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http://blog.goo.ne.jp/msi021112/e/23d56d48ea78a67bbf64a01d1a5661bc
昨日、そして本日アジアの時間帯での金価格の上昇要因のひとつとなったのが、IMF(国際通貨基金)がユーロ圏への危機対応として融資能力を増強するため最大5000億ドル(約38兆4000億円)の調達を検討しているというニュースだった。ユーロ圏を中心に時間の経過とともに状態が悪化した民間資金が当てにできなくなっており、IMFの増強という流れは国際協調抜きに事態の解決はないゆえに当然だろう。しかし、これも大国の政治的な思惑がからみそう簡単ではなさそうだ。
ここでのポイントは、IMFへの出資比率を見直すことでの対応は、各国が持つ投票権の変動につながることから、一国で約17%の投票権を持ち重要事項の決定に実質的な拒否権を持つ米国の比率が下がる可能性もあるため、出資ではなく貸し出しという形を取るとされる。出資となると資金に余裕がある中国が名乗り出て、その増額分に応じた投票権の拡大を要求することになる。米国としては、もちろんそれを飲むわけにはいかない。
IMFは、融資枠増額の資金調達を目的に保有する金の一部(403トン)売却を2009年に決め、実行に移したが、こうした資産売却など重要事項には加盟国の85%以上の賛成が必要となる。したがって米国の賛成が欠かせないわけだ。力をつけてきている新興国の出資を認めれば、米国他主要国の投票権は薄まることになる。今回IMFが考えている借り入れは、日本や中国なども対象にしているとされるが、この方式でも確か米国やカナダは乗らない意向を昨年のうちに示していたと記憶している。したがって、5〜6000億ドル実際に集まるのかというと不透明といえそうだ。
★掛かる事態ゆえに再び保有金の一部売却という話が出る可能性・・話が出ても実際は米国の賛意を取り付けるには米国議会の判断に委ねられるということになる。前回の売却から間がないこともあり、米国議会が今回も賛同するかといえば、難しいかもしれない。
★仮に手放すとなると、新興国のどこかが買い取りに名乗りを上げそうだ。
ちなみにIMFの投票権は日本が6%強で米国に次いで2位となっているが、圧倒的な差があるわけだ。(亀井幸一郎/中略)
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■おねだりするIMFとすっからかんの米国・・IMFを格下げしたら残る最強ランクは「格付機関」だけに?
http://www.gci-klug.jp/ogasawara/
ユーロ危機がなかなか収束しそうにないなかで、IMFは18日、IMFの融資能力を強化するため5000億ドル(約38兆円)の融資財源の増強を目指す方針を明らかにしました。
でも、念のために言っておきますと、アメリカは極めて冷淡。
「IMFは、欧州において重要な役割を果たすことができるが、それは欧州自身の努力を補完するものに過ぎないと我々は引き続き信じる」
「欧州は自分の問題を解決する能力がある。IMFは、ユーロ圏のファイアーウォールの代わりを務めることはできない」
まあ、直接的には言っていない訳ですが、幾らIMFが5000億ドルの財源強化策を考えようと、米国としてはお金を出す気はないと言っている訳なのです。
では、このところ孤立化している英国はどうなのでしょう?
これも少しばかり分かりにくい言い方ですが、ユーロ圏の債務国を救うためのお金は出す気はないということなのでしょう。
では、5千億ドルはどうやって集めるのか? IMFは、何を考えているのでしょうか?
実は、このうちの2千億ドル分については、欧州勢が出すことが表明されているので、残りは3千億ドルということになるのですが、米国や英国は出す気なし。となれば、中国とかロシアとかブラジル‥なんてところが考えられる訳ですが、中国は、IMFにおける発言権の拡大などの見返りを要求しているようであり、そう簡単にことが運ぶとは思われないのです。
ということで、5千億ドルの財源強化をやりたいとIMFが声を大にして叫ぼうとも‥全然迫力がないのです。
というよりも、妙なことに気が付きませんか?
「そうそう、これは変だよ。何故欧州勢はIMFにお金を出すの? そんなお金があるのであれば、直接債務国側に融資すればいいのじゃ?」
それはそのとおり。では、何故欧州勢は、IMFを通じてお金を出すことを考えるのか? それは、万が一のことを考えてのことでしょう。例えば、ギリシャに直接お金を出しても、それが果たして将来確実に返済されるかどうか確かでないからに他なりません。その点、IMFを通せば、万が一にも貸し倒れはないだろう、と。
ただ、妙なことはそれだけではないのです。
それは‥IMFと言えば、ラストリゾートである訳で、最後の最後に登場する機関である訳なのに、
そのラストリゾートが、お金がないなんて自ら公言している訳ですから、もうこれは笑い話でしかないのです。
要するに、IMFをラストリゾートとする世界的な信用維持装置は、今、完全に崩壊してしまった、と。
それに、もし、今後IMFが必要な資金を専ら借り入れによって賄うことにでもなれば、今度はIMFが格付けの対象になり‥そして、欧州金融安定化基金が格下げされたように、IMFも格付けされた上、しかし、トリプルAには格付けされない事態が予想されてしまうのです。
★IMFが格付けの対象になるなんて、どう考えてもおかしい。しかし、仮にIMFが、世界銀行のように債券を大々的に発行することにでもなれば、格付けの対象になることは止むを得ないと考えざるを得ないのです。
で、IMFが調達したお金が、ギリシャなどの債務国に融資される訳で‥そして、ギリシャなどが
将来そのお金を確実に返済する見通しがないのであれば、IMF債は、当然、投機的とか投資不適格の烙印を押されてしまうことでしょう。
つまり、そもそも最後のリゾートとしての役割を果たすのであれば、その財源は加盟国からの出資・拠出によらざるを得ないのです。
★大体、格付け会社は、我が日本国を中国並みにしか扱っていない(Aa3)のに、その日本が、ラストリゾートのIMFに対し10兆円も融資しているのですから、全く持っておかしな話であるのです。
★Aa3の日本から融資してもらっているIMFは、当然日本よりも格付けが下でないと理屈が合わないでしょ? IMFの融資が、資金繰りに窮した国々に行われることを考えればなおさらであるのです。
ということで、平気でお金を無心するIMFなんて、どう考えても漫画でしかないのです。(小笠原誠治/中略)
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