http://www.asyura2.com/11/hasan74/msg/610.html
Tweet |
株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu255.html
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
--------------------------------------------------------------------------------
原油に裏打ちされたユーロや人民元は、国際通貨としての地位を
高め、逆にドルは終焉の道を真っ逆さまに転げ落ちる事になります。
2012年1月9日 月曜日
◆イラン戦争の意味を考える・・・原油価格10倍? 1月6日 人力でGO
http://green.ap.teacup.com/pekepon/637.html
■ 欧米の望む役割を演じるアフマデネジャド大統領 ■
イランを廻り、アメリカやヨーロッパが不自然に緊張を煽っています。これはイランを戦争を誘っている様にしか見えません。再び中東で大規模な戦乱を起こして、原油価格を吊り上げるのでしょうか?イランのアフマデネジャド大統領は、欧米に対して強硬な態度を示していますが、これは欧米が戦争を望むならば、好ましい反応とも言えます。
そもそも中東の政治情勢は複雑で、カダフィーがCIAやMI6と通じていた様に、「敵」は好きな時に「危機を煽る」エージェントであると考えた方が合理的です。
イラン国内で「原理派」と「改革派」が対立していますが、「原理派」は国益を重視したグループで、アメリカなどに宗教的な挑発はしても、軍事行動は好まない一派です。
一方「改革派」は、どうも核開発で欧米を挑発するなど、イランの国益を損なう行動ばかりが目立ちます。
これは北朝鮮の金王朝にも言える事です。東アジア情勢は、アメリカが裏から金王朝をコントロールする事で、日中韓の結束を防いでいます。
■ いつでも戦争を起こせる中東 ■
リーマンショック時のレバノンとイスラエルの戦闘の様に、中東はいつでも、好きな時に戦争や紛争を起こして、その都度、危機に瀕したドルの需要を支えていました。
従来の筋書きに従えば、今回もイランとイスラエルの戦闘が起こる可能性は低くありません。
今回の戦闘は、ヒズボラかハマスのロケット砲の攻撃でイスラエル市民に死傷者が出て、イスラエルが過激な反攻に出るというシナリオでしょうか。
イランがイスラエルに過激に抗議して、イランとイスラエルの間で緊張が高まる中で、エジプトのイスラム原理主義勢力や、政府のコントロールが外れたシリアの原理主義勢力が、イスラエルに圧力を加えるでしょう。
恐怖に駆られたイスラエルが、イランに攻撃を加えるという筋書きで、第5次中東戦争が勃発するというシナリオが有力ではないでしょうか?
■ アメリカの中東覇権を崩壊させる中東戦争 ■
今回中東で戦闘が始まれば、中東は新米派と反米派に二分されます。アメリカはサウジアラビアやカタールにミサイルや戦闘機を売却しています。
しかし、イスラエル側にサウジアラビアが付く事はアラブの国民感情的に考えられず、もしサウジアラビア政府がイスラエルを擁護すれば、シーア派を中心に、サウジ王族と打倒する動きが顕著になるでしょう。
結局、現在の中東で戦乱が発生すれば、アメリカの中東覇権が消失する事になります。
先のヒラリー論文でも、アメリカは中東から手を引いて環太平洋の覇権国を目指す様なので、もしかすると、アメリカの中東撤退のセレモニーとして中東戦争が準備されている可能性は否定出来ません。
■ 原油高はインフレの引き金を引くが、ドル防衛には繋がらない ■
ところで中東で戦乱が発生した場合、ドルは持ち直すのでしょうか?私は答えは「否」だと思います。
前回の石油ショックの裏で糸を引いていたのはアメリカです。当時のアラブ諸国のリーダーはサウジアラビアで、OPECもサウジアラビアが仕切っていました。ヤマニ石油相が裏でアメリカと結託して原油高を演出していったのです。
当時は原油の決済通貨がドルしか無かったのでドルに有利に有利でした。しかし、現在の世界では、ユーロも、ルーブルも元もあります。イランやアラブ各国は中東有事ともなれば、一斉に原油の決済通貨をドル以外の通貨にする事が可能です。
原油に裏打ちだれたユーロやルーブルや元は、国際通貨としての地位を高め、逆にドルは終焉の道を真っ逆さまに転げ落ちる事になります。
最も、原油価格はしっかりと上昇しますから、世界全体では資源インフレが発生します。世界の負債を清算する為に、ECBや中国やロシアが紙幣を大量に増刷しても最終的には原油がそれらの紙幣を吸収して、ハイパーインフレの発生を防ぐかも知れませ。
インフレ率が石油価格の上昇率と同等に、5年間で1000%程度であれば、各国の債務は相対的に軽減されます。
多少の混乱の後に、ユーロやルーブルや元が国際通貨としての地位を不動の物とするかも知れません。
■ 日本は原発を再稼働するしか生き残れない ■
日本は中東の原油に6割依存しています。イランがホルムズ海峡を封鎖すれば、日本はあっと言う間に、石油が枯渇します。
日本の経済界はアメリカの要求するイラン制裁をどうにかして回避したいのです。ところが、ガイトナーがイラン制裁に踏み切らない日本政府を恫喝に訪れます。
