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株式日記と経済展望
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結局、CDSなんてものは、保険会社が保証出来ない商品を売って
利益を得ているイカサマ商品以外の何ものでもないのです。
2012年1月15日 日曜日
◆ユーロ発の相場ショックが起きる可能性は? 1月13日 S氏の相場観
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先日、欧州中央銀行(ECB)がユーロ圏の金融機関に50兆円を供給したのですが、「CDSが機能していない状態では国債を買う銀行はほとんどない状態ですので、国債価格が上がらないのは当然である」と言うレポートをしました。ばらまいた規模は米のQE2規模であり、本来ならば効果がある金額なのですが、CDSが機能していないのであれば、これはもう当然であるとも言えるのです。
リーマンのCDSを請け負っていたAIGが、保証料を払いきれずに倒産に追い込まれ、その保証料を米政府が肩代わりしてショックを最小限に止めた訳ですが、これが国単位の破綻となれば、誰も保証出来るわけがないのは、米のリーマンショックで明らかになっている事であり、それを材料に国債を買わないと言うのもおかしな話ではあるのです。
結局、CDSなんてものは、相手が潰れないと言う事を前提に取引されている、倒産保証商品である事は明らかであり、保険会社が保証出来ない商品を売って利益を得ているイカサマ商品以外の何ものでもないのです。これが機能しないからと言って、国債を買わないと言うのですから、全く呆れた話であります。
銀行はリスクを取りたくないのかもしれませんが、10年ものなどは別としても、3ヶ月ものなどは買っても良さそうなものです。イタリア国債3ヶ月ものは3%位の利回りがあるのですから、1%程度でECBからお金を借りているのですし、そういったものを買っていけば良いだけのはずなのです。いくら何でも3ヶ月ものぐらい保証なしで買ったらどうなのでしょう?
それとも、3ヶ月先も信用できない程に悲惨な状況なのでしょうか?確かに来月のイタリアやスペインの国債の償還が大口で控えていますので、今は怖くて手が出せないとも言えるのかも知れませんが・・・。
しかし、ECBがこれだけの規模でマネーを供給し、何時までも手元に置いておくわけにも行きません。このマネーでショックを乗り切ろうと言う魂胆なのかも知れませんが、一度ショックが起これば、この程度のマネーではどうにもやりようがないことは確かなのです。
本当に無策なのかも知れませんが、どうもこのままショックが起きるとは思えないのです。まあ、時が来るまで分からない事ですし、今はショックが起こっても大丈夫な投資活動をして行けば良いでしょう。どうなろうと買われる銘柄はあるのですし、何らかの策でショックを起こさない方向になったならば、間違いなく相場は上昇に向かうのです。
余裕は必要ですが、今は「株を買うべき時」であると言えるのではないでしょうか。
(私のコメント)
現在の金融問題の根源にはCDSと言う金融商品の存在が一番の障害になっていますが、機能しない商品であることがリーマンショックで分かっている。ウォール街の頭のいい連中が考えた金融商品なのでしょうが、破綻すれば金が入るといった発想は気が狂っているとしか思えない。
例えば第三者の建物に勝手に火災保険をかけて、火事になって燃えてしまえば保険金が貰えるといった保険のようなものであり、悪質な者が浮浪者を雇って建物に火をつけさせる。原因が不明ならば保険会社から保険金が下りて大儲けができる。ヘッジファンドはギリシャ国債を狙い撃ちしていますが、CDSと言う存在があるから悪質な投資家が火をつけて回る。
CDSを引き受けた金融機関が保険金を支払えればいいのですが、破綻しないことが前提になっているような保険が破綻してしまったらCDSを引き受けたところが破綻する。普通ならありえないような事がCDSがあるために保険金目当てに売り叩くところが出てくるためだ。CDSも金融機関の内輪だけのシステムでしたが、投機家たちが手を出してきて見る見るうちに巨額なCDS残高になってしまった。
生命保険でも、第三者に勝手に生命保険をかけてその人が死ねば保険金がもらえるとなれば殺人事件を起こす犯罪が起きる。つまり内輪の銀行同士の保険システムをウォール街が勝手に金融商品としてつけて売り出すことで世界的な金融問題となってしまった。CDSが付いていればリスクのある投資債券も最高格付けで販売することが出来る。
PIIGS諸国の国債が沢山売れたのは、サブプライムローンと同じであり、CDSが付いていたから高利回りで最高格付けという金融商品として売れたからだろう。しかしギリシャ国債をデフォルトとせず、自主的な債務減免と言うことでCDSを無効化しようとしている。つまりCDSを実質的に無効化することで決着されるかもしれない。
CDSと言いながらも一種の丁半博打のようなもので、ギリシャ国債が破綻するかしないかの丁半博打が行なわれてきた。そこにCDSが無制限に絡んできたから破綻すれば巨額の保険金が下りることになっているようですが、保険金を支払う欧米の銀行が倒産してしまう。
金融業界で一番大切なのは信用とモラルですが、欧米の金融業界にモラルハザードが起きて世界的な金融危機が起きようとしている。日本のバブル発生にも金融モラルの崩壊がありましたが銀行が利益優先に走れば社会の金融システムがおかしくなってしまう。アメリカのFRBはこのような価値のなくなった不動産担保証券などを簿価で買い込んでいますが、結局はこれらは税金で穴埋めされるようになるだろう。
確かに住宅ローンなどを証券化して売り飛ばしてしまえばリスクは回避できる。しかし手にした資金でまた同じ事を繰り返すから、資金が上手く回転している時はえらく儲かるが逆流すれば手持ちの資産が紙切れ化してしまう。CDSの問題も「株式日記」で書いてきましたが、規制を設けて制限しなければとんでもない事になる。
ウォール街から起きたデモは、アメリカを滅茶苦茶にしようとしている金融界への抗議ですが、ルービン元財務長官は見事に巨額の退職金を銀行からもらってウォール街から立ち去った。儲かっている時は巨額の報酬をもらい、銀行が破綻すれば政府が損失を救済してくれるのだから、まさにモラルハザードの極地にいるような人物だ。
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