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「金を資産の半分持て」と2010年暮れに、ゆかしメディアで予測した、人気エコノミスト中原圭介氏。取材時にはニューヨーク金先物相場では、1オンス=1400ドル近辺だったのだが、今年に入り急騰。1オンス=1900ドルを突破し史上最高値を更新した。現在は調整局面となっているが、今後の金相場の行方はどうなるのか、中原氏に再び聞いてみた。
*****2011年は「買い越し」イヤーだった
欧州の財政危機が本格的に浮上してくる。また、米国経済にも不安が出てくるという読みがあったので、1年先まで見通すと、やはり『金』がいちばん堅いと考えました」
10年末に自身が行った、2011年の予想を中原圭介氏は謙遜気味に振り返った。世界の投資資金が、欧米の危機を避ける形で、「金」や「円」などに逃避したのが今年2011年の大きな動きだったのだ。
「過去20年以上にわたって各国の中央銀行や公的機関は金を売り越してきましたが、2010年に買い越しに転じました。金の歴史的な転換点になりました」
つまり、世界一の外貨準備高を誇る中国を例に取ると分かりやすい。これまで大量に蓄えてきたドル、ユーロなどからリスクヘッジのために、金や円の比率を増やした。金は10年が76トン購入、11年は大幅に購入ペースを増やして8月までに203トンとなっている。
急激な金先物価格上昇のため史上最高値を更新。NY商品取引所などを展開するCMEは証拠金比率を引き上げるなど対策を打ってきた。1オンス=1900ドルを超えた金も、現在は調整局面にあり、1600ドル台で推移している。
*****それでは、ここからどう動くのか知りたいところだ。
まず最悪の想定から
欧州はまず、ギリシャが財政破たんするかどうか。さらに、その引き金が弾かれた場合にはイタリア、スペインなどに波及してくる恐れがあることを中原氏は指摘する。
「ドイツやフランスの銀行がヘッジファンドに売られているのは、イタリア、スペインの国債をたくさん保有しているからです。ギリシャはETFSで救うことができますが、イタリアの規模になると救えないのでは」
PIIGS諸国の政府債務
・ギリシャ(33兆円)
・イタリア(186兆円)
・ポルトガル(16兆円)
・アイルランド(15兆円)
・スペイン(65兆円)
破たん懸念のあるとされる国を改めてこうして見ると、ギリシャは規模が小さいもので、一方のイタリアは1ケタ債務が大きいことがわかる。「イタリアやスペインがギリシャと同じようなことになれば、世界恐慌に陥るリスクが高まります。だから、ECB(欧州中央銀行)が必死で両国の国債を買い支えています」と中原氏はいう。
★本当に最悪のケースになれば、金価格は? NY金先物は1オンス=2000ドルを超えてさらに、その上を目指し…。中原氏も「どれくらい金の価格が上がるのか、想像がつきません」という。
*****最後は政治の決断
来年2012年は、大きな選挙が控えている。アメリカ、フランスそれぞれの大統領選挙が控えている。特に欧州の財政危機に大きな影響を及ぼすのが、フランスの大統領選だというのだ。
サルコジ大統領は欧州の財政危機を何とか治めようと積極的な姿勢を見せている中心人物です。★彼が選挙で負けるとなると、欧州の救済スキーム自体が危うくなるかもしれません」と中原氏。こうなった時に、イタリアとスペインの国債利回りが急騰すると同時に、金価格も大きく上昇すること予想される。
現段階の選挙情勢において、サルコジ大統領が支持率を落としていると伝えている報道が多い。仮に彼が選挙で敗れるとしても、「統一通貨ユーロの恩恵を最も受けているドイツ政府が、ギリギリのところで最大限の譲歩をすると見ています。国民の反対もあり独政府も動きにくいとは思いますが、世界恐慌を起こすわけにはいかない。イタリアやスペインがいよいよ危ないとなれば、決断せざるをえないでしょう」と予測する。
この決断のタイミングこそが「売り時」だと中原氏は指摘する。それはいつの時点なのかは誰にもわからないが「(決断のタイミングで)一気に金価格が下がるのではないか、と見ています。だから、来年2012年は新しく金を買うのではなく、売り場を探す年になるでしょう」とする。
★現在の調整局面から、あわよくば上昇。そして、ドイツの決断で一気に下落となる。もちろん、そのタイミングはフランス大統領選の前になる可能性もある。金をいま保有する人は、注意深く売りのタイミングを見逃さないように注意したい。(中原圭介)
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