野田首相がイラン制裁に踏み切れば、イランは日本への原油輸出を止めるでしょう。いえ、それ以前に、イラン制裁とはイランからの原油の禁輸ですから当然、日本の原油輸入の1割以上が失われる事になります。
福島原発以降、点検休止した原発が再稼働出来ていない日本ですが、オイルショックが到来すれば、そんな悠長な事は言っていられません。原発が稼働出来なければ、産業用の電力が不足します。さらに、電力コストが跳ね上がり、多くの企業が海外の流出して、日本の雇用が大きく失われます。
これは不思議な現象です。放射線では誰も死なないのに、原発を稼働出来ないばかりに日本の産業と雇用が滅亡するのです。
政府は原発事故以降、LNT仮説の検証を怠ってきました。メディアに至っては、「LNT仮説」をさらに補強してしまいました。そのツケはまたしても国民に回されます。
「とっても怖い原発だけど、仕方無いから稼働させる」という最悪の決断が成されるのです。(後略)
(私のコメント)
イラン情勢が騒がしくなってきましたが、これはドルとユーロの覇権をめぐる争いが裏ではあるのではないだろうか? 「株式日記」ではアメリカにとって一番重要な同盟国はサウジアラビアと日本だと書いてきましたが、イスラエルがイランを攻撃した場合、サウジアラビアは中立を保つことは出来ないでしょう。ただでさえアラブの民主化運動でデモの火の手が上がりやすくなっています。
エジプトもムバラク政権のときのようにアメリカよりの政策は取れない。エジプトは対イスラエル戦争の急先鋒になってきた国だから、イランとイスラエルが戦争を始めればイスラエルにはイランとエジプトに挟まれて二正面作戦をすることになる。だからイスラエルはアメリカを引きずり込んで戦争をしたがっている。しかしアメリカはイラクから既に主力部隊を引き揚げてしまった。
今までの中東戦争は、アメリカとサウジアラビアが裏で結託して石油価格を引き上げることを画策してきた戦争でしたが、サウジや湾岸諸国はドルと石油をリンクさせることでアメリカとの共存を図ってきた。それに逆らってイラクのサダムフセインはユーロでも石油を売ろうとしたからアメリカに狙われた。イランも同じようにドル以外などでも石油を売っている。
石油とドルとがリンクしている限りドルの基軸通貨体制には磐石なのでしょうが、最近は湾岸諸国もドルの値下がりに嫌気がさしてドル離れを模索している。ドルに代わる基軸通貨として期待されていたユーロはソブリン危機で将来が危ぶまれていますが、ユーロからドルや円への流れが顕著になってきました。しかしドルもイラン情勢しだいではサウジアラビアがドル離れを決断するかもしれない。サウジの親米派のスルタン皇太子が亡くなり今後は不透明だ。
日本への影響も心配ですが、原発が次々と停止していますが、火力発電に石油ショックが加われば日本はどうなるのでしょうか? 石油が10倍に値上がりすればガスや石炭も投機的に上がるでしょう。今までのように原子力に頼ることは出来ないから、東日本大震災の時の東北地方で起きたガソリン不足が日本全体で起きる事になるだろう。
アラブの民主革命で一番危機にたっているのがイスラエルであり、エジプトがすっかり反イスラエルに変わってしまい、シリアもアサド政権が倒れれば敵をイスラエルに定めてくるだろう。イスラエルはアラブの独裁者たちと上手くやってきましたが、アラブの民主化された政権では国民は反イスラエルで固まりやすい。だからイスラエルにとっては気が気でないでしょう。
このようにドルの覇権は中東からも崩れる可能性がでてきましたが、アジアでも日中韓の三カ国での決済がドル離れが始まるかもしれません。この三カ国での大市場はアメリカでしたが、日中韓の貿易量が増大してドルで決済していたら為替差損などの問題が起きてきますが、お互いの通貨で決済すれば為替差損の問題は回避できる。
だからこそ日本は韓国との外貨スワップ協定を5倍に拡大したし、中国とはお互いの国債を購入することで通貨の交換流通を高める方向に動き出した。このようにドルも世界各地でドル離れが動き始めていますが、ドルも時限爆弾を抱えている。石油とのリンクはドルにとっての生命線でありアメリカはアラブ産油国を敵にまわすことは出来ない。
アメリカにとってはイスラエルにアメリカのお荷物になりつつあり、アメリカ国内の親イスラエル勢力も強力ですが、いつまでイスラエルを支えられるかが分からない。イスラエルにアメリカの援助無しには成り立たない国家であり、だからこそアメリカに工作員を送り込んで連邦議会や大統領選挙などで工作活動を行なってきた。イラク戦争などはその最大の成果ですが、民主化されたイラクは反イスラエルで固まるだろう。
国際情勢は一体誰が味方で、誰が敵か分からぬ世界であり、表向きは手を組んでいても裏ではナイフを突きつけ合っているのが外交の世界であり、北朝鮮もアメリカにとっては日中韓の分断工作には役に立っている。だから北朝鮮の核開発にもアメリカは寛容であり、日本を威嚇するミサイル実験でもアメリカ軍は情報集めをするだけで、ブッシュ政権では北朝鮮をテロ支援国から解除してしまった。裏ではアメリカと北朝鮮は繋がっている。
イランは戦争になればホルムズ海峡を封鎖すると言っていますが、そうなると一番困るのが日本だ。何しろ原子炉は止まっているし、火力発電しか頼るものがない。そこでホルムズ海峡が封鎖されたら石油の多くがストップしてしまう。まさに「油断」の世界ですが、それでも円が高いのは不思議でならない。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。