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日銀総裁の“お笑い”金融政策…日本はまた沈む
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120105/plt1201050822000-n1.htm
2012.01.05 夕刊フジ
白川方明日銀総裁は我が道を歩んでいる。昨年12月22日の講演では「米国の有力な経済学者が日本への批判を撤回して謝罪した」と述べるなど、日銀は自らの理論が正しいと主張し続けている。
米国の有力な経済学者の日本への謝罪、とはクルーグマン・プリンストン大教授のことだろう。筆者は彼を個人的に知っているが、あれは日本への謝罪という意味ではなく、米国に対する自嘲である。
つまり「米国の政策担当者はもっと賢いと思っていたら日本並みにひどかった。これは日本に謝罪しなければいけない」という意味で、クルーグマンは語っているのだ。白川総裁はクルーグマンと話したことがないのだろうか。彼はユーモアたっぷりの皮肉屋だ。そんな彼の自嘲の言葉を真に受けて日銀が正しいと言い張る姿は痛々しい。
その講演の中でも、相変わらず間違いを続けている。白川総裁はマネタリーベース(日銀が供給する資金)の対GDP比が高いと金融緩和だと言い、日本のその水準が欧米より高いから欧米より金融緩和していると主張している。
この議論はデータを無視したお笑いレベルだ。日本と欧米を比べると、ずっと数十年間も日本の方が水準は高いままで、2000年まで1・5〜2倍程度で安定している。白川総裁の言うとおりなら、数十年間も日本が欧米より金融緩和してきたことになる。
日本は現金決済取引が多いので、小切手やカード決済などが中心で現金をあまり使わない欧米より高かっただけなのだ。金融緩和かどうかは、マネタリーベース対GDP比の「水準」ではなく「変化」でみなければいけない。
また、講演の中では、正しい事実を言っているものの、その責任は日銀自身にあるのに、あたかも傍観者のようにしている個所もあった。
「日本のデータをみると、潜在成長率と予想物価上昇率の間には高い相関関係が観察されます」と言いながら、予想物価上昇率を日銀が高くしてこなかった責任にはふれていない。
量的緩和すると、半年程度のラグがあって予想物価上昇率が高くなるのは、リーマン・ショック以降、世界各国で観察されている。12月21日の日銀の「当面の金融政策運営について」では「消費者物価の前年比は、当面、ゼロ%近傍で推移するとみられる」と日銀自らが、予想物価上昇率、ひいては潜在成長率の引き上げには不熱心であることを露呈させている。
2008年のリーマン・ショックの際に震源地でない日本で経済の落ち込みが大きかったように、欧州危機が本格化する恐れがある12年にも現状のスタンスの金融政策を続けることになれば、日本は沈むだろう。日本経済はリーマン・ショック、東日本大震災、欧州危機と3回続けてノックダウンだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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