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GDPの名目値が増加しない限り税収は増えない。財政収支均衡化は脱デフレと名目GDPの伸びなくして達成できない。田村秀男
http://www.asyura2.com/11/hasan74/msg/692.html
投稿者 TORA 日時 2012 年 1 月 19 日 14:14:46: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu256.html
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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経済のパイそのものであるGDPの名目値が増加しない限り税収は増えない。
財政収支均衡化は脱デフレと名目GDPの伸びなくして達成できない。田村秀男

2012年1月19日 木曜日

経済のパイそのものであるGDPの名目値が増加しない限り税収は増えない。
日米独の名目GDPと税収(1997年=100/出所:米は米政府統計、日独はIMF統計)

◆消費増税こそが税収を減らし、財政破綻を招く 1月18日 田村秀男
http://tamurah.iza.ne.jp/blog/

SANKEI EXPRESS 1/17【国際政治経済学入門】デフレ下の増税という国際非常識

復興増税の次には消費増税というわけで、野田佳彦首相は消費増税に「不退転の決意」を表明し、周囲には「不成立の場合、衆院解散・総選挙も辞さない」と漏らしている。
 増税主義がデフレ日本に何をもたらすのか、ここで再度検証しておこう。

 2011年11月、国会では東日本大震災からの復興に向けた11年度第3次補正予算案に続き、復興増税法案が成立した。復興債償還財源に使う所得税の臨時増税は25年と長期にわたる。増税期間の引き延ばしの結果、1世帯当たりの所得税年間負担増は薄められ、財務省の試算では年収500万円の場合で1600円、800万円だと7360円という。民主、自民、公明の3党は「月にならすと負担額はコーヒー1、2杯分にすぎない」と納得したわけだが、甘すぎる。増税路線は慢性のデフレ病をさらにこじらせるからだ。

 ■物価上回る所得の下落

 1998年以来、物価下落を上回る幅で国民が消費や貯蓄に回せる可処分所得が下落し続けている。可処分所得のもとになる世帯主の収入が細っているためで、家電製品や身の回り品の価格が下がっても、あるいは100円ショップで何でも買えても、暮らしぶりはより貧しくなるのが日本のデフレ病の特徴だ。2010年のサラリーマンのひと月当たり可処分所得は1997年に比べ6万6700円、13.4%減った。前年比で平均1%、4770円ずつ下落している。

 ここで、復興増税と消費増税の追い打ちをかけられると、これまでの慢性デフレは一夜にして「激症デフレ」に転じかねない。

 消費税率を2014年に8%、15年に10%を柱とする「社会保障と税の一体改革」で、家計負担はどれだけ増えるのか。財務次官OBで増税派と目される武藤敏郎理事長の大和総研が、大変参考になるリポートを出した。それによると、子供が2人いる年収500万円の標準世帯では消費税分16万円など負担増で可処分所得が約31万円も目減りする。可処分所得とは、家計の収入から税、社会保険料などを差し引いた手取りのことだ。それが月額平均で2万5833円、勤労日ベースで一日約1000円も減るではないか。500円のコンビニ弁当で昼食を済ませていたサラリーマンは、朝食や晩飯の残りを弁当に詰めて出勤しても、まだ500円も足りない。月に1、2回にとどめていた居酒屋にもめったに行けなくなる。さらに復興増税も加わるので、家計負担はもっと増える。

 国を支える家計が火の車になると、日本経済全体ではすでに始まっている超円高・デフレ不況が深刻化する。

 日本は海外に対して260兆円もの純債権を持つ世界最大の債権国なのに、大増税までして国民の所得を召し上げるのだから、海外の投資家は率先して日本国債を買い、円相場をつり上げている。超円高は止まらず、企業は国内投資、国内雇用をあきらめる。リーマン後、40兆円も縮小した国内総生産(GDP)はもっと下がり、所得税、法人税の合計税収の減少額は消費税の増収分を上回るだろう。現に、1997年度の消費増税と社会保障負担引き上げ後にはデフレが再発し、全体の税収が大幅に減った。今回も財政は悪化し、2000年代半ばには消費税を15%、20%にせよと財務官僚が騒ぎ立てる姿が今から目に浮かぶ。

 ■名目成長なくして再生なし

 経済のパイそのものであるGDPの名目値が増加しない限り税収は増えない。少子高齢化の進み具合からみて、いずれ消費増税はやむをえないとしても、財政収支均衡化は脱デフレと名目GDPの伸びなくして達成できない。

