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2011年の相場はリスク・オンとリスク・オフの繰り返しでした。
そして「今日はリスク・オンか?それともリスク・オフか?」を決定付けるのはギリシャやイタリアでの日々のドタバタ茶番劇でした。
欧州株、アメリカ株はおろか、日本株や果ては中国株などの新興国株式市場までもがギリシャの挙動に一喜一憂したのです。
このように世界中の原資産がひとつの関心事に振り回されるといことは相場の世界では珍しくないけれど、ここまで世界がひとつになる(それを難しい用語で言えばコリレーションということになります)例は稀です。
ある国の財政破たんを手掛かりとして国債や通貨に売りを仕掛けるようなトレードを「グローバル・マクロ・ストラテジー」と言います。
グローバル・マクロはファッショナブルになるかと思えば逆に誰からも顧みられなくなるなどその時々の世の中の流れ、相場の流れによって人気が変わります。
2011年はグローバル・マクロが闊歩した年でした。だからこそジョージ・ソロスのような苔生した投資家が世間の注目を集めたのだし、彼のご神託に誰もが耳を傾けたのです。
でもジョージ・ソロスが前回大活躍したのは1992年の事であり、あれから実に20年の歳月が流れている事に投資家は注意を払うべきでしょう。
僕はジョージ・ソロスが傾聴に値しない投資家だと言いたいのではありません。そうではなくて様々な投資ストラテジーには「旬」というものがあり、グローバル・マクロの「旬」は2010年、2011年あたりで終わったということが言いたいのです。
なぜ「旬」は終わってしまうのでしょうか?
それはグローバル・マクロの投資家の相場の腕前が落ちるからではなくて、単純に模倣者が続出するからです。皆が同じストラテジーを採用し、それで儲けようとすると超過利益機会は参入者の数に反比例するカタチで漸減します。
★いま世間を見まわしてみれば誰もがギリシャ問題、欧州問題の専門家気どりです。
そういう人に限って「ヨーロッパは崩壊する」式の議論を展開していますが、勉強が足らなさ過ぎる!
★ヨーロッパは崩れようとしているのではなく、物凄いスピードでひとつになろうとしているのです。
そしてそれをけん引しているのはいやいやその役目に担ぎ出されてきたけど、一度ヤルと決めれば誰が何と言おうとも固い決意で一歩も譲らないアンゲラ・メルケル首相です。
★なお、断っておきますがドイツが欲しいモノは間違ってもユーロではありません。彼らが欲しているのは弱い通貨なのです。だからユーロ危機がひと山越えることと通貨ユーロが強くなることを混同してはいけないのです。
今後もユーロは弱く導かれるし、それは危機の「ガス抜き」のためにどうしても必要な事なのです。
メルケル首相はこれらの目標をほぼ達成し終わっています。
★それはとりもなおさず相場の材料としての欧州財政危機はインパクトを失いつつあることを意味します。もっと端的な表現に直せば、やれ「S&Pが欧州の銀行の格付けを引き下げた」とか「CDSが高値を更新した」などの情報ではなかなか相場が動かなくなるし、儲けにくくなるという事です。
投資家は儲からなくなると「なんだ、相場は動かないのか。それじゃつまらないな。河岸を変えてみようか?」という風に新しいチャンスへと乗り換えてゆきます。
そもそもビジネス・チャンスというものは、そういうものなのです。
世界中の投資家がギリシャ問題に一喜一憂した結果、現在のマーケットにはチャンスがゴロゴロしています。具体的なチャンスについてはここやここで書いておきました。
2012年のマーケットではそういう単純な事実にいち早く気付いた投資家が良い成績を収めると思います。
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