブランドとAppleブランドは,両社とも「ユニークで付加価値の高い物を提供する企業イメージ」を持つという意味で相性も良いと思ったのだ。
そのときは残念ながら肯定も否定もしてもらえなかったのだが,後に人づてに聞いたところによると,Appleを買収するというアイデアは,当時ソニー内部でも何度も持ち上がっていたそうである。さすがに上場企業の買収の話なので,「そんなことはとっくに考えているよ」とは答えられなかったのだろうと私なりに解釈している。
ビジョンを共有していたソニーとApple
少なくとも2002年の段階での2つの会社のビジョンには多くの共通点があったと言える。どちらも単なるハードウェアの会社からソフトウェアやサービスで勝負をする会社を目指していたし,デジタル化されつつある音楽や映像が人々のライフスタイルを大きく変え,そこに新しい形のコンシューマエレクトロニクスビジネスが生まれようとしていることは明白であった。
私は2年ほど前に,「アップルの30年ロードマップ」というブログエントリを書いたが,そこで紹介した「映像・画像・音楽・書籍・ゲームなどのあらゆるコンテンツがデジタル化され,同時に通信コストが急激に下がる中,その手のコンテンツを制作・流通・消費するシーンで使われるデバイスやツールは,従来のアナログなものとは全く異なるソフトウェア技術を駆使したデジタルなものになる。アップルはそこに必要なIP・ソフトウェア・デバイス・サービス・ソリューションを提供するデジタル時代の覇者となる」というビジョンが,まさにソニー,Apple両社が共有するビジョンであったと言える。
大きく異なる道を歩んだソニーとApple
しかし,結局ソニーによるAppleの買収は私の妄想に終わり,両社は大きく異なる道を歩むことになる。ソフトウェアやサービスで勝負する会社への脱却が2011年の今でもなかなか実現できていないソニーに対し,AppleはiPod+iTunes+iTunes Storeというハード+ソフト+サービスを融合させたビジネスモデルをいち早く成功させ,iPhone,iPadと立て続けにヒット商品を出した。今や時価総額でソニーの20倍近くの企業に成長したのである。(中略)
日本のメーカーは何をすべきか
スマートフォンを中心においた「ポストPC」ビジネスにおいてはAppleが一人勝ちで,家電ではSamsungに代表される日本以外のアジアメーカーの勢いが強い状況が続いている。そのため,ただでさえ円高に苦しむ日本で家電やPCを作っているハードウェアメーカーは窮地に追い込まれている。
この状況から脱却して,今後ますますグローバル化される業界で生き残るためには,AppleやSamsungのマネをしていてもどうにもならない。まずは,どこで勝負をする会社なのかを明確に定め,余計なものを排除し,集中すべきところに全精力を集中して,その分野で世界一,二を争う企業にならなければならない。
少し前に,タブレット開発をしている日本のPCメーカーの経営陣と会ったことがあるが,タブレットを作る理由が「PCメーカーとしてはタブレットを作らないわけにはいかない」という消極的な理由だったので呆れてしまった。そんな消極的な理由で他社と同じようなタブレットを出しても,量販店に横並びにされてスペック競争と価格競争を強いられるだけである。
そうではなく,「ユーザのライフスタイルをこんな風に変えたい」「ビジネスのこんなニーズに応えたい」というはっきりとしたビジョンとゴールを持ったうえで,そのためにはどんなハードウェア,ソフトウェア,サービスが必要かを考え,戦略的にもの作りをしていく必要がある。
他社と横並びでスペック競争をする時代は終わった。総合家電メーカーというビジネスモデルはもう成り立たない。ハードウェアは自分たちで作り,ソフトウェアの開発は外注に丸投げするのでは世界で戦えるデバイスは作れない。ハードウェア作りで日本の高度経済成長を支えてきたという成功体験にいつまでもしがみつかず,ハードウェア・ソフトウェア・サービスをエレクトロニクス産業に不可欠な3つの柱と捉え,選択と集中で世界一を目指す企業にならなければならない。ソフトウェアエンジニアが「ぜひともここで働きたい」と思えるようなハードウェアメーカーに生まれ変わって初めて,Appleと同じ土俵で戦えるようになるし,21世紀のエレクトロニクス業界の牽引役にもなれる。
