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野心と才覚のある人間に最良の年 震災2年目成功のチャンス到来
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2012/1/5 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
大震災でメタメタにされた後は1945年の第2次大戦敗戦時と極めて似ている
作家の邱永漢氏によれば、「今の日本で一番はやっている商売は、小金を持っている老人のお金をだまし取ること」だという。暗く寂しい話だが、確かに言えてる。日本経済成長の中心にいて、その恩恵を最大に受けてきた60代、70代の世代はこの国の富裕層だ。その貯蓄や退職金を狙い、銀行・証券会社が甘い投資話を持ちかける。オレオレ詐欺がターゲットにするのも、この世代である。フリーターの息子、嫁に行かない娘の生活の面倒も見る。孫への小遣いがスマホやモバゲー代に化けてしまう。そうやって、しゃぶられ、食い尽くされ、この国の富裕層も余裕がなくなっている。金庫がカラッポなのは国だけではないのだ。
比較的ゆとりのあった団塊世代以上がこれだから、50代、40代、30代のお先は真っ暗だ。経済が縮小する中でサラリーマン生活をあと10年、20年続けても、予定通りの退職金がもらえる保証はゼロに近く、老後の年金も全くアテにならない。いや、一部のエリート以外は定年前に会社をおっぽり出されるのがオチである。
一昨年から「世界同時不況がすでに始まっている」と予言してきた青学大教授の榊原英資氏は、欧米の没落を見て「日本を含めて先進国は衰退していく。これは近代資本主義の終わりを意味している」と語っている。そういう認識が必要なのだ。しかも日本の場合、山を転げ落ちる経済に大震災と原発事故がトドメを刺した。「静かな恐慌」「第2の敗戦」と呼ぶしかない惨(さん)憺(たん)たる国難の渦中に我々はいるのである。「会社にしがみついていればどうにかなる」といった過去の法則はもはや通用しない。そうであれば、もう開き直るしかないだろう。なるようになれと腹をくくり、逆転の発想を持つときなのかもしれない。
◆周囲と同じ発想の者は滅びる
過去にも、国難の混乱や絶望に乗じてノシ上がった成功者は少なくない。時代の端境期には、そういう“怪人”が跋(ばつ)扈(こ)するものだ。
たとえば、戦後の闇市から頭角を現したダイエーの中内功。フィリピン戦線から奇跡的に生還した中内は、闇市を足がかりに流通革命を成し遂げ、戦後日本の消費社会を一手に担う存在になった。闇市時代を振り返って「女と麻薬以外は何でも売った」と豪語し、「戦後、神戸から出て大きくなったのは、ダイエーと山口組だけや」と述懐していたという。
歴史作家の加来耕三氏が言う。
「ホンダやスズキが戦後、急激に成長したのも、抑圧されていた願望が解放され、大きなパワーになったからです。戦時中はつくりたくもない軍事産業に従事させられていた分、戦争が終わり、“これでやっと好きなものをつくれる”と喜んだ。周囲と同じように嘆いたり悲しんだりしているだけでは、チャンスは生まれない。変化を受け入れられない者は、滅びるしかないのです」
ソニー創業者の井深大も、周囲が日本軍の勝利を信じて疑わない中、いち早く戦後を見据えていた。疎開先の長野県で海外放送を傍受し、敗戦を悟ったのだ。「終わったら、すぐ東京に出る」と言い、実際に終戦の翌月に上京。日本橋の焼け残ったビルの一室に「東京通信研究所」の看板を掲げた。これが「世界のソニー」の始まりである。
◆何をしてでも非常事態を乗り越えるという胆力
明治維新後の混乱期も同じだ。三菱財閥の祖・岩崎弥太郎は、幕末から明治期の動乱に乗じ、政商として暗躍。一代で三井、住友と肩を並べる大財閥を築き上げた。明治政府の通貨統一を事前に知って藩札を大量に買い占め、新政府に買い取らせた逸話は有名だが、政府高官の後藤象二郎から情報を得たというから、今で言うインサイダー取引だ。
「土佐藩の負債を肩代わりして海運業を始めた岩崎は、わずか2年で借金を完済。当時は、ガレキを積んで土佐沖に沈め、保険金を詐取したという噂まであった。事実はどうだったか分かりませんが、非合法的なことをしてでも非常事態を乗り越えるという典型例でしょう。西武グループを創設した堤康次郎にしても、関東大震災の混乱に乗じ、誰のものか分からなくなった土地を強引な手法で片っ端から所有権を登録し、文字通りの億万長者に成り上がった。良いか悪いかは別として、混乱期にはこういうヤカラが出てくるものです。進取の気性に富む大倉喜八郎は、明治4年に自費で海外視察を敢行。我が国で初めて貿易商社を立ち上げ、大倉財閥を築き上げた。ペリーが来航してから、明治維新までの15年間。新しい時代の到来を想像し、準備するだけの時間は十分ありました。要するに、時代の変化を察知し、準備をしてきた人が生き残るということです」(加来耕三氏=前出)
それが才覚というものだ。黒船来航や大政奉還という時代の流れについていけない旗本連中がオロオロする一方で、野心を持った御家人や商人は「これはチャンス」と考えた。先を見越した知恵と度胸がとてつもないパワーを生む。それは、いつの時代も同じはずなのだ。
◆ただ衰退し没落するのか日本人
現代人も、チマチマ堅実に生きても先細りの衰退は見えている。ならば、太く、短く、大胆に、である。
だれもが不安に縮こまり、守りに徹し、動かない今こそ逆にチャンスなのだ。
3・11大震災で巨大津波にのみ込まれ、破壊された家屋やインフラ、水浸し自動車の山を見て、中古車販売を思い立った商売人がいた。日本中から中古自動車を安く買い集め、東北へピストン輸送。もちろん飛ぶように売れた。それを「あざとい」と非難するのは勝手だが、被災民には感謝されている。そういう発想が出てくるかどうかである。
現代人の成功神話はIT産業に集中している。プロ野球球団を買うのもIT成り金企業ぐらいなものだが、すでに飽和状態。みんなが群がる分野に参入しても、もう成長神話は残っていない。むしろ敗戦直後の焼け野原買い占めで財をなした鉄道会社のように、福島の土地を買い占める大胆さが何かを生むのかもしれない。
経済評論家の広瀬嘉夫氏はこう言った。
「この先、どう考えても、日本経済に成長はありません。不況、縮小、増税、不況の繰り返しです。夢も希望もない時代を覚悟するしかない。敗戦後の焼け野原から始まって、世界2位の経済大国に上り詰めた日本人は、再び昭和40年代、30年代のつましい生活水準に戻って生きていくしかなくなったのです」
それに我慢するか。ただ流されてしまうか。そんな下り坂だけの人生はイヤだという人間はどんどん挑戦すればいい。失敗したって、餓死する時代じゃない。打ち首もない。だれでも好き勝手に度胸を試せる混乱時代の到来であることは間違いないのだ。
そんな好機にどれだけの奇人怪人が現れるか。それによって、この国の将来は大きく変わっていくし、現れなかったら、確実にこの国は没落へ一直線だ。
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