12月14日（ブルームバーグ）：中国指導部は14日閉幕した中央経済工作会議で、世界経済の見通しは「極めて厳しく」、中国の成長が脅かされるとしながらも、不動産価格引き下げに向けた取り組みを来年もあくまでも続けることを確認した。

　　国営新華社通信によると、会議終了後の声明では、中国が「基本的に安定」した消費者物価を目指し、不動産に関する規制を「断固として」実施する方針が示された。同時に「しっかりとした比較的速いペースの成長」を目指すこともうたわれた。

　　世界銀行での勤務経験があり、現在バークレイズ・キャピタルのエコノミストである常健氏（香港在勤）は、「政策の焦点は、インフレ制御から成長支援へと移るだろう」と述べた。

　　この日の声明には、物価安定が政策の中で「より重要な位置を占める」という昨年の声明にあった文言は盛り込まれなかった。同国のインフレ率は、３年ぶり高水準となった７月の6.5％から低下してきている。今年の声明は、経済と金融システムの「潜在的なリスク」などを課題として挙げた。

　　　　　　　　　　　安定の中の前進

　　新華社によると、中国の来年のテーマは「安定の中の前進」。「安定とはマクロ経済政策を基本的に安定維持すること、しっかりとした比較的速いペースの成長を維持すること、全般的な物価水準を基本的に安定状態に維持し、社会の安定を守ることだ」という。

　　声明は、政策は必要ならば微調整され、当局は経済改革を推進するとしている。世界の見通しは「依然として極めて厳しく」、中国は成長減速と物価上昇の圧力にさらされているとの認識を表明。一部企業の経営難と、「省エネをめぐる厳しい状況」に直面しているとの見解も示した。

　　このほか、一般住宅の建設を急ぎ、住宅価格を妥当な水準に戻すことを目指す方針を表明。人民元レートは「基本的に安定」を維持するとした。

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更新日時: 2011/12/14 17:23 JS

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