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消費税アップの矛盾 大企業は減税のカラクリ
[慶大教授 金子勝の天下の逆襲]
(日刊ゲンダイ2011/12/20)
いよいよ「社会保障と税の一体改革」が佳境に入ってきた。
だが、そもそも政権交代時に約束した年金の一元化もやらないで増税だけするのを「社会保障と税の一体改革」と呼べるのか、疑問だ。
財界団体はこぞって、法人税の引き下げと消費税引き上げを要求する。大手企業の多くは、デフレで人口減少が続く国内市場を切り捨て、ひたすら輸出に依存して稼ごうとしている。
こうした大手企業は、輸出に際して消費税は還付されるので“大幅減税”になる可能性があるからだ。
ところが、国内向けの中小企業は、消費税の増税で大打撃を受ける。このデフレ不況下では、消費税のアップ分を価格に転嫁できず、丸々、自分で負担することになりかねない。
現に、2010年度の消費税滞納額は約3400億円に達している。消費税率が2倍の10%に引き上げられたら、消費税を払えない中小企業はさらに増えるだろう。
消費税を価格に転嫁できる仕組みが不可欠だ。
たとえば、仕入れにかかった消費税が記載されたインボイス(送り状)を受け取って、次の売り先にインボイスを送るというシステムにすれば、価格に転嫁できる。
しかし、食料品など生活必需品に10%の消費税をかけると逆進性がひどくなる。他方で、食料品店など最終的な小売りが、デフレ不況下で値上げできなければ小売業者が苦しむ。英国のように食料品をゼロ税率(税率を0%)にすべきだろう。最終段階の小売業者は、前段階のインボイスが送られてくるので、税務署に還付を求めることができ、消費者に消費税を乗せないで済む。
こうした本格的な制度整備をせず、消費税率アップを強行すれば弱者が負担を強いられ、景気も悪化するだろう。
さらに、消費税率があまりに高くなると、企業は売り上げを減らそうとして、請負派遣に出す傾向を生む。たとえば運送業などは、従業員をクビにして自営業者として契約を結ぶことも起きうる。
野田内閣は“上から目線”で1%税率を上げると2・5兆円税収が増えると皮算用ばかり。
もっと国民生活に目を向け、必要な措置をとるとともに、消費税だけに頼らない税制も考えるべきである。
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