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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34243
■ユーロ圏は無傷で生き残れるか?
答えはイエスだ。ユーロ圏を存続させようとする加盟国政府の決意、何より欧州中央銀行(ECB)のコミットメントは、少なくともあと1年ユーロ圏の崩壊を防ぐくらいには強く見える。
脆い国の政府は緊縮財政の取り組みを続けるだろう。その悪影響は、ギリシャ、アイルランド、ポルトガルの場合は国際通貨基金(IMF)の救済プログラムによって軽減されるだろうし、ECBによる支援拡大はユーロ加盟国すべての苦痛を和らげるだろう。
ECBの支援は、国債市場への直接的な介入ではなく、窮地に陥った銀行経由で実施されるはずだ。ECBのもう一段の利下げとユーロ安も見込まれる。どちらも、加盟国の苦痛を和らげることになるだろう。
だが、とにかく耐え忍んで危機を切り抜けようとするやり方は、永遠にはうまくいかない。いずれどこかの段階で、ユーロ圏は力強い成長を取り戻し、脆弱な国に必要な競争力向上を促すために中核国における比較的高いインフレを実現させなければならない。
永遠と続く緊縮財政はほぼ間違いなく失敗する。だが、2012年に見込まれる厳しい緊縮財政措置は、まだ奏功するはずだ。
■バラク・オバマは再選されるか?
イエス。2012年の選挙は大接戦になり、またしても、詰まるところはオハイオ州の選挙人投票に行き着くだろう。
弱々しい景気回復にもかかわらず、2つの要素がオバマ大統領の助けになる。1つは、共和党のミット・ロムニー氏が中西部の有権者にアピールできないこと。
もう1つは、リバタリアン党の候補としてロン・ポール氏が終盤で大統領選挙予備選に出馬してきたことだ。
ポール氏に相当数の共和党員の票が流れ、それがオバマ大統領を勝たせることになるだろう。
オバマ大統領が選挙で勝ち取る国民の信任はぎりぎりの水準である一方、共和党が下院の支配権を維持したうえ、上院で議席の過半数を勝ち取るだろうことから、オバマ大統領の2期目は最初から苦境が見込まれる。
■ソブリン債務の危機は英国を襲うか?
イエス。だが、それは英国がデフォルト(債務不履行)するという意味ではない。英国では従来、景気回復が予想されていたが、経済成長は減速してしまった。このため、英国政府は公的債務と財政赤字の削減目標の達成を先送りせざるを得なくなった。
ポンドは下落し、インフレ率は上昇するだろう。これで英国の国家財政が破綻することはないが、現政権の再選見通しは消えるかもしれない
■30年間に及ぶ国債の強気相場は終わりを迎えるか?
国債価格の上昇(利回りは低下)は遠からず、数学と論理の限界に突き当たるだろうが、強気相場が終わりを迎える可能性は低い。
米国の10年債利回りは1981年に16%近くに達して、ピークアウトした。それ以降の下降トレンドは驚くほど一貫している。最近、米国がトリプルA格付けを失っても、下降トレンドは変わらなかった。
だが、このトレンドに従えば、米10年債利回りは2010年代末までにマイナスに転じなければならない。そして、インフレが再燃したり、米国の財政赤字に対する懸念が大きく広がったりすれば、強気相場は終わるかもしれない。
しかし、当然の報いは先送りできる可能性が高い。2011年は、米国債が唯一頼りになる避難先だった。米連邦準備理事会(FRB)は引き続き、利回りを押し下げておくための対策を講じるだろう。そして、当面は世界経済が弱い状態が続く可能性が高いことから、不幸にも国債にはライバルが存在しないのだ。
■実務家から成るイタリア政府は2012年を乗り切れるか?
答えはイエスだ。イタリアの弱み(経済的な弱みと政治的な弱み)は、マリオ・モンティ氏の強みだ。
イタリアの非常事態は間違いなく2012年に一段と悪化する。さらなる緊縮措置が取られるだろう。主要政党はどこも、そのような状況下で国家統治の責任を持つ気はなく、中道右派も中道左派も割れている。
主要政党は、自分たちではやる気もなければ、決してなし得なかっただろう難しい仕事をモンティ氏にやらせるつもりだ。
■イスラエルはイランに攻撃を仕掛けるか?
答えはノーだ。イスラエルは2012年に、イラン政府が核開発計画について国際社会との交渉を余儀なくされるかもしれない新たな圧力にどう対応するか見極めるだろう。
1月には欧州連合(EU)がイランからの石油輸入をやめ、窮地にあるイラン経済を一段と損ねることになる。シリアのバシャル・アル・ アサド大統領が率いる体制が崩壊し、イランが中東地域における最大の味方を失ったら、さらに圧力が高まるかもしれない。
とはいえ、イランは交渉する気などないかもしれない。イランは恐らく2012年に、ウラン濃縮で大きな前進を遂げるだろう。
イランはEUによる新たな制裁を「戦争行為」と呼んでおり、激しい報復に出る可能性がある。結局、イラン政府は今から1年後もほぼ確実に核兵器の開発計画を推し進めているだろう。
イランが核爆弾を手に入れるための最終レースを始める年――あるいはイランが爆撃される年――は2013年になる可能性が高まっている。
■石油を巡る地政学は再び、1973年のような危機を招くだろうか?
石油危機のような事態にはならないだろう。1973〜74年の危機では、石油価格が4倍に跳ね上がった。それを今繰り返すには、今は1バレル=100ドルの原油価格が同400ドルに高騰しなければならない。だが、地政学的な混乱のために、世界は2012年にかなりの原油高に苦しめられるだろう。
EUは2011年にリビアとシリアに原油輸出禁止措置を課しており、2012年には世界第3位の石油輸出国であるイランに対する原油輸出禁止措置を実施すべきかどうか検討している。こうした状況は石油価格を大幅に上昇させる可能性がある。
■金価格はピークをつけたか?
答えはノーだ。2011年終盤にかけて大幅に下落した金が投資家の評判を取り戻すには時間がかかるだろう。だが、危機が続く限りは代わりの投資先がほとんどないというだけの理由にせよ、最終的には金は評判を取り戻すだろう。
投資家はあえて注意されずとも、欧米の政治家が経済成長を促す対策や膨れ上がる公的債務についておろおろしているうちは様々なリスクが残ることくらい分かっている。
何より重要なのは、アジアと中東の投資家(中央銀行や政府系ファンドなど)が金を大量に買い続けるということだ。途中で相場が下げる場面があるかもしれないが、金は2012年に、2011年につけた1オンス=1920ドルの高値を上回り、史上初めて2000ドルの大台を突破するだろう。(抜粋)
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