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S&Pのユーロ圏9か国とEFSFの格下げは、織り込み済みであったとはいえ、これまでのユーロ圏の国債の格下げ時と明らかに反応が違った。えっ、格下げもするのか、といったケースがこれまで多かったものが、今回はまだ格下げしないのか、やっとしたか、との印象であった。これはユーロ圏の信用不安そのものの空気というか流れが変わった証拠なのかもしれない。
日本の不良債権問題のときも、2003年の足利銀行の経営破綻が明るみに出た際は、これで金融システム問題がさらに悪化するというより、これでもう金融機関の悪化には歯止めが掛かるとの印象が強まり、その後は不良債権問題は市場で悪材料視されなくなっていった。つまり、地合が変化していたのである。欧州でも同様な雰囲気になりつつあるのであろうか。
ギリシャの債務協議は難航が予想され、ギリシャのデフォルトの可能性を指摘する声もあるが、それを避けようとの努力も行われていることも確かである。ユーロ圏の銀行に対しての懸念も残るが、少なくともイタリアなどの国債利回りの上昇には少し飽きた印象がある。昨日のフランスやスペインの国債入札も順調であった。ただし、ポルトガルの国債はまだ売られてはいたが。
そもそもなんでイタリアの国債が売られなければならなかったのか、しっかりした説明ができるであろうか。ギリシャは本当の財政赤字を隠し、アイルランドは金融の問題が政府財政に影響を及ぼした。しかし、ポルトガルやスペイン、イタリアあたりは、とばっちりを食らっただけではなかろうか。たしかに政治上の問題もあったかもしれないが、格付け会社の格下げに市場が煽られた側面もあったとみられる。
これらの国の債務状態は確かに良くはない。しかし、債務状態でみるならば、もっと売られてもよい国債もあったのではなかろうか。
格付け会社と市場が距離を置きだしたように見えるということは、欧州の信用不安の問題は、少し違った局面に入りつつあるということなのかもしれない。そのきっかけとしてECBによる3年物の資金供給も大きな役割を果たしたように思えるが、ECBのドラギ総裁は、2012年はユーロ圏にとってはるかに良い年になるとの見通しを示したそうである。 (久保田博幸)
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