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意図的なGDP集計の修正2011年7-9月期より
この意図は、明らかに名目GDPの高め修正が狙いである。
今回の内閣府の発表からGDPの集計方法が変えられた。統計などは頻繁に変えられると、それ自体で継続的な信頼性が落ちるものである。しかしそれに合理性があればいたし方ない場合もあるだろう。
しかし今回の集計方法の変更は明らかに恣意的なものであり、その狙いはデフレの深刻度を隠すものである。
今民主党内で話題になっている消費税の増税をどのような条件で上げるかという条件付与が問題になっている。恐らくわずかな名目GDPの上昇を捕らえ、景気が回復基調にあるとして、増税を決める腹積もりのようだ。
間違った統計によるわずかな成長で消費税を上げられてはたまったものではない。前から言っているが、デフレ下での消費税増税は資金を市場から吸い上げるためデフレスパイラルを巻き起こすものである。絶対してはいけない行為なのだ。
今回の統計修正の主なものは、銀行の利鞘を名目GDP項目に算入すること、自家作成のソフトを名目に算入することになっている。
名目GDP項目というのは最終消費の集計であり、第3者に売れて初めてカウントされるものである。
銀行の利鞘の単なる増加が市場の消費が増えるものでないことは明らかだ。利子の利鞘の増加額が市場で使われて初めて資金が市場に回るのである。
金利の差額の増加分は国民所得を形成する市場(ハートランド)に編入することができないものである。
このようなことは統計でどのような間違いを生むのだろうか。
現在のデフレ下では、企業は、先に行くにつれじり貧になっており、借金をする企業がまだまだ増えて行き、また借金を完遂する企業が少なく、先行きで倒産する企業がまだまだ増えて行くだろう。
現在誰でもが知っているように、現金預金という資産が1400兆円ほどあるがこれが個人の貯蓄なのか、企業の投資資金なのか、あるいは、現金資産なのか区別がつかない。
この1400兆円は、ほとんど市場に出回らない日本の最後の資金であり、棺桶代、葬式代のようなものになっている。
銀行はこの預金以上の利鞘を稼いでいることになる。今以上にデフレが進行すると、不景気でものが動かない状態になり、余計に企業の借金額が増えるため、自動的に利鞘が増えることになる。
これでは実質GDPが全く伸びなくても名目GDPが伸びることになる。それはデフレが解消されているような統計結果をもたらすことになる。
単なる恣意的な変更が、大きな経済指標の変化となり、間違った経済政策が取られる可能性が高くなるだろう。
もうひとつの自社開発ソフトも設備投資に算入するそうだが、ものが売れて初めて資金が市場に回るのであり、それが国民所得を形成するのである。
外注すれば高く付くから自家開発したものではないのか。これを付加価値にカウントするのは腑に落ちない。明らかに経費であろう。
どうも今回のGDP集計方法の変更は、最終生産物としての付加価値でないものを算入し、正しい国民所得の算定を阻害するもののように感じられる。
現在のような危機的な経済状況では、より確かな統計や資料が必要であり、それが危機を突破する基礎材料となるのである。
しかしながら今までも内閣府の統計でおかしな変更が増えてきていたが、最近、悪意のある露骨なデフレ隠しをし始めた気がする。
政府が変わればそれに応じて統計結果も変わるのであれば、資料室などいらない。
今回のGDPの変更内容は新聞発表だけなので詳しいことは分からない。しかし内容から察するに、
今、する必要があるのか、よりGDPの内容が充実するのか、疑問である。
今回の変更は、合理性に疑問があり、金融部門の内容を実体経済に編入しようとするものである。
納得できない。
一言主
追記
もしこの変更の首謀者が、デフレは名目GDPが上がれば解消するという正しい認識があるなら、名目GDPの上昇を促す政策を取るべきであろう。
名目GDPを成長させる政策
デフレ解消策(船中八策)
1、ガソリン税を下げること。100円/リッターぐらいに維持すること。
2、高速代金を全線、全車種3割負担で実施すること。1、2はいずれも国民に資金を還元することに主眼がある。
3、雇用保険を満額給付せよ。また雇用保険期間を延長すること。デフレの解消には、働くより消費を増やす方がよいのです。
4、公務員の賃金を大幅にカットし、生活困窮者にまわせ。生活保護所帯以下の最低賃金所帯にその差額分を給付せよ。
5、住宅ローン破綻懸念者に国が代わりにローンを支払え。
6、金利を引き上げよ。(個人預金金利を引き上げよ。)昔、有ったマル優などを復活させること。
7、税金の物納を大幅に認めよ。
8、消費税を下げろ。
いずれも市場に資金を注入する方法であり、消費の拡大に貢献します。それがデフレ解消の正しい方策です。財源は今までの出費を振り替えることが大事です。これにより名目GDPが上昇することができます。
一言主
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
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