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半年くらい前になるが、2011年6月9日に
モルガン・スタンレー社のアナリスト向け会議があり、グローバル金融プロから見た、日本国債(Japanese Govement Bond)の説明を受けた。その中で「日本国債も日本政府の財政状況も、修復可能な範囲であり、財務省や銀行の『日本政府は破産状態!!財政危機がすぐそこまで迫っている』は、金融プロとしての理論や市場分析も間違っている」と驚いていた。日本の抱えている問題は「財政危機ではなく、過剰貯蓄危機である」と指摘していた。その内容を一部翻訳してアップします。
※オリジナルは、文末にリンクしておきます(英文)
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(中略)
周知のように、悲劇的な大震災が日本を襲ってから数ヶ月が経過しました。現在(2011年6月9日)、日本の政治は完全な混沌状態に陥っており、主要政党の連立に漕ぎつけることができないだけでなく、首相はかろうじて不信任投票を乗り切ったものの、辞任を約束して不信任投票を否決に持ち込んだとたん首相の座に居座るなど、与党内は完全な混乱をきたしている。弊社の政界パイプによれば、菅首相は6 月末に辞任し、おそらく現在の野田財務大臣が後任になるということです。
野田財務大臣は明らかに財務省派に属しているため、さしたる変化は期待できません。トーンが変化し、より強いリーダーシップが望めるとしても、政策が変更されるとは思えません。野田氏のことは何年も前から知っており、財務大臣を務めてきた過去数年間においても、積極的なスタンスをとってきませんでした。
加えて、二大政党の関係は良好とは言えず、果たして何らかの実質的な措置を打ち出すことができるのか、懸念されます。したがって、政府は何らの重要法案も新たな補正予算も成立させられず、税金や社会保障改革に関しても、議論が繰り返されるだけで、何らの具体的な行動もとることはできないでしょう。
論争は多分に増税にバイアスがかかり、これはむろんデフレ圧力を及ぼします。したがって基本的には、JGB 市場はここしばらく陥ってきた低金利状態が、少なくとも当面は続くと思われます。
過去 1 年にわたり、一部アナリストらの説に基づいて、様々なメディアが日本の財政状況について「日本政府は実質的に破産状態にあり、財政危機がすぐそこまで迫っている」と警鐘を鳴らしてきました。しかし彼らは、米国の住宅市場や米国の証券会社ビジネスモデルの経験を基に、日本政府の現在の財政状態に当てはめ、同じ結論を導き出しているのです。弊社は、彼らが提唱している説に、全く同意できません。
金融システムのメカニズムを考えれば、日本政府が資金調達難に陥ることなどあり得ないことが明白だからです。彼らの見解によれば、政府の無責任な財政政策の結果、公的債務はGDP のおよそ200%にも膨らみ、こうした水準は「持続不可能」な以上、日本の財政は破綻の瀬戸際に追い込まれている、ということのようですが、実際には逆です。
日本経済は、過去数年間に米国経済が経験した何倍もの規模に相当するバブル崩壊を経験しました。例えば、日本の住宅価格は、ピーク・バリュエーションまでの5 年間に米国の3 倍以上に値上がりしました。日本株の実質価格は、ピーク・バリュエーションでは米国株の4 倍にも達し、ピーク時のPER は米国市場の約20 倍に対し、日本市場は50 倍を超えていました。
日本の民間セクターは、この壮大なバブル崩壊の結果、バランスシートの再建と個人資産の再構築のために、著しい貯蓄願望を募らせ、同時に債務削減を指向したのです。その中で、総需要の不足が生じ、政府の支出でこれを埋めることを余儀なくされました。この、日本の民間部門の強い貯蓄指向こそが、日本政府の巨額の借り入れを生み出した原因だったのです。結局、現在日本が直面しているのは財政危機ではなく、過剰貯蓄危機が原因なのです。
これが日本が置かれている財政状況の正確な市場分析です。
(後略)
と結論づけている。
知り合いの金融マンからも、「政府は、米欧諸国に日本国債を優良金融商品としてセールスしているようだ」と聞いた。もし日本国債が、紙くずになったら、国際問題になるはずなので売るわけないが・・。
それにしても、3ヶ月後に誕生する野田政権を言い当てている。やはり「どじょう」は仕込まれていのだ。笑えるのは、野田政権に多くは期待できないと分析しているところだが・・そのとおりなのが情けない。
■Japanese Govement Bondオリジナル資料(英文)
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