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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34131?page=3
マット安川 今回のゲストは評論家・宮崎正弘さん。中国経済の鈍化や国内情勢をうかがうとともに、ポスト金正日の北朝鮮、2012年早々に予定されている台湾の総統選挙などの展望をお聞きしました。
****ネットによる情報化が中国当局の暴動対応を変えた
宮崎 中国で暴動が頻発しています。今一番注目されているのは、広州に近い烏坎という村で起きたそれです。
共産党幹部が勝手に農地を売り、マンションやリゾート施設、ゴルフコースなどを造ろうとした。しかし雀の涙程度の補償金しか出ないことにみんなが怒って、幹線道路を封鎖する騒ぎになりました。
警官隊が入って60人ほど拘束されたんですが・・暴動はさらに拡大しました。
今までなら軍隊が出て鉄砲をバンバン撃っておしまいでしたが、さすがにもうそんなことはできません。農民だって携帯電話を使って写真や動画を撮れるし、それをネットで送れる時代ですからね。
結局、当局は農民の要求をかなり受け入れました。指導者の遺体を返し、土地の売却交渉は村人の代表も同席させてやり直す・・・と。かつてなかったことです。
背景にはいろんな要素が絡んでいます。来年の共産党大会に向けて、広州、重慶、大連という各エリアのボスたちが繰り広げている権力闘争が影響してのことでもある。
****中国経済は末期症状。来年夏には人民元暴落も?
日本の新聞もようやく中国の不動産バブル崩壊について書き始めました。しかし内容は必ずしも正しくない。不動産価格が上海で25%、北京で20%下落したといいますが、実際には40%ぐらい下がっていると思われます。
というのも、取引がほとんど行われていないんです。売買すると価格がとんでもなく下がることが分かっているので・・不動産開発業者に資金援助するなどして必死に延命を図っていますが、こんな状態が長続きするはずはありません。
いずれは不良債権を抱えた銀行が窮地に陥り・・来年夏頃には人民元暴落というシナリオも十分ありえるでしょう。
中国の現状からすればGDPが上がるとは思えません。個人消費は明らかに減っています。住宅はといえば6500万戸が空き家状態。企業は設備投資どころではなく、政府の財政支出も限界に来ています。どう考えたってマイナスじゃないですか。
****金正日の死で、宮廷クーデター、軍事クーデターはあるか
金正日氏の死は「来るべき時が来た」という感じです。北朝鮮当局にとってもそうでしょう。世襲の準備はもう済んでいましたからね。
昨年、中央軍事委員会副委員長というポストに、金正恩氏が納まった。これは後継者は彼だと発表したに等しい出来事であり、この時点で党と軍内部の調整が済んでいたことの証しでもあります。
さらにはその後間もなく、中国の李克強副首相と彼ら親子3人の写真を内外に公表しました。これは後継者問題について、それまで世襲に反対していた中国から同意を得たことを示します。金正日氏はもう、いつ死んでもよかったんです。
張成沢氏による宮廷クーデター、あるいは改革派による軍事クーデターなどは可能性がないではないと思いますが・・・
****経済交流の深まりで複雑化した台湾の対中意識
ちなみに台湾における「親中」ということの意味は、昔とは大きく変わっています。背景にあるのは、活発で深い経済交流です。中国資本が嵐のように流入し、一方で6万社もの台湾企業が中国に進出しています。今や台湾では人民元を使えますし、中国の銀行が台湾に支店をつくってもいる。
イデオロギーだけで中国が嫌いだとか、統一が嫌だとか言える状況ではないんです。筋を通して独立を言えば、経済的に干上がってしまう。本省人の99%は独立を望んでいますが、「それを言っちゃあおしまいよ」というところがあるんです。
****★円高是正は簡単だ。紙幣を増刷すればよい
一方、目を日本に転じてみると、中国漁船の違法操業に手をこまねいている外務省といい、間違いだらけの経済政策を続けている財務省といい、日本の官僚はいったい何をやっているのかと暗澹たる思いです。省益や自分の出世のことばかりを考えて、波風を立てないようにしているとしか思えません。
日本経済が苦境にあることの原因は円高です。円高は国益につながるなどと言う人がいますが、それは財務省による世論操作でしょう。今、大学生は就職できず、失業者は増え、生活保護受給者が増えている。すべて円高のせいです。
ではどうすればいいか。簡単なことです。お金を刷りまくればいい。アメリカはリーマン・ショック後、3倍も4倍も、中国に至っては7倍もお金を刷りました。ヨーロッパ諸国も同様です。しかし日本はわずか1.5倍。世界中の投資家が円買いに走るのも当然でしょう。
財務官僚がそれほど単純な円高対策を講じない理由は、インフレを恐れているから。無難に次の人にバトンタッチするにはインフレが起きるよりデフレのままの方がいいってことです。(中略)
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■動脈硬化のドル循環システム
http://tamurah.iza.ne.jp/blog/entry/25531
以下、読者の質問に答えます。
***何故、日銀・財務省は通貨発行をせず、米国を始め、主要先進国が煙たがる為替介入をするのでしょう?
まずは為替介入は財務省の利権で、介入は利権を拡張します。財務省はこうして拡大する外為特別会計のドルを国際協力銀行経由で企業の海外投資を支援して権限を拡張、あるいは一部を欧州金融安定化基金やIMFに融通、介入は米国債購入を増やすのでワシントンに忠誠を誓う。あるいは中国との国債持ち合いに使って国際的な地位を高める。
介入資金は政府短期証券発行で金融機関から国民貯蓄を吸い上げる。
日銀は介入は財務官僚の縄張りだとみなし、口をはさまず実務的に協力します。しかも、お札を刷らされる必要がないので、日銀の独立性を守れるというわけです。
つまり、財務、日銀官僚とも自己の権益拡張、保全にしか目がいかず、国益というものが頭の中に欠けています。
***ところで、ジャブジャブ摺った筈の米ドルはどこへ消えてしまったのですか?
FRBがリーマン後刷ったドルは2兆ドル以上。まずは米金融機関を経由して米金融市場、さらに全世界に回ります。ドルは基軸通貨ですから、世界に流れ出したドルは現地通貨に変わります。中国、インド、ブラジル、韓国など新興国通貨当局がこれらのドルを買い上げると、外準となり、米国債を通じて米国に還流します。欧州の金融機関に入ったドルの一部は対外融資に使われ、やはり新興国に回り、上記のように最後は米国に還流します。欧米金融機関は多くをユーロに換えて、ユーロ建て国債に代わります。ユーロ危機でこれらの金融機関はドル資金を調達できなくなり、ドル不足に陥っています。このため、欧州金融機関はドル資金の回収にかかっており、韓国などはたちまちドル流出に悩みます。
一方、中国はFRBが刷ったドルの8割相当額を人民銀行が買い上げ、人民元を刷って投資を促し、高成長を維持してきましたが、不動産バブルとなってしまい、崩壊過程にあります。ドルが入ってこなくなると、中国は成長マネーを補給できなくなります。
欧州金融市場が平常であれば、ドルは順調に世界を回り、最後は米国に還流するのですが、今は欧州で糞詰まりになってしまい、回りません。だからドル過剰の中のドル不足が起きる訳です。(田村秀男)
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