 グラフは日米独の名目GDPと税収を中心とする国庫収入の推移を追っている。1998年からデフレ基調が続く日本は2010年の名目GDP規模が1997年に比べて7%縮小しているのと対照的に、米国は1.74倍、ドイツは1.3倍と拡大している。政府の収入は日本が5%減、米国は1.36倍、ドイツは1.23倍である。目をこらすと、米国と日本は名目成長の速度以上に税収の振れが大きい。成長率がプラスだと、税収は成長率以上に伸びる。逆に成長率がマイナスに振れたリーマン・ショックを受けた2008、09年は日米とも税収が大きく落ち込んだ。ドイツは名目成長と税収の伸びはほぼ同じのようだ。

 岩田規久男・学習院大学教授の試算によれば、名目成長率4%が11年度以降継続すれば、15年度の国税収入は10年度比で23兆〜37兆円も増える。消費税5%アップの場合の消費税収増見込み額は11兆円程度なので、名目成長率の引き上げの威力は絶大だ。もちろん、インフレ率がプラスに転じると、名目金利が上昇し、国債利払い費が増える可能性もある。消費増税の余地を残すことで、市場は安心し、金融機関や投資家は日本国債を買い続けるだろう。成長率の引き上げに目もくれない野田政権の増税至上主義は国際的にも非常識きわまりない、自滅路線なのだ。
 (産経新聞特別記者 田村秀男/SANKEI EXPRESS)


(私のコメント)


冒頭のグラフを見てもらえば分かるように、野田内閣と財務省はどうしたら税収が増えるかは名目成長率にかかかっています。安部内閣の当時にもミニバブルがあって5兆円もの増収がありましたが、名目成長率が低迷していては増税で税収は増えない。増税した分の消費が確実に減ってしまうからだ。

政府や財務省はどうしてこのような簡単なことが分からないのでしょうか? ならばどうしたら名目成長率が増えるかを考えればいいのですが、財政政策そのものが硬直化して公務員の人件費などに消えていってしまう。財政は膨らみっぱなしですが財政の中身のかなりの部分は公務員の人件費であり実質的に使われる政策費はそれだけ少なくなる。

デフレで現金で持っていたほうがトクだから、企業も個人も現金で金融資産を保有して使わないから金が回らない。金が回らないから名目成長率も伸びない。企業も個人も金を使わないのだから政府が金を使わないと金がますます回らなくなる。財政と言うとまず橋や道路などの公共投資ですが、政府や地方は新設には熱心だが補修などの費用はケチってしまう。

根本的には、日本の雇用問題などが硬直化しているから公務員も民間企業も中高年社員が増えて、年功賃金体系で人件費が高くなっていしまっている。テレビ番組で転職が少ない国として日本と並んでイラリアやフランスがあげられていましたが、いったん雇用すると解雇する事が難しく転職が少ないそうだ。逆に韓国が一番転職する率が高く実質的に35歳定年説まであるくらいだ。

管理職において、アメリカ人にしても転職経験がない人は5人に一人くらいであり、逆に日本では5人に一人しか転職経験がない。それだけ雇用が流動化していれば、アメリカも韓国も企業経営者としては働かない中高年社員を減らして働く若い社員を増やすだろう。解雇の難しいヨーロッパ諸国にしても経済が低迷していますが、雇用の固定化が財政危機の元なのではないだろうか?

アメリカや新興国の名目経済成長率が高いのは、雇用の流動化が大きくて企業は社員の平均年齢を下げられるし、リストラされた中高年社員は嫌でも起業して働かなければならないから経済活動が活発なのではないだろうか? 私自身も30歳代で会社を辞めて独立起業しましたが、中年の働き盛りに独立起業することはマクロ経済から見ても経済成長にプラスだろう。

野田政権では、逆の65歳までの定年延長を考えているようですが、働かない高齢社員を公共団体や企業は多く抱え持つことになります。日本では人件費を減らすにしても新規採用を絞って、非正規社員や派遣社員に切り替えることで人件費を下げていますが、やり方が間違っている。中高年社員は経験も業務知識も豊富だし貯蓄も持っているから解雇しても独立起業する能力を持った人が多い。

サラリーマンは解雇されることを異常に恐れますが、能力さえあれば独立起業や他社からのスカウトなどで働くことが出来る。問題なのは解雇されたら何も出来ない中高年社員であり、転職もままならない無能なサラリーマンだ。そんなサラリーマンほど一つの会社にしがみつくから会社ごと低迷してしまう。特に中高年の公務員は役に立たない人が多くて転職が出来ない。だから日本経済は低迷するのだ。


 

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コメント
 
01. 2012年1月19日 20:44:03 : U59xrJ9EsU
意外なことに、福祉大国といわれる北欧では首切りのハードルは低いし
構造不況業種はあっさり潰してしまう。

そのかわり、個人の生活保障はしっかり行なっているし、転職に向けての
職業訓練も充実している。

日本の場合は、個人単位の福祉がいい加減なのを、雇用の維持でなんとか
誤魔化していたのだが、もう、それが続けられる状況ではない。


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