(私のコメント)
アメリカのコダック社が倒産しましたが、時代の変化に追いついていくことは大変なことであり、大企業ほど変化に付いて行くには大変だ。日本の大手家電メーカーも時代の変化に晒されていますが、コダック社のように倒産するところも出てくるだろう。
もはや良い物を作って売る時代は終わり、製品はソフトウエアが大きな比重を占めるようになって来ました。家電製品も自動車もコンピューターの塊であり、そこにインストールされているソフトが製品の良し悪しを左右するようになりました。昔の家電製品や自動車なら消耗部品を交換するだけで長く使えましたが、最近ではまだ使える家電製品でもより高機能な新製品に買い換えられて行く。
分かりやすいのはパソコンや携帯電話ですが、まだ使えてもより高性能な新製品に人々は買い換えている。新製品でないと動かないソフトなどがあれば人々は新製品に買い換えていく。日本製の製品は高い信頼性や耐久性が売りでしたが、製品に組み込まれたソフトが新しくなれば買い換えていく時代には合わなくなっている。
私なども、まだ使えるパソコンを廃棄処分して新しいパソコンに買い換えてきましたが、1,2年ごとに新しいOSやソフトが出てくるので、古いパソコンは処分しないと置き場所にも困ることになります。その他の家電製品も省エネ性能や高機能化で買い換えています。照明器具などもLED化で省エネが進んできましたが、照明器具にすらコンピューターが内蔵されるようになりました。
ソニーは日本を代表する大手情報家電メーカーですが、このまま行けなコダックと同じ運命をたどるだろう。フジフィルムは多角化で生き延びていますが、化学製品メーカーに変身してる。化学製品は製造ノウハウを秘密に出来るから製品をコピーされる事は難しく、新興国に真似されて市場を取られることは少ない。
日本の大手家電メーカーが生き延びていくには、アップル社のようにハードよりもソフト、ソフトよりもサービスを売りにした企業にならなければ生き残れないだろう。産業が高度化していけばサービス産業が一番儲かる商売であり、サービスとは頭脳労働でもあり他に置き換えることが難しいから儲かる。
中島氏の記事にもあるように、『タブレットを作る理由が「PCメーカーとしてはタブレットを作らないわけにはいかない」という消極的な理由だったので呆れてしまった。』と記事にありましたが、日本の情報家電メーカーもアイパッドのようなタブレットパソコンを作りましたが、どれも分厚く重くアイパッドに負けている。つまり日本のメーカーは物作りでも劣化が進んでいる。
携帯電話でもスマートフォンで遅れをとっていますが、アップルのアイフォーンが個人利用からビジネス利用まで進んできてビジネスユースでもアップル製品が導入されるようになりました。パソコンOSを支配していたマイクロソフトのウィンドウズも携帯OSでは遅れをとってしまっている。スマホは一種の携帯型パソコンであり、ネットに繋がればパソコンでも携帯でもどれでもいい。
ソニーはこの流れに乗り遅れてアップルの後追いをしていますが、得意のテレビなども韓国のサムスンなどに遅れを取ってしまった。製品を作るだけでは新興国の低価格競争に巻き込まれてしまう。中島氏が言っているように「総合家電メーカーというビジネスモデルはもう成り立たない。ハードウェアは自分たちで作り,ソフトウェアの開発は外注に丸投げするのでは世界で戦えるデバイスは作れない。」
世界の携帯電話の市場を制覇してきたフィンランドのノキア社もスマートフォンに乗り遅れてしまった。このようの画期的な新製品が出来ると、世界市場を支配していた大企業のコダック社のように変化に対応が出来なくなり倒産してしまう。フジフィルムにしても倒産は必死と思われていましたが、富士ゼロックスを子会社化して事務機部門を強化して化粧品にも進出して多角化で切り抜けた。日本の大手家電メーカーもフィルム業界と同じ立場に立たされていますが、キャッシュのあるうちに時代の変化に対応していかなければならない。
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