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ホルムズ封鎖なら原油価格暴騰も 世界経済に新たなリスク
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120112/trd12011221210020-n1.htm
2012.1.12 21:20 産経新聞
12日の日米財務相会談で日本がイラン産原油の段階的削減を表明したが、大手石油元売り会社や商社はすでに昨年からサウジアラビアなどに代替調達を打診しており、供給量は十分に確保できる見通しだ。だが、削減分の穴埋めで需給が逼迫(ひっぱく)し原油相場が上昇する可能性は否定できない。イランが対抗措置としてホルムズ海峡を封鎖する事態となれば、中東情勢が緊迫化し一気に暴騰しかねず、日本を含む世界経済に深刻な打撃を与えるのは必至だ。
政府が米国の要請を受け入れ、輸入削減を決めたのは、米国のイラン制裁強化に基づきメガバンクなどの邦銀が米国で事業停止に追い込まれると、金融システムや経済に重大な影響が及ぶためだ。
イラン産原油はかつて日本の原油輸入量の3割超を占めていたが、現在は1割を切っている。昭和シェル石油は原油処理量の2割弱をイラン産原油に頼るが、新井純社長は「イランの問題は今に始まったことではない。慌ててはいない」とし影響は軽微と強調する。
実際、元売り各社はイランの核開発問題が表面化して以降、対応策を検討。昨秋、米国で制裁強化の動きが表面化した後には、サウジなどに水面下で輸入拡大を打診した。
最大手のJX日鉱日石エネルギーは全輸入量の8%、日量9万バレルをイランから輸入しているが、木村康社長は「時間的余裕があればどうにかできる」としており、代替調達のめどは立っているもようだ。
サウジには日量200万バレル以上の余剰生産能力があり、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェートなども含め、産油国側の供給力も十分にある。
ただ、日本がサウジなどからの輸入を拡大すれば、その分供給量が減り、市場の需給はタイトになる。このため、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之上席エコノミストは「市場心理に影響を与え、短期的に原油相場が1、2ドル程度上昇する可能性がある」とみる。
長期契約よりも割高なスポット取引が増え、調達費が膨らむ可能性もある。
中期的にも制裁強化で緊張が高まれば、夏場に向けてジリジリと上昇し、米国産標準油種(WTI)が現在の1バレル=100ドル前後から120ドル程度に上昇すると予想。ホルムズ海峡が封鎖された場合、「2008年7月につけた最高値(147ドル)更新も視野に入る」とみている。
原油価格の上昇は、ガソリン価格や原材料価格の値上がりに直結。原発停止の影響で輸入量が大幅に増えている液化天然ガス(LNG)の価格上昇も招く。原材料費の上昇や電気料金の値上がりが、企業や家計を圧迫。製品価格に転嫁されれば、個人消費にも影響が及ぶ。ただでさえ日本企業は円高でコスト競争力は低下しており、震災からの復興を目指す日本経済にとって、原油相場の上昇が新たな重しとなることは避けられない。
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