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生き生き箕面通信1131 ・それで核開発は止まるのですか――また対米隷従のイラン原油輸入削減
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2012-01-13 06:37:34 生き生き箕面通信
おはようございます。
生き生き箕面通信1131(120113)をお届けします。
・それで核開発は止まるのですか――また対米隷従のイラン原油輸入削減
アメリカのガイトナー財務長官が来日し、「イランからの原油輸入を削減しろ」と圧力をかけました。安住財務相は「はいはい、そうします」と約束。その後、ガイトナー氏と会った野田首相も同調しました。一昨年秋には、やはりアメリカからの圧力に屈して、「日の丸油田」の象徴になるはずだったイランでのアザデガン油田開発の権利を放棄させられました。
ガイトナー氏は日本を訪れる直前に中国を訪問し、同じ要請をしました。しかし、中国はあっさり拒否。ロシアも断ることは明確ですから、ガイトナー氏はロシアを訪問することもしません。
つまり、アメリカのイラン封じ込めは尻抜けです。
それよりも、イランからの原油輸入が止まれば、原油価格は一気に高騰します。そうすると、イランは輸出量が減っても、手取りの収入は変わらないか、むしろ増えるかもしれないというのが実態です。
日本はイランばかりでなく、サウジアラビアなど中東各国からの原油輸入に頼っています。それらはほとんどがホルムズ海峡を通って日本に運ばれてきました。その海峡を、イランは封鎖することも辞さないと示唆しています。この海峡封鎖は、世界の一大事。アメリカは急きょ、空母2隻を派遣していざという時に備える態勢をとりました。キューバ封鎖を連想させるチキンレースの様相です。
日本はイランと良好な関係を築くために長年にわたって営々と努力を重ね、イラン国民の間にも「日本は平和国家」というイメージが定着しつつありました。それが、アメリカの圧力でおじゃんになる。21世紀のこの現代に、世界の目の前で「対米従属」の情けない実態をお見せしなければならない現実。耐えられません。
イランは北風を吹きつけられれば吹き付けられるほど、核開発にますます固執するのは目に見えています。これまでがそうでした。原油輸入を削減しても、イランの核開発はストップ出来ない可能性の方が高いのです。イランが主張する「平和利用目的かどうか」を、国際機関を通じてもっと粘り強く検証する手続きも省かれています。原油輸入削減は、前のめりに過ぎる。おそらくアメリカの大統領選挙が影響し、オバマ氏は「強い大統領」を演出したいシナリオがあるのでしょう。その露払いとして日本や欧州がまきこまれるのです。欧州各国も、金融危機を抱え、いまはアメリカに頭を抑えられています。原油が高騰すれば、ただでさえデフレに苦しむ日本は、さらに景気後退に直面せざるを得ません。影響は、国民生活全体に及びます。
こうした状況に対して、今朝の新聞各紙の論調はどうか。読売新聞の社説は「日本が米欧に同調するのは、やむを得ない」と、まず対米追随を良とし、あとは「原油の安定調達へ万全を尽くせ」と言うだけ。つまり、「アメリカさまのおっしゃることはごもっとも。日本はなんとかよそで原油を手当できるようにがんばりますわ」と、アメリカ隷従に慣れ切っています。
朝日の社説も、「制裁同調もやむなし」と、対米追随路線。ただ、「制裁の強化がイランの譲歩を促す保証はない。国際的な孤立が、かえって核保有への決意を支える事態もありうる」と指摘。「地域の緊張を緩和し、不測の事態を避けるためにも、圧力一辺倒ではなく、やはり対話の努力が欠かせない」としているのはうなずけます。「日本は、米国がイランと国交を断絶した後も、友好関係を維持してきた。独自のパイプを生かして、少しでも事態の改善をさぐりたい」と結んだのは、まあましといえましょうか。
本来なら、日本はこの地域の平和構築に積極的な役割を果たせる世界でもまれなポジションを有しているのです。そうした役割を果たそうとしてこなかったとがめが、逆に日本を窮地に陥れています。外務省の主流派が、アメリカ追随のアメリカン・スクールで占められている結果が、貴重な機会をむざむざと逃しています。それを大手メディアが、ほとんど批判なく受け入れています。
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