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http://jp.wsj.com/Finance-Markets/node_363758?mod=WSJFeatures
【ロンドン】償還能力があることを債券市場に信じてもらえなかった場合、イタリアには奥の手がある。
多くの人は気づいていないが、イタリアは2452トンもの金を保有しており、その量は世界第4位である。この保有量はフランスよりも多く、中国の2倍以上になる。
イタリアよりも金の保有量が多いのは、米国、ドイツ、そして国際通貨基金(IMF)のみである。
そこで浮上するのが、財政危機に苦しむ欧州のいくつかの国――イタリアやフランスなど――は財政赤字を穴埋めするために国が保有する金を売却し始めるのだろうか、という疑問である。
すでに売り始めているのでは、という憶測もある。
イタリアが保有する金の市場価値は1230億ドル――今年の財政赤字800億ドルを補てんして余りある額だ。ポルトガルが保有する金の価値は190億ドルで、これも130億ドルの赤字を上回っている。フランスも保有する1220億ドル分の金を売却すれば、1500億ドルという膨大な赤字を大幅に縮小できるのだ。
一方で、財政が豊かな国、中国はどうだろうか。筆者は、遅かれ早かれ、中国が3兆ドル以上もある外貨準備高の一部を、他国がコントロールできない唯一の通貨である金に移行させるのではないかと考えている。現在、米国、ドイツ、イタリア、オランダといった西側の先進国は外貨準備高の60〜80%を金で保有している。
中国はどうかというと、2%以下である。これは誤植ではない。
金の保有国が変わるとき、昨日までの支配者から明日の支配者へのパワーシフトが起こるのかもしれない。こうしたことは100年前にも起きている。フランス、ドイツ、英国が保有していた金の多くを米国が保有するようになったのだ。
短期的には、こうした動きが金の価格に下げ圧力をかけ続ける可能性がある。金を大量に保有している国の多くは現在キャッシュを必要としており、金を売るしかなくなるかもしれないからだ。
しかし、中長期的には、金に関して強気であるべきだろう。
この数カ月間の金の値動きについては、多くの人が困惑している。9月初めに1オンス=1900ドル前後だった金は1600ドル以下まで急落した。これは欧州の財政危機が深刻化するなかで起きたことで、従来の常識に照らすと金は高騰するはずだった。
この値動きには2つ気をつけなければならない点がある。
第一に、金の価格は見た目ほど下落していないということだ。金の価格は米ドルで表示されることが多いが、その米ドルはこの4カ月間で上昇しているのだ。
金の価格が1オンス=1900ドルに達した9月の初め、1ユーロは1.45ドルだった。以来、1ユーロは1.30ドルにまで落ち込んでいる。
ユーロ換算だと、金はどれほど下落したのだろうか。9月の初めに1オンス=1300ユーロだった金は、現在1200ユーロになっている。
第二の要因としては、市場センチメントが挙げられる。
4カ月前の金に対するセンチメントは圧倒的に強気だった。米国議会が債務上限引き上げを巡って紛糾した直後で、金の価格は急騰した。米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したデータによると、当時、投機筋やトレーダーが金の価格のさらなる上昇を見込んで買ったプット・オプションの残高は記録的なレベルにあった。
こうした状態の後には反落が付きもので、実際にそうなった。
今のセンチメントはどうかというと、かなり弱気である。CFTCによると、金の価格の上昇を見込んだデリバティブ投資が、4カ月前の3分の2以下に減っているという。
先週、ロイター通信がヘッジファンドマネジャー、トレーダー、エコノミストなど20人を対象に調査したところ、市場関係者が金に関してかなり弱気だということがわかった。2012年第1四半期の金の価格については、回答者のほとんどが1オンス=1500ドルを下回るとみていた。
一般に、市場においてはコンセンサスに従うよりも逆らって投資するのが得策だと言われている。金の価格が1オンス=1900ドル以上していた4カ月前、誰もが金に強気だった。その価格が1560ドルに下落した今、誰もが弱気になっている。つまり、ここは強気になるべきときなのだ。(記者: Brett Arends, MarketWatch)
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