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ついこの間、1ユーロが96円台にまで迫っていたのに、一気に一時100円台まで回復したのだとか。これだから相場というものは分からないのですよね。
ユーロ圏9か国の国債の格付けを一斉に引き下げた格付会社。フランス国債はトリプルAから転落し‥なんて思っていたら、何とフランスの国債の売れ行きがいいのだとか。というよりも、格下げ発表後の方が、むしろ国債の利回りは低下しているのだ、と。
で、こうなると格好がつかないのが格付会社。
格付会社が、フランスの国債はトリプルAの資格がないと宣言をしたら、むしろフランスの国債が売れている訳ですから。
ただ、いずれにしても、格付けが引き下げられたのに、何故フランスの国債は人気を盛り返すのか? その辺の理屈がちょっと分かりにくいのです。
「アメリカの国債も、昨年格付けが引き下げられたけど‥むしろ利回りは低下しているし‥」
ということは、格付けが引き下げられると、利回りは低下するのか?
アメリカの国債は、昨年夏、ある格付会社がトリプルAから引き下げをしたのは事実です。そして、その後、アメリカの10年物国債の利回りが2%台を切ったことも事実です。
でも、それには理由があると考えた方がいいでしょう。つまり、アメリカの国債の格付けが昨年夏に引き下げられたとはいっても、その時期を境に急に米国債の評価が下がったという訳ではないのです。偶々連邦政府の債務上限枠が政治問題化し‥そのことに格付け会社が敏感に反応しただけだと解釈できるのです。
それに、その後のユーロ危機のなかで、むしろ米国債はセーフヘーブンの役割を果たしているので、米国債の利回りが下がることにも納得がいくのです。
★では、フランスの国債はどうして、格下げ後利回りが下がったのか?
つまり、腐っても鯛という訳ではないのでしょうが‥ユーロ圏の中におけるフランス国債の地位がドイツ国債についで高く、また、ECBが欧州の民間銀行勢に対し、多額の資金を1%の金利で供給していることが背景にあるのでしょう。
★つまり、 ECBは昨年12月、期間3年の長期リファイナンシングオペを新たに導入したため、欧州の民間銀行は、ECBから利子1%のお金を借り、それをフランス国債に回せば、濡れ手に粟で利ザヤを稼げる仕組みになっているのです。但し、10年物国債と当該3年物のECBからの借り入れには期間のミスマッチがあるので、要注意なのですが‥。ということで、そのことがフランスやスペインの国債の需要を支えているというのです。
ECBは、ユーロ圏政府に直接お金を融資することに対しては消極的であるのですが、民間の金融機関にはこのようにじゃぶじゃぶお金を供給しているのです。
フランスの国債の入札が順調にいったことで、面目を失った形の格付会社ですが、しかし、一番ほっとしているのは、格付会社かもしれないのです。何故なら、市場が落ち着いていることで、格付会社に対する風当たりも弱くなっているからです。(小笠原誠治/中略)
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