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結局、EUサミットの材料は、日々の値動きに影響を与えるには大きすぎる材料。マーケットも即消化できない。「決裂」という最悪の結果にはならず、マーケットには束の間の安堵感。しかし、「サミットの結果を見つつ、格付けをリビューする」と明言していたS&P社の動向が気になる。今週のサプライズがあるとすれば、更なる欧州関連格下げの有無。
先週を振り返ると、EUよりECB理事会のほうが、遥かにインパクトあったね。利下げは織り込み済みだったけど、期待のバズーカ砲と言われる、イタリア・スペイン国債の市場からの買い取りには消極的発言のドラギ新総裁。頑と、マーケットの「QEおねだり」を撥ね付けた。
しかし、ソブリン(国)には厳しいドラギ氏だが、欧州銀行には優しい。欧州銀行に対する融資期間を3年にまで延長し、更に、融資の担保の基準も緩めた。欧州民間銀行が手持ちの南欧国債をECBに持ち込めば、じゃんじゃん融資してくれるとすれば、これって、間接的量的緩和じゃない?
それから、EUサミットで露わになった英国の孤立。
金融取引税などを一律に課されては、金融立国ロンドンにはたまらん。
ユーロには元々参加せず、「それみたことか」の姿勢。それに金融政策が根源的に異なる。BOE(イングランド銀行)は、ポンドを刷りまくる(量的緩和)。ECB(欧州中銀)は、ユーロ刷りまくりを(当面)控える姿勢。BOE print. ECB do not print.
それから気になるニュースは、先週、中国消費者物価上昇率が4.2%(11月)にまで急低下してきたこと。6%台から4%台にまで、4か月で急落した。1年2か月ぶりとのことだが、振れが大きいね。これで中国は、金融政策の軸足を物価安定から成長重視に、はっきり転換することに。預金準備率引き下げに加え、利下げも視野に入る。名目金利も物価も同時に下がれば、実質金利マイナス状況は変わらず。中国の金買いを促進するマクロ経済環境に変化なし。
今の中国経済。バブル破たんとか言われるけど、冷静に見れば、輸出、財政依存型経済から消費、内需主導型経済へ転換の産みの苦しみの最中ということでしょ。
最後に、ソロスが南欧国債を1500億円相当も購入したこと。破たんしたMFグローバルから買い叩いたようだ。長期投資家としては、割安感を感じたのだろう。パニくって売る人あれば、サッを買う人もありマーケットは成立する。
そして金価格は著変なし。1700ドル台を維持。(豊島逸夫